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新型コロナ危機はリーマンショックとどう違うのか。もやい・大西連さんインタビュー

新型コロナウイルスの感染が拡大し、感染症そのものによる被害だけでなく、経済や暮らしの危機も深刻化しています。実際の支援の現場は一体どんな状況で、路上や生活困窮者の相談からどんな変化の兆しが見えるのか。東京で貧困や生活困窮者支援に取り組むNPO自立生活センター・もやいの代表で友人でもある大西連さんから話を聞いたので、彼の許可をいただいてその内容を紹介します。

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なお、内容は4月1日の15時ごろにリモートの環境で話したときのものです。記事中の写真はもやいから提供いただきました。まずは目次を読んでみてください。

路上や生活困窮者の相談から見えること

――今々の時点ですでに目に見えている兆しや変化があったら教えてほしくて。

うん。新宿で「新宿ごはんプラス」というお弁当配りの活動を隔週でやってるんだけど、通常は80人くらいなのが3月21日の土曜日は127人も来た。この活動を6年間やってて過去最高に多い。今までマックスでも100人くらいだったから。用意したお弁当が初めて足りなくなったんですよ。

どんな人が増えたかというと二つのパターンがあって。一つめのパターンは普段来てない新しい人たちが来た。これまで野宿の手前にいた人、ネットカフェ生活してたけどその生活が維持できなくなったという人が野宿にいたってしまったパターン。

もう一つのパターンは、今炊き出しとかがすごく減っちゃっていて、それで困って普段は来ないような遠くの地域からも僕らのお弁当配りの活動に来た。上野の方から来た人もいたね。

教会とか、NPOよりもっと小規模な団体だと、炊き出しのボランティアが集まらないとか、大量の食料品を作る上での感染のリスクとかもあって自粛してやめてしまったり。この両方のパターンで全体としてすごく増えた。

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それで、最近もやいの相談事業であった事例からいくつか類型として3つくらい説明するね。個別の人のように話すんだけど、色々混ぜて話していると思って聞いてもらえたら。

――うんわかった。

① 競争が激化した建設労働からあぶれた50代の男性

まずはある50代のおじさん。彼はずっと建築系の解体とか、現場作業員ですよね、肉体労働の仕事をやってきた。ただ、イベントの自粛とかで、設営とか、撤去とか、足場組んだりとか、普段は肉体労働系のお兄ちゃんたちがやってる仕事が今すごく減っていて。

それで、彼らが困るから、さっきの50代のおじさんがいるような別の建設系の現場に流れてきてるのね。ただ、元々そっちも景気が良くなくて仕事が減るかもという状況で、結局競争が過多になって、そのおじさんの仕事がなくなっちゃった。それで困ってもやいに相談に来た。

年齢が高くて、それほど技術が高くない。要は末端の労働のところにもうちょっと上にいた人が降りてきちゃったから、末端の人が本当にいれなくなってしまった。ところてん状態で上から来て押し出される。

② 住み込み派遣の「次」が見つからない30代の男性

別の方は30代の若者で、その人は年明けまで派遣で地方の製造業の工場で働いていたの。それでコロナと関係なく契約が元々の約束通り切れたのね。それで、貯金もちょっとあって、次の仕事探そうということで東京に戻ってきて、ネカフェで生活していた。その人はそういう生活をここ数年やってたみたいで。

――地方の工場で派遣で働いていた人。

そう、地方の工場に住み込みで働いてたの。寮付きの派遣。契約が切れたら寮も出なきゃいけないから東京に戻ってきた。若かったから今まではそれで次の仕事がすぐ見つかったんですよ。

でも今回は今の状況に突入してしまって、次の派遣の仕事とか住み込みの仕事が全然見つからなくて。それで、単発の日雇い系の仕事をしてつないで、貯金も崩しながらネカフェで生活してたんだけど、もうそれが尽きちゃって相談に来た。

それで、その人の場合は生活保護の申請をすることにした。直接コロナの影響で仕事が切れたとかじゃないんだけど、前の仕事が切れてその次の仕事が見つからなくて、予想以上に長い失業になっちゃって、貯金が無くなったというパターンです。

――日雇いとか短い期間の仕事もかなり量が減っている?

