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川辺高校断熱改修プロジェクト

来年2023年の夏に川辺高校(かわなべこうこう)の教室を使って断熱改修ワークショップを行います。

きっかけ

鹿児島県南九州市川辺町在住の上野博文(43歳)と申します。
僕の母校、鹿児島県立川辺高校は1900年創立の歴史ある高校です。通称「ナベ高」と呼ばれています。

以前は1学年5クラスでしたが、現在では1〜2クラスにまで生徒が減少しています。このままで高校がなくなってしまう!という危機感から、卒業生や地域の方々が学校を何とか残そうと、川辺高校活性化対策協議会を立ち上げ、高校の活性化につながるように取り組んでいます。僕もこの協議会のメンバーとして関わっています。

放課後自習中の生徒たち

協議会では一人でも多くの生徒に入学してもらえるように、高校のPRを支援したり、高校の魅力向上のために地域イベントへの生徒の参加など地域との関わりづくりを主にやっています。しかしながら、絶対的な子供の数の減少、私立高校の人気に押され、なかなか生徒を集めることが難しくなってきています。これは川辺高校に限らず、全国各地の公立高校共通の悩みだと思われます。

協議会での1コマ

断熱との関わり

断熱のことは5年前に受講した公民連携プロフェッショナルスクール(都市経営プロフェッショナルスクール)で知りました。

「断熱男」こと竹内昌義先生から直々に断熱についての講義を受け、非常に衝撃を受けました。

  • 日本の建物は断熱性能が低い、または無断熱(韓国や中国よりも低い。韓国人の方が日本の家は寒いと言ってました。)

  • 北海道、東北よりも鹿児島が冬にヒートショックでの死亡率が高い(そういえば冷えた日はお葬式の看板がたくさん立っている)

  • 建物の断熱を高めることで、省エネになる(エアコン、ストーブ、ヒーターが効きやすくなる)

  • 省エネになるということは、脱炭素にもつながる。(だって日本のエネルギーは化石燃料由来のものが多いから)

  • 日本はエネルギーを大量に輸入している。海外にエネルギー費用が流出している。

などなど。
これは一刻も早く取り組まなければ!世の中に広めなければ!と。まずやったことは、うちの隣にあるおばあちゃん家(空き家)の断熱改修。ちょうど妻がおばあちゃん家をヨガ教室として使うため、DIYで改修をしました。

みんなで床張り作業しました

でも古い古民家なので冬は寒い。鹿児島とはいえ、霜は降りるし雪が積もることもあります。ヨガをする際に寒さや冷たさは最悪です。

5年前の我が家の雪景色 南国鹿児島です

ちょうど鹿児島で断熱DIYワークショップがあると聞き妻が参加しました。この物件は、なんとリノベーション・オブ・ザ・イヤー2019総合グランプリを受賞しました。そんなハイレベルなことに関われて羨ましい。。

こちらで得たノウハウを元に夫婦で断熱改修をやってみました。ちょうど友達の大工さんから余っているグラスウールを分けてもらい、天井裏にびっしり敷き詰めました。

建具は妻がコツコツと断熱障子やポリカーボネートを使ったオリジナルの建具を作っていきました。

効果はというと、ストーブ1つで部屋全体が温まるようになりました。断熱前だとストーブから遠いところはなかなか暖まらなかったです。床も断熱できたらいいのですが、張り替えた後なので今のところ触ることができず。。

学校断熱の取り組み

そうこうしているうちに、都市経営プロフェッショナルスクール受講生の岡山県津山市の川口義洋さんが全国初の学校断熱ワークショップを開催しました。

これをきっかけに、同じ公民連携・都市経営プロスクールメンバーから全国各地に学校断熱の取り組みや重要性が広まってきました。

高校生の取り組み

うちの町の学校でもぜひやりたい、どうやって話を持っていこうかと思っていたところ、長野県立白馬高校の断熱プロジェクトのことを知りました。

高校生が、地元の白馬大雪渓が雪不足と長雨・猛暑の影響で崩落したことに危機感を抱き、環境問題について考えるようになったことがきっかけです。詳細の内容はこちらの動画をご覧ください。
この白馬高校の取り組みを参考に、川辺高校でも授業の一環として取り組ませてほしいと校長先生や協議会に提案したところ、生徒自らがテーマ設定をして学ぶ「総合的な探究」の授業として正式に採用されました!

プロジェクトの進め方

現在の1年生を対象にやっていきます。
事前学習 〜2023年4月
なぜ断熱が必要なのか?を学ぶ授業を行います。
SDGs、脱炭素社会、エネルギー、断熱などをテーマに学習します。
資金調達 2023年5〜7月
断熱改修に必要な資金調達を寄付やクラウドファンディングを行います。
断熱改修ワークショップ 2023年夏休み中
1つの教室を使って断熱改修ワークショップを行います。
効果検証 断熱改修後〜2024年3月
断熱改修後の夏季・冬季の温度変化を測定します。

役割分担

生徒
事前学習の受講、クラウドファンディング、断熱ワークショップ、効果検証
学校
事前学習の実施(テーマ:SDGs、脱炭素、断熱、エネルギー)
地域・同窓会
資金面・運営面の支援、事前準備

さいごに

今回のプロジェクトは、生徒たちが未来の社会で生きていくための学習の場にしたいと考えています。高校の活性化って、高校や生徒が何か目立つ活動をすることではなく、どんな素晴らしい学びができるかだと思っています。
明治の先人たちが、なぜこの川辺の地に旧制中学を誘致したのか?きっとこの学校で日本や世界の発展のための人材を育てようと思ったからだと思います。その原点に立ち返り、このプロジェクトを進めていきたいと思います。是非ともこのプロジェクトへのご協力をよろしくお願いします。出身校、居住地、性別、国籍は問いません。どうぞよろしくお願いいたします。


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