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筋肉は裏切らないが、裏切り者は筋肉に頼るのかもしれない。

最近筋トレがブームだ。

SNSで体を鍛える動画を投稿したり、NHKの筋肉体操やアニメの影響があるのだろう。

かくいう僕もテレビを見る時はダンベルを片手に筋トレしたり、スマホで指がつりそうなときなどがあるから、握力を鍛えるくらいやっている。

自らを律し、筋肉に鞭を振るいつづけて己を鍛える。それが筋トレ。

最近は24時間営業のジムも最近増えており、男性に限らず若い女性も増えているようだ。

ところで興味深いと思った記事がある。昨今の筋トレのブームにマツコ・デラックスがこのように発言していた。

マツコ、過熱する筋トレブームに警鐘 「太ってるやつは人間じゃないみたいな」「蔓延するとマイノリティを攻撃する土壌になる」


近年、24時間営業のジムも増えており、筋トレは理想の体形に整える「ボディメイク」という言葉も定着している。この筋トレブームについて、マツコさんは「ますます肩身狭くなってきましたよ」といい、「アメリカみたいになってるんじゃない? 太ってるやつは人間じゃないみたいな」筋トレブームを肯定するも「これは本当に自堕落な人間だから恐怖でもあるんですけど、「『自堕落狩り』をするような方向はやめていただきたい」と呼びかける。
さらに筋トレをしない人を責める人が増えると「マイノリティに対する攻撃とかの土壌になる」「それがみんなに蔓延しちゃうと、色んなもののマイノリティに対する攻撃とかの土壌になっちゃうから、そっちは行き過ぎないでほしいなって」と訴えた。


アメリカでは太っていると自己管理が出来ない人間だと見なされ、昇進しにくいという風潮があった。

自己管理狩りみたいな時期があったけど、それに伴った管理社会の反省からかアメリカも自由な生き方を戻そうとしている。

堕落を招く因子を排除する。禁煙や近代栄養学を柱とした過度な健康志向はやがてファシズムに至る。

タンパク質を摂取して筋トレして、堕落と戦おうとすると、男性は特にテストステロンが引き起こす興奮状態の因果か、精神が躁状態になり、ファシズム的に指向しやすい。

「人は裏切る。だが筋肉は裏切らない」

「筋肉は裏切らない」

現在の孤立社会にこれほど響く言葉はない。

この言葉が突き刺さるというのは、孤独な社会で裏切られた人が沢山いるという、現代の病んだ社会を示しているのだろう。

孤立社会が生んだ筋トレのスローガン。

ヒトラーが愛犬ブロンディを「人間と違って犬は裏切らない」といって溺愛していたように、健康体や筋肉美に対する深い愛情は醜いもの対しての恐怖の裏返しかもしれない。

健康的な筋トレを

マツコも言っていたが、健康な人が増えるのはいいけれども、筋トレしない人や障害者など運動できない人に対して責める様になるとマイノリティにたいして攻撃する土壌になる。

筋トレが社会的になってやがて近代遺伝学やAIと結びつけば、優生学となるのは時間の問題だろう。

人間も動物である。建前はともかく、健康で優秀な子供の子孫を残したいと誰もが思っており、それをテクノロジーが可能にしてくれるからだ。

体をどれほど鍛えても、人の心は弱いもの。筋肉は決して裏切らないかもしれないが、裏切り者は筋肉に頼るのかもしれない。






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