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食器洗いのアルバイトを1年雇うより、食洗機の方が安いと言われた日には

人工知能という言葉を聞かない日は無い今日この頃で、老若男女問わずテクノロジーと人類の未来に思いを馳せる人が増えてきているのを感じます。

つい先日、とあるバーのマスターが人工知能にバーテンダーが取って代わられるのではないかという話をしていのだけれど、これからのバーテンダーの生き方はどうなるのだろうか。

マスター曰く、バーテンダーの良し悪しは、観察力とそれに対応する引き出しの多さによるという。

観察力とは、お客さんの表情や振る舞い、服装などから、相手の心境を把握して何をしたら喜ぶかを分析する能力。
その人のズボンのシワを見れば、その人が営業で外を歩き回っていたから喉が渇いてるだろうとか、一日中座り仕事をしていたのだろうかなど、思いを巡らせることができるそうだ。

引き出しの多さとは、自分の提供できるカクテルのレパートリーや対応の多さ。
例えば上記のような時に、自分の知っている100種類のカクテルの中から最適なものを提供するのと、1000種類のカクテルの中から提供するのとでは、後者の方がよりお客さんにマッチしたカクテルを提供できる。

この「観察力」と「引き出しの多さ」に関しては、そう遠くない間にロボット・人工知能が代替してしまうかもしれない。
「観察力」に関しては動画処理とDeep Learningなどの機械学習でそのお客の状況を判定することも可能だし、「引き出しの多さ」に関しても世界中のカクテルレシピにアクセスすればどの人間よりも正確で豊富なレパートリーを持つことになる。
Spotifyなどが音楽業界で既に取り組んでいるように、たまに普段飲まない外したカクテルを提供して相手の反応を見ながらその人の好みを把握し楽しませることも出来る。

そうは言ってもバーテンダーという職はなくならないとは思ってる。
それはお酒が嗜好品で、バーという空間は贅沢なものだから。

カセット/MD/CDに始まり、iPodやITunes、Spotifyなどが流行ったとしても、いまだにレコード盤と蓄音機の組み合わせに人は豊かさを見出すし、お金を払う。

人がわざわざグラスを洗って磨くという贅沢な仕事を、目の前で眺められるそれ自体に豊かさを見出す時代がもうすぐ来る。




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