そうね。間違いない。量も減ってるし、上にいた人が降りてきちゃってるから競争が激しくなってる。貯金がちょっとあっても、仕事が無くなったら「日雇いでつなごう」とかみんな思うから。

より年齢が高いとか、職歴が良くないとか、そういう人から順に仕事につけなくなっちゃうという感じがありますね。

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もやいでの相談風景(現在はマスクの着用など医師の助言に基づいた対策をした上で実施しているとのこと)

③ 「つなぎ」のお金が足りない20代の女性

あともう一人は20代後半の女性。元々派遣で事務系の仕事で働いていたんだけど、うつがあってちょいちょい休職していた。だから収入が結構不安定なんだけど生活保護は使ったことがない。元々すごい不安定だけどなんとかギリギリやってきて、でも2月で契約更新されなくて退職になってしまった。ただ、5月の頭からの仕事は決まっている。

でも3月はなんとか貯金でやってきたけど、5月に仕事が始まっても給料もらえるのは6月じゃないですか。そこまでの「つなぎ」をどうしようっていうんで、「生活保護もあるよ」と言ったんだけど、ご本人的にちょっと家族のことでいやだとか色々あったので、「貸付使おうか」とかそういう相談対応をしたんだけどね。

だから、元々路上のギリギリ手前の人が今ちょっと仕事がなくって。もしくは仕事自体はあるんだけど、もっと上からそこに降りてきちゃった人たちとの競争になって押し出されてみたいなことが、今起きてるかな。

月給制の人たちは4月終わりか5月から収入が落ちてくる

――つまり、20代、30代、40代とか、現役で働く世代の人たちが食いっぱぐれ始めてるんじゃないかということだね。

そう。それが始まってる。3月の頭にはこういう人来なかったから。コロナの影響を間接的に受けてる人が今もやいに相談に来ていて、コロナの直接的な影響を受ける人が、タイムラグで4月後半とか、5月のゴールデンウィーク明けとかに来るだろうと思ってます。

年度の終わりの3月で仕事がなくなっちゃう人っていっぱいいて、契約更新されないとか、次の仕事が見つからないとか。ただ3月末で雇い止めにあった人とかが、4月の頭に相談に来るかっていうと来ないんだよね。貯金があったりとかで、とりあえずなんとかなったり。あと3月の給料は大体4月中に払われるじゃないですか。タイムラグがある。

――年度末の雇用が切れやすいタイミングに今回のコロナがちょうどぶつかってしまっている。

そう思います本当に。だから、逆に言うと、今もうお金がない人の多くは多分月給制の仕事ではないんだよね。全国で一斉休校が始まったのが2月の終わりだから3月分の収入が減る人はたくさんいて、その人がお金を手元にもらうのは4月だから。

そういうタイムラグがあるから、今のままの感染のリスクとか経済状況が続くと、4月の終わりとか5月に入って普通の人の収入がすごい落ちてくるというのは間違いないと思う。

――じゃあ現金給付がどうのこうのっていうのは、どんなに遅くても5月には手元に渡ってないと話になんないということ?

