仲間へ
僕の隣にはいつもサッカーがあって、
それと同時に孤独があった。
孤独を感じ始めたのは、高校生の頃から。
チームに所属していなかったこともあり、
自分の近くにはサッカーに対する熱量を
持ってる存在は誰ひとりいなかった。
大学生になり、社会人と普通の道を歩んだ。
時間があって、お金がある。
それなりのものを自分のチカラで手に入れられるようになると、サッカーではなくて、
みんな好きなことだったり、楽しいこと、
やりたい仕事を見つけていった。
そうやってサッカーから離れていく
みんなを見ていた。
自分もみんなみたいになるのかな?
そう思いながら楽しいこと。
面白いと思うこともやってみたし、
普通に就職してサラリーマンにもなった。
でもみんなと同じようにはならなかった。
いやなれなかった。
とにかくサッカーがしたい。
もっともっと上手くなりたい。
その想いだけで突き進んでいる。
でも、自分と同じように
サッカーに対する想いを持った仲間が
いなかったことがずっと引っかかっていた。
その存在が自分には欠けていた。
トレーニングをしていても
どんなに頑張っても
何に向かってるかわからない。
ただ独りで走っている気分だった。
孤独に感じる日々だったけど、
それを選んできた。
やっぱりサッカーが好きだったから。
サッカーがしたくて南紀にきた。
そしてみんなと一緒にサッカーをした。
サッカー中心の生き方。
仕事もあるけど、
ここには人生の中心にサッカーがある。
心から望んでいた理想の生き方。
それを選んで集まった仲間とサッカーをした。
上は40歳から下は19歳
生き方も考え方もなにもかもが違う人間が
サッカーをするために集まってきた。
みんないろんな想いを持ってたり、
目標があったり、何かを変えたくてきた人も
いたと思う。
そしてやっぱりサッカーが好きだった。
様々な価値観や考え方を持った人が集まれば、意見が合わなかったり、ぶつかったりもした。
この2年間で
全員がひとつのチームになれたか?
そう聞かれると答えはNOだ。
そこはものすごく難しいことだった。
それでも本気でやってた。
サッカーで負けたくない。勝ちたい。
そんな想いをみんな持っていたはずだ。
今、心から想う。
俺はそういう仲間が欲しかった。
ここにきて孤独を感じることはなくなった。
本気でやっていい。
自分だけじゃなくて、すぐ隣には仲間の存在があったから孤独を感じることはなくなった。
チームでトレーニングをしている時はそう。
練習がない日に1人でトレーニングをしていても同じように頑張っている仲間がいる。
そう思うと頑張れた。
ここにきて本当に良かった。
こういう仲間ができたことは奇跡だ。
約4年前。
コロナウイルスが日本で蔓延し始めた。
僕が社会人1年目を迎えた年だ。
本当に大変な日々だったと思う。
サッカーもできなかったし、
仕事にも行けなかった。
外に出ることすら自粛したし、
いろんなことに制限がかかった。
でもそうなっていなかったら
どうなっていただろう?
ここで出逢った仲間は、
南紀にきてなかったかもしれない。
一緒にサッカーをすることは
なかったかもしれない。
誰かは、
仕事に夢中だったかもしれない。
誰かは、
楽しいことや別の道を選んでいたかも。
誰かは、
普通の学生生活を送っていたかもしれない。
誰かは、
別のチームでサッカーをしていたかも。
誰かは、
海外に行っていたかもしれない。
たくさんのものを奪っていった
世界的なパンデミック。
あまり言い方は良くないかもしれないけど、
こういう世界になってしまったからこそ、
手に入れられたものもある。
みんなとサッカーができて良かった。
ここで出逢った仲間は宝物。
きっとこの先
あの時のように強く孤独を感じることは
ないだろう。
同じチームで戦うことができなくなったとしても一緒に戦った仲間であることに変わりない。
そして俺たちにサッカーがあれば、
またどこかでそれが別のカタチだったとしても
会えるかもしれない。
そう思えるからこそ、また頑張ろうと思える。
一緒にサッカーをしてくれてありがとう!
そしてまた会おう!!
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