Uta Mochi/詩餅

詩と絵の人

Uta Mochi/詩餅

詩と絵の人

マガジン

記事一覧

絵短歌4

Uta Mochi/詩餅
9時間前
4

詩「影」

20240503 うろつく公園で 現れた謎の物質が 足音と合わせて 後ろにくっついてきた 点在する街灯の下 振り返って確認した そいつは錆びた鉄の塊で ニタニタと笑っていた …

Uta Mochi/詩餅
10時間前

詩「残り者のうた」

20240502 何もかもが変わってしまった今では 変わらないことの方が大切かも知れないよね あんたらのくだらないプライドも 今ならわかる気がするけれど それでも今 あん…

Uta Mochi/詩餅
21時間前
8

絵短歌3

7

絵短歌2

3

詩「羽のない虫」

20240429 色とりどりの 瞬き揺れる 灰色の空 打ち上げる夢 冷めやらぬ街 ひしめき合って 虫たちは揺れ 蜜を求めて いつまで響く サイレンの音 高架下では 黒いスー…

6

絵短歌1

5

詩漫画「ぽにょんとかえる」

8

詩漫画「想起」

8

詩漫画「彼らの大きな夢」

4

詩「コーヒーと彼」

20240308 とりとめのない話をしよう いつの間にか時が過ぎてゆくような 笑いどころなんて捨ててしまおう きっとそれが一番良い カフェの席は居心地が良いから 彼は一人き…

Uta Mochi/詩餅
1か月前
20

詩「雨降りの朝」

20240308 夢から覚めて落ち込む脳内で 整理しようとするあれこれが 次第に消えていくのを待っている それまでは布団の中でモゾモゾとする 荒唐無稽であればあるほど それ…

Uta Mochi/詩餅
1か月前
12

詩「造花」

20240202 誰もいない原宿の隅に しおれた彼は一人 シャッター 落書き 竹下通り 表参道に思い入れはない 散歩の時に似合うコーヒー 代々木公園の前に 顔馴染みになったカ…

Uta Mochi/詩餅
2か月前
9

詩「墜落者」

20240205 岩陰で ハッチが開く 夜のこと 異星の彼は 深呼吸する ボロボロの 脱出ポッド 乗り捨てて 彼は慌てて コンビニに行く レジ袋 3円払う 余裕なく 彼は両…

Uta Mochi/詩餅
2か月前
8

詩「言葉」

20240202 この言葉が誰かの元に届く頃には 俺の身体は小さな小さな粒となっているだろう 空中を漂い水中に溶け出し あらゆるものと結合して生まれ変わり続ける 水と合わ…

Uta Mochi/詩餅
2か月前
18

詩「至るアパート 二階 角部屋」

20240121 時間が止まる 何もない部屋の中 肉体の隅々まで巡らせてみる 感覚だけがある やがて溶けてゆく それで良い 彼は包まれたような気分になる 歪んだギターの音…

Uta Mochi/詩餅
3か月前
10

詩「影」

20240503 うろつく公園で 現れた謎の物質が 足音と合わせて 後ろにくっついてきた 点在する街灯の下 振り返って確認した そいつは錆びた鉄の塊で ニタニタと笑っていた いっそ殺してくれ 名もなき怪物よ 両手を広げ 苦痛から解放されて目を閉じた 怪物は何もしなかった 錆の匂いで鼻が詰まった 抱擁された背中に小さな傷を付けられ 次の日から一緒に暮らした

詩「残り者のうた」

20240502 何もかもが変わってしまった今では 変わらないことの方が大切かも知れないよね あんたらのくだらないプライドも 今ならわかる気がするけれど それでも今 あんたらを許せずに 俺も許されずにいるのなら まだ何も変わっていないことかも知れない それは大切なことじゃないだろう 友情や愛情を勘違いするのが青春だ 幼さは圧倒的な武器になっていたね 悲しみも喜びもうざったくなった 腐ってしまった証拠 大人ってのはそれだ 子供騙しに騙されてみた夢を 今も追っているなら最