本当にそう思う。カリカリしすぎるのも良くないけど、お肉券とかお魚券とかちょっとひどい。

――でも一斉休校とかで3月分から減り始めてる人は4月に払われる金額から減るから、現金給付するなら本当は4月に渡した方がいいよね。

本当はね。生活防衛って早い方がいいから。すでに今もう困窮してるっていう人は、基本的に日雇いとか、日給、時給で働いている人ですよね。月給制じゃない。

だから、本当にこれからだと思いますよ。中小零細とか畳む会社もあれば、整理解雇する会社もあると思う。今月雇い止めにあった人も困るのは来月以降だから。悪質な解雇とかに関わる労働相談はまた別だけれど。

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リーマンショックと何が違うか

――今日もスバルが工場全部停めるって言ってたもんね。

そう。工場が止まるってことは、雇い止めが始まりますよね。今雇い止めになったら、一ヶ月くらいはみんななんとかなる。リーマンのときも、リーマンショックが9月で、日本の工場が止まったのって10月、11月とかで、年明けに年越し派遣村だったじゃないですか。結構タイムラグが出るんですよね。

――これから少し遅れて大きな影響が出てくると。リーマンショックのときとはどこが違う?

リーマンに関しては、年越し派遣村が一番わかりやすいけど、人が集まれる場を作って、困っている人たちに物資やお金や生活の支援をやれたわけですよね。年越し派遣村には500人が来て、厚労省が講堂を開けて雑魚寝で寝泊りした。でも今は感染予防でそれができない。場に集められない。炊き出しもやりにくい。宿泊場所も雑魚寝じゃだめ。全然違う世界観。

あとリーマンのときって、景気だけ見ていればよかったじゃないですか。景気が良くなれば失業者が労働に戻っていく。しかもある程度の目処っていうかいつかは終わるものだと。でも今回は先がすごく読みづらい、しかも世界的に。その不安があってゴールが見えにくい。いつまでこの支援をやる必要があるのかが見えないというのがすごくありますよね。それは大きな違いかな。

それと敵の見えづらさ。リーマンのときは、経営者なりが派遣切りをしてというわかりやすい図式があった。困っている人たちが集まって、デモをやって、支援をして、メディアに取り上げてもらって、すごくわかりやすかった。でも今はそれができない。企業もみんな苦しいし、中小零細も苦しい。自粛で自分の意思でやめて、みたいな変な感じにもなっているし。すごく風景が違う。

――違う部分がかなりあるね。

東京がニューヨークとかイタリアみたいにもっとすごい感染が拡大しちゃったときに、僕らも支援活動していいのかっていうジレンマがある。stay-at-homeしなきゃいけないんじゃないか、でも困ってる人はいる。それはリーマンのときには全くなかった話だから。

リーマンのときは困ってる人がいれば僕らが駆けつけなきゃ、支援しなきゃ、一緒に声を上げようっていう、すごくわかりやすいし、みんなでできた。ただ今回はstay-at-homeが正しい、実際問題としてね。

でもstay-at-homeができない人がいてその人たちのことはほっとけない。でもほっとけないって自分たちが家出ていいのか。彼らを支援する場で感染が広がっちゃったらもっと悪いことだし。すごく悩むんですよね。

――野宿の方たちにはどういう影響がありそうかな。

まずは炊き出しが減ってる。あとは例えば日雇いで建築で働いてたりとかなら仕事からあぶれる。野宿の人はむしろ新しく野宿になる人を結構みんな心配してる。コロナで仕事失った人いてかわいそうだな、最近見ない人が増えたぞって。

東京には野宿の人が1000人くらいいるんだけど、ネットカフェにも毎日4000人泊まってるのね。そこが営業自粛とかになっちゃうと泊まれなくなる。それはすごい悪いシナリオとして考えてます。だからオリンピックの選手村の一部を開放してほしいというキャンペーンをやっているんだよね。

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貸付、生活保護、現金給付

――仕事がしばらく見つからなさそうというときはやっぱり生活保護を受けるのが一番良い?

