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黄色いスイカはなぜ売れないのか?

◆ 黄色いスイカが売れない理由

 黄色のスイカの汁を絞ります。それを半分に分けて、一方だけに食紅で赤い色をつけます。この2つを飲み比べて甘みの強さを比較すると、たいていの人が赤い方がうまいと答えました。

 これは、某色彩研究科さんの実験による結果です。

 スイカには、赤いものと黄色いものと2種類あります。黄色のスイカが少ないのは、黄色いスイカがあまり売れないからです。実際、食べた経験から言っても、黄色いスイカは、色の刺激が弱く、なんとなく頼りない感じがします。

 人間は、心理的に色が濃いものを味が濃いと感じてしまうものなんです。もう一つ、こんな実験結果があります。


◆ コーヒーの味が違う!?

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 アメリカのある色彩研究で、コーヒーの味のテストを行いました。コーヒーを沸かして、3つのコップに分けます。そして、それぞれのコップのそばに黄、緑、赤と違うラベルを貼ったコーヒー缶を置きました。これらのコーヒーを何十人もの人に飲み比べをさせました。その結果、同じ味であるべきなのに、全員が、味が違っていると感じました。黄色いラベルを貼った缶のそばのコーヒーは味が薄く、緑のものは酸っぱく、赤いのが美味しくて香りが良いと答えました。

 この実験結果は、「パッケージの色が、商品の味を左右している」という重要なことを示しています。

 黄色は、味が弱い色です。しかし、一方では、黄色は " おいしさ " を感じさせる重要な色の1つでもあります。


◆ 美味しい色 ” 赤、オレンジ、黄 ”

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 美味しい色の代表は、赤、オレンジ、黄です。

 黄色は、甘い感じがする色です。バナナ、パイナップル、カステラ、アイスクリームなど、黄色い食品が多いからです。

 赤色は、梅干し、しょうが、赤トウガラシなど、味の強い辛いモノを連想させやすいです。特に、赤色は美味しさの主役ではないですが、日本料理に添えられたしょうがのように、美味しさを引き立たせる役としては抜群の色です。

 オレンジ色は、黄色と赤の混血であり、赤と黄の両方の特色をあわせ持っています。つまり、黄のように、弱い美味しさではなく、もっと強い美味しさを連想させることができます。

 このように、パッケージの色によって、商品の味やイメージ、さらには売れ行きまでを左右することがあります。

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