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「空手の突き」と「ピアノの打鍵」のコツは同じ。「一流の趣味を持ちなさい」に隠された父親からのメッセージ

小さい頃、父親から「一流の趣味を持ちなさい」と言われました。

プロになりなさいという意味ではなく、
人前で披露できるものを持ちなさいという意味です。

父は、私が代表を勤めている沖縄フルーツランドの2代目社長であり、
沖縄の楽器「三線」の師範免許を持ち、各賞なども受賞しております。

それがきっかけなのか、私は空手を習い始めました。
地元の名護市で発祥した「沖縄拳法」という流派です。

沖縄拳法(開祖:中村茂1891〜1969)は、
頭部や手や胴に防具をつけ実際に当てる試合形式の流派で、
練習内容もそれに準じて厳しいものでした。

私が入門した30年以上前は、体重制度もなかったので、
20〜30Kgの体重差がある選手との試合も日常的にございました。

体重差が、10Kg変わると、威力は桁違いになります。

その為、中村丈人先生は、
基本稽古の後に、別々の練習内容を指示しておりました。

つまり、同じ稽古だけでは元々の体格などの差は埋まりにくい為、
基本稽古に加え、それぞれの個性を伸ばす為の練習がありました。

後にその理念が大きく生きてきます。

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(左から:沖拳会塩浜さん 中村靖さん 私 儀保君 場所:沖縄拳法中村道場)

その後、福岡の大学へ行くことになり、近隣には道場がなかった為、
近くの公園で練習を続けることにしました。

大学は、自由な時間があります。
全くの別分野も触れてみたくなり、思い切って「ヤマハ音楽教室」へ通いました。

音楽教室の応援も頂き、毎日コツコツ練習する事ができました。
先生は、私の好きなジャンル・苦手なジャンルを含めたくさんの曲に触れるようレッスンして頂きました。

そして、「誰にも負けない一曲」を持つ事の重要性を教えて頂きました。
この教えも後に大きく生きていきます。

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さて、空手鍵盤楽器という「全く異なる趣味」を持つ事となり、
練習を並行して続けていた“ある日”の出来事です。

いつものようにピアノで、ハノンという指の訓練をしていました。

ふと、ある事に気づきます。

「空手の突き」と「ピアノの打鍵」のコツは一緒だ。

2つの感覚がピタリと当てはまりました。

両方とも力だけではなく、重力を前提とした姿勢や骨格などが重要で、
それを身に染み込ませる為に練習を繰り返します。
スポーツや音楽をはじめ重要な事は、同じなんだと実感しました。

それから、あらゆる事に対しての意識が変わりました。

例えば、会話
空手の先輩達と会話する場合
「コツ」の話からピアノの打鍵の話をすると
(その場にはピアノを弾ける人がいないので)
私が世界一のピアニストになれます。
つまり、話を聞いていただけます。

逆も然り、音楽の世界では
「コツ」の話から空手の話をすると、
その場では、私は世界一の空手家として話を聞いていただけます。

それまでは「同じ土俵」での勝負が全てでした。
しかし、同じ土俵にのらない勝負の仕方がある事に気づきました。

実は、空手の先生も音楽の先生も同じ事を伝えていたのです。
「独自の特徴」を生み出す事
「絶対なる一」を持つ事

その事から、
「同じ土俵にのらなくてよいもの」
「勝負をしなくてもよいもの」

つまり、「勝負の仕方」を深く考えるようになりました。

同じような意味を持つ言葉に、
オンリーワン」や「レッドオーシャン・ブルーオーシャン」などございますね。

さて、社会人になり、そこには「企業間競争」という勝負がありました。

それが技術力などを高める競争ならいいのですが、
一般的には、企業の利益を削る競争です。
それを続ける事は、お互いにとって良いことではありません。

私もその中で長い間悩んできました。

しかし、「勝負しなくても良いもの」を創るチャンスに恵まれ、
「トロピカル王国物語」や「リエッタ中山」が生まれてきました。

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最後に、それを創る為の共通したルールがございます。

まず、自分自身や会社の「弱点」を明確にします。

弱点は、人や企業に関係なくそれぞれ異なります。
異なる弱点を「」として、
解決する方法を創り上げていけば、オンリーワンの物が出来上がるはずです。

つまり、勝負しなくてもよいものになるはずです。
ターゲットやマーケットはあくまでも側面的な利用です。

「一流の趣味を持ちなさい」

小さい頃に伝えられたメッセージに含まれた意味は、とても大きいものでした。

私も同じように子供達や次世代の子達へも伝えていきたいと思います。

そして、それぞれの先生達が導いてくれるはずです。

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