そうだね。家賃の補助が出る「住居確保給付金」とか「生活福祉資金貸付」(以下「貸付」)という制度もある。貸付はマックスで借りると一時金と3ヶ月分を足して80万円。償還時に住民税非課税世帯だったら返さなくてもいいというのが今回特例で入っていて。

――難しいね。

結構難しくて、実際どっちがいいのかわからない。生活保護がいいのか、貸付がいいのか。でも貸付だと生活再建してギリギリ住民税課税世帯になった場合は全額返さなきゃいけない。そういうことを総合的に考えると生活保護の方がいい人も多いと思う。

――もらえるわけだからね。

そう、もらえるわけだから。貸付も結局、経済がいつ好転するか、雇用がいつ戻ってくるかということにかかってきちゃう。それ考えると、貸付でいいの?っていうところは、政府として本当はちゃんと考えなきゃいけないですよね。最大3ヶ月(総合支援資金の生活支援費)だけどそれでこの状況変わりますか?っていう。

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出典:厚労省

――今収入がなくて、4、5、6月と貸付で凌いで、じゃあ7月に働ける状態になっているのかどうかということだよね。

そうそう。収入がどこまで回復するのか。しかも仮に回復したら80万返さなきゃいけないわけだから今度は。もちろんちょっとずつ分割で返すんだけどね。

ほんとに短期的な落ち込みですぐに収入回復しますとなるんだったら貸付って有効じゃないですか。でも、長期的な落ち込みで収入の回復が見込めない、それで結局みんな返せないってなるんだったら、最初から給付にしろって話だし。しかもその中でがんばって生活再建した人は借金を負うっていうよくわかんない状態。政策的にはすごい中途半端だよね。

ただ、今厚労省もすごい頑張っていて、貸付についての問答集を毎日のように更新したり、運用を緩和しようと努力をしてくれてはいるんですけど。貸付も審査を早めて最短で2営業日で出るようになった。でも2日かかるんだよね。それまでどうするのって話で僕らのようなところがつなぎの支援をやっている。

――例えば今日(水曜日)申請書を出したら最短でいつもらえる?

金曜日。最短でね。というのは、厚労省は一応通知を出してるんだけど自治体側ではなかなかそれが周知されてない。社会福祉協議会が窓口なんだけど、相談もたくさん来てるみたいで若干パンク気味。そこも増強しようってことを国は言ってるんだけど、現場に届くまでにズレが出るじゃないですか。それが今起きてるタイミングだね。

――それに加えて「現金給付」の話があると思うんだけど、現金給付はもし色々な制限とかなく配られれば中間層含めて満遍なく効く。そして、特にしんどい層の人たちについては、例えばさっきの次の仕事までの「つなぎ」のお金がない20代の女性のような人にドンピシャのタイミングで入るとすごい助けになる。でも、その一時的な少額の現金だけでどうにかなるわけじゃないという人たちも実際たくさんいるわけだから、その場合はやっぱりもう少し規模の大きい「貸付」とか継続的に利用できる「生活保護」とかを使わないとどうにもならないということだよね。

そういうこと。現金給付は、僕は一律でやるべきだと思うけど、仮に低所得に絞るんだったら複数月に渡ってしないとあまり意味がない。仮に絞るとしたらね。一律にやった方がいいと思うけど。

現金給付の目的が生活防衛なのか、経済対策なのかでも全然変わってくる。まあ、議論が色々と混線してるから、そんな色々考えずに全員に10万出すとかの方がクリアだとは思う正直。もうゴチャゴチャ言うのやめたらって思う。

――それやってて永遠に配らないんだったら早く配った方がいいもんね。

そうそう。で、政府がちゃんと生活保護とか貸付制度があるよってCMをテレビでバンバン流した方がいいと思う。そうやってちゃんと言ってくれればみんな使いやすいじゃん。CMでやってましたって言えるから。

生活防衛は既存の制度として生活保護があります、これは国民皆保険と同じように我が国が誇る制度ですって言えばいい。実際それやるだけで助かる人がすごいたくさんいると思いますよ。

――やっぱり生活保護だよね。

イメージ悪いんだけど制度としては一番いいからね。医療もそこでまかなえるし。

生活保護の利用をブロックするもの

――生活に困った人が実際に生活保護を申請するに当たってスティグマや偏見はもちろんあると思うんだけど、それ以外にはどういうブロックがある?

