詩「至るアパート 二階 角部屋」
20240121
時間が止まる 何もない部屋の中
肉体の隅々まで巡らせてみる
感覚だけがある やがて溶けてゆく
それで良い 彼は包まれたような気分になる
歪んだギターの音で目を覚ました少年がいる
いつの頃だったか それは彼にとても似ている
十分に腐ってしまった果実を大事に抱える
頭を振るとカラカラの頭がマラカスになる
全てをかち割りたくなったので目隠しをする
何もない部屋で腕を振る音がする
ちょうど三時間 それを続けてみたら
汗だくになり 何か成し遂げたような顔で目隠し