詩「羽のない虫」

20240429 色とりどりの 瞬き揺れる 灰色の空 打ち上げる夢 冷めやらぬ街 ひしめき合って 虫たちは揺れ 蜜を求めて いつまで響く サイレンの音 高架下では 黒いスーツが 怪しく光る 瞳の中で 札束燃やす 灰になっても 彼は一人で うずくまるだけ すりむけた膝 さする暇なく 啜り泣く声 耳に残して 罵る奴の 名前刻んで 味のないガム 日常のカス ほこり溜め込む ワンルームから 這い出したガス 足音はなく 驕り高ぶる 奴らを睨む 彼は愚かで 自惚れた奴 蜜の真ん

詩漫画「ぽにょんとかえる」

詩漫画「想起」

詩漫画「彼らの大きな夢」

詩「コーヒーと彼」

20240308 とりとめのない話をしよう いつの間にか時が過ぎてゆくような 笑いどころなんて捨ててしまおう きっとそれが一番良い カフェの席は居心地が良いから 彼は一人きりでいることを忘れて 語りかける 嘘も本当も 混ざり合って歪になった体験談 登場人物には着飾ってもらって それぞれの事情は突拍子もなく 抱えている問題は山積みで 解決することなく突き進んでゆく 撃たれた頬の痛みを忘れようとして コーヒーがこぼれるのも構わずに 注文して また服を汚す 他の客は迷惑そう

詩「雨降りの朝」

20240308 夢から覚めて落ち込む脳内で 整理しようとするあれこれが 次第に消えていくのを待っている それまでは布団の中でモゾモゾとする 荒唐無稽であればあるほど それが示すものが不明で あのパンは一体何だったのか? 溢れ出る疑問は抑えられない もう会えない人々が出て来る夢は 何よりも苦しくて吐き気がする 真っ暗にした部屋の中 蛹に入ったままの幼虫になる 変われないところと変わったところ 瞳の裏のホワイトボードに書き出して 無意味と知ったその瞬間に 頭がだんだん冴

詩「造花」

20240202 誰もいない原宿の隅に しおれた彼は一人 シャッター 落書き 竹下通り 表参道に思い入れはない 散歩の時に似合うコーヒー 代々木公園の前に 顔馴染みになったカラスたち あの建物は変な形 飛び出した家は部屋一つ 狭苦しくて電気と水道は止まる 蠟燭の火で不味い飯を柏の時は何食う 短いようで長い不吉な日々 痛みに慣れてしまった 石の裏に棲み着いてしまった その感覚から逃れることなく 大人に変わっていった 成長などしていない ただ腐っていく感覚の中で 心には

詩「墜落者」

20240205 岩陰で ハッチが開く 夜のこと 異星の彼は 深呼吸する ボロボロの 脱出ポッド 乗り捨てて 彼は慌てて コンビニに行く レジ袋 3円払う 余裕なく 彼は両手に 菓子を詰め込む アパートの 階段の音 五月蝿くて 耳を塞いで 菓子が散らばる ドアを開け 中に入ると 気配する 何も居ないが 彼にはわかる 下を見て 首が曲がって 上を見て どちらも白い 壁が広がる パキパキと 悲鳴をあげる 首元に 触れる刃先に 一筋の赤 隣人は ハゲ散らかした モルモット

詩「言葉」

20240202 この言葉が誰かの元に届く頃には 俺の身体は小さな小さな粒となっているだろう 空中を漂い水中に溶け出し あらゆるものと結合して生まれ変わり続ける 水と合わされば奇妙な味のコーラになるし 鉄と合わされば鋭い凶器になるし 何でも良い そこらにあるもの 例えば ソファやベッドと合わされば寝心地が悪くなる 小さな粒となった言葉たちが自由にやって 誰かの生活に影響を与える時になるまで 言葉を伝えようとすることをやめない それをやめてしまうと 俺は死んでしまう こ

詩「至るアパート 二階 角部屋」

20240121 時間が止まる 何もない部屋の中 肉体の隅々まで巡らせてみる 感覚だけがある やがて溶けてゆく それで良い 彼は包まれたような気分になる 歪んだギターの音で目を覚ました少年がいる いつの頃だったか それは彼にとても似ている 十分に腐ってしまった果実を大事に抱える 頭を振るとカラカラの頭がマラカスになる 全てをかち割りたくなったので目隠しをする 何もない部屋で腕を振る音がする ちょうど三時間 それを続けてみたら 汗だくになり 何か成し遂げたような顔で目隠し