制度のことがまずあまり知られてない。すごく遠い制度って思っちゃう人が多くて。僕らのところに相談に来た人に生活保護の話をすると、「え、生活保護使えるんですか?」みたいな感じで驚かれることが多い。全然使える状況だったりするんだけどね。

「すごく大変な人が使ってるもの」みたいに思っている人が多くて、実際にはみんなもう大変なんだけど、大変さの自覚というか、あなた今かなり大変だよという状況でも、意外と自分は普通だと思ってるというか。それが一番感じるかな。

ちょっと変な例え話になるかもしれないけど、東日本大震災のときに家流されたおばあちゃんが「もっと困ってる人がいる」みたいな話をしていたのとも近いかもしれない。

本来はもっとも身近な公的支援のはずなんだけど、スティグマとか偏見とか以上に、元々の距離が遠いですよね。自分が使える制度だっていう感覚からの距離がすごく遠い。

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――確かに心理的な距離感があるよね。それ以外にも車とか貯金とか、実際に窓口に行ったときにブロックになることは何がある?

車と持ち家。それから貯金は生活保護基準以上あるとダメなので13万円くらい。あとは、家族に連絡が行く。これが一番大きいんだよね。

――それは100%行っちゃうの?

DVとかがなければ。あるいは家族から暴力を受けているとかがなければ行ってしまう可能性は正直高い。車は地方では一番ネックになってますけど、柔軟に黙認してくれてる自治体も一部にはある。生活必需品だろうということで。ただ、全国的には厳しいですね。

持ち家はちゃんと丁寧に対応してくれると全然問題ない。特に資産価値が高くなければ。東京に持ち家だったら売れってなるかもしれないけど、地方の持ち家なら全然そんなことないし。

東京の持ち家でも、売れるまでの間、その持ち家に住み続けて生活保護を使うということもできます。現金化できない資産としてみなされるので、売却を求められるけど、売却後に売却益の中からもらった生活保護費を償還するという形を取るので。それは結構合理的なんですよね。

――その場合は家賃分の生活保護費が減らされるということ?

そう、減らされて生活費分だけ出る。だから生活保護を受けてる人で持ち家の人は意外といるんですよね。地方のおばあちゃんが古い持ち家で一人暮らしをしていたり。

それからやっぱり家族への連絡は、多くの人が心配するよね。

――抵抗ある人にとってはすごいあるだろうね。

そうですね。あとはそれを傘にというか、それをすごく圧迫に感じて諦めちゃうみたいな人もいる。家族に連絡するっていうのはね。

――連絡するけど良いんですか?みたいに言われちゃうとやっぱり。

そうそう。迷惑がかかるんじゃないかみたいな。あとは逆に、家族に連絡が行ったときに、「いやいやもう生活保護なんてけしからんです、私が面倒見るんで」と言って実際は援助しないパターン。これはすごい厄介ですよね。

行政が事務的に連絡したときに「家族が引き取ります」って言われたらじゃあそれならそれでってなってしまう。でも例えば、元々暴力だったり支配的な関係があったりすると、ご本人が怖くなって申請に行けなくなっちゃうとかいうパターンは、やっぱりリスクとしてはあるんですよね。

――本質的には、自分の生活が今しんどくて、貯金が13万もなくてどうしようもないという人は生活保護を使った方がいいんじゃないかと。

そう。だって、これだけ世界が大変な状況なんだし、生活保護を使うのって何も恥ずかしいことじゃないから。

――現金給付10万とか言ってるぐらいだったら、毎月13万もらえる生活保護をどんどん使った方がいいよね。

そりゃそうだ。ほんとに政府には広報してほしいね。生活保護とか貸付でもいいけど。もちろん貸付の方が気楽だっていう人はいるから。とにかくちゃんと広報してほしい。

今できる支援をする

――元々もやいの通常の相談とか、「新宿ごはんプラス」に来る人たちはどれくらいの年齢層の方が多い?

もやいの相談は、平均年齢が45歳ぐらいで、30代以下が3割。結構若い人が多いんですよね。女性が4割ぐらい。本当にいろんな人が来てます。「新宿ごはんプラス」の活動は、新宿近辺で野宿している方が大多数なのでかなり年齢が高い。多分平均すると60代後半くらい。元々は隔週なんだけど4月は毎週やる。

――ごはんプラスを倍増するんだね。

そう。そのためのクラウドファンディングを今やっていて。もやいの相談でもよりコロナに対応してちゃんとやろうということで、宿泊費とか、生活費とか、公的支援につながるまでのつなぎにかかる費用だったり、相談を受けるにあたって感染症対策もしなきゃいけないからそれにかかる費用だったり、通常の予算のレベルだと難しいし、こういう問題があることを知ってもらいたいという思いもあってクラウドファンディングを始めたんだよね。

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クラウドファンディングぜひ応援を。

――「つなぎにかかる費用」というのは、相談を通じて必要な公的支援につながるまでの費用ということ?

うん。僕らが生活費を毎月出すなんて不可能だから、生活保護とか貸付とか公的な支援につながる必要がある。それまでにかかる費用。

役所って平日しか空いていないので、例えば土曜日に相談に来た人だったら、月曜の朝まで泊まるための費用とか生活の費用がかかるから、このつなぎも必要になる。役所が24時間空いてればいいっていう話なんだけど、現状空いていないから。

――今日は忙しいなか話を聞かせてくれてありがとう。

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大西さんの話にもあった通り、もやいでは緊急支援のクラウドファンディングを実施しています。ぜひ寄付やSNSでのシェアなどで応援してください。また、この大西さんのインタビュー記事をシェアいただくことで大西さんやもやいの活動、そしてその前提となる今まさに起きている社会の変化やその兆しを知ってもらうこともできると思います。

それから、4月の土曜日と火曜日は緊急対応で毎週相談会を実施するそうです(土曜日は新宿ごはんプラスとの共催)。今相談や支援が必要な状況にある人は活用ください。インタビュー中にもあった通り、自分はどの制度を使うべきかなど、様々な相談ができるかと思います。東京で周りにそうした状況の方がいる場合にもぜひお伝えください。時間帯や場所などの詳細はこちらのページに。

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今は一人の書き手としてもとても厳しく難しい状況です。予定されていた取材活動のほとんどすべてが延期になっている中、どんな形だったら今の状況に対して小さくても何かの貢献ができるか、そんなことを考えながらこの記事をつくりました。

元々しんどい状況にあった人ほど、現在の危機によるダメージが大きく、そして早く訪れるのだと思います。生活保護を含めた既存の支援を躊躇なく利用すること、そして必要だけれど足りない生活の保障や支援を積極的に求めていくことが大切です。

本当は常にそうであるはずなのですが、今このときだからこそ改めて言いたいことは、国籍も職業も性別も年齢も関係なく、ここで暮らしている全員を分け隔てなく包摂し、その生活を支えることが、結果的には社会全体のためにもなるということです。そのことを今強く感じています。

今後も取材の難しい状況はしばらく変わらないと思います。リモートでのインタビューなど様々な形を模索していきたいと考えていますので、どうぞ応援・サポートのほどよろしくお願いします。何よりも、読んでシェアいただけることが一番の励みです。最後まで読んでくださりありがとうございました。

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この新型コロナ危機の中で様々な取材・執筆のために活用させていただけたらと思っています。応援ありがとうございます。

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85年生。ライター。日本の移民文化・移民事情を伝えるウェブマガジン「ニッポン複雑紀行」編集長。著書『ふたつの日本「移民国家」の建前と現実』(講談社現代新書)。現代ビジネス、Newsweekなどに寄稿。株式会社コモンセンス代表として非営利団体等への支援にも携わっている。

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