ecforce創業者が5年間、EC/D2Cに向き合ってきたその全てを詰め込んだ書籍「D2C THE MODEL」を出版しました。
おはようございます。
SUPER STUDIO COOの花岡です。
SUPER STUDIOはECプラットフォーム「ecforce」をSaaS提供し、自らもEC/D2C領域で最前線のプレイヤーとしてD2Cブランドも運営するEC/D2Cのトータルソリューションカンパニーです。
この度、僕と弊社CMO飯尾と共同執筆にて「D2C THE MODEL」という書籍を出版しました。9/29より、全国の書店とオンラインにて購入することができます!
大変ありがたいことに予約段階からかなり注文が殺到し、Amazonカテゴリランキング15冠を獲得、重版も確定しました!
ただ・・・はじめての出版で予想を遥かに超える注文をいただいたこともあり、EC/D2C企業としてあるまじき行為である在庫切れをおこしてしまいましたが、今は復活しているのでご興味のある方は是非、お手に取っていただけますと嬉しいです!
また、近日中にkindle版も発売されますので、そちらもよろしくお願いします。
当書籍は、最前線でD2C事業を運営してきた飯尾と、EC/D2C領域で圧倒的に売上成長を実現する「ecforce」を開発してきた僕が、EC/D2Cビジネスを成功させるために必要なことを体系的にまとめた自信作となっています。
すでにEC/D2C事業を運営されている方はもちろん、これからEC/D2C事業に参入される方など、コト、モノづくりに関わる全ての方々にお読みいただきたい内容となっておりますので、是非、お手に取っていただけますと幸いです!
書籍「D2C THE MODEL」の出版の背景
日本で「D2C」と騒がれ出したのは、今から数年前になるのかなと思いますが、ここ最近で「D2C」の定義が大きく変化してきたように思います。
SUPER STUDIOはECプラットフォーム「ecforce」をSaaS提供している会社ですが、圧倒的なプロダクトを開発できているのは、自分達自身がD2Cの最前線のプレイヤーであることが大きな要因にあると確信しています。
これはグローバルを通しても例を見ないユニークな会社です。
僕たち自身、数十を超えるD2Cブランドを手掛けてきましたし、現在はフードやアパレル領域に強いプロダクト開発をするために、フード領域では調味料ブランド「ふつうのショップ」やアパレル領域ではIPを活用したストリートアパレルブランド「MEQRI」を展開し、大きく成長しています。
この5年間、僕たちは最前線のプレイヤーとして事業を運営し、多くの成功や失敗を積み重ね、また、プラットフォーマーとして業界全体の動きを統計的にみてきました。その中で、圧倒的な解像度でD2Cのあるべき姿を鮮明にアウトプットできると確信したため、書籍の出版に踏み切りました。
あらゆる企業がD2Cに参入し、再現性を持って事業をグロースできる世界をつくるために、D2Cの第一人者として、再現性を持ってD2Cを成功させるためのフレームワークを「D2C THE MODEL」に全てアウトプットしました。
この書籍によって、EC/D2C業界がさらなる発展を遂げ、僕たちのミッションである「コト、モノに関わる全ての人々の顧客体験を最大化する」が達成され、ビジョンである「ワクワクするコト、モノを世界中の人々に届ける」という世界の実現に少しでも貢献できればと考えています。
また、SUPER STUDIOも急激に社員数が増加しており、300人を超える組織規模になってきた中で、お恥ずかしながら事業ドメインへの知識にもムラが出てきていると感じています。社内のメンバーに向けても改めて体系的にD2Cを学べる仕組みを提供することも目的の一つになっています。
実際にSUPER STUDIOでは、この本の内容をベースにEC/D2Cの事業ドメインをインストールするオンボーディングプログラムなども開発しています。
「D2C THE MODEL」の内容
目次は以下のようになっています。
内容は目次の通りではあるのですが、D2C事業を再現性のある形で成功させるために、マーケティング戦略としてやらなければならないこと、事業のユニットエコノミクスの成立可否をどう判断するのか、事業の健康状態をどういった指標で確認していく必要があるのかなどのノウハウが全て体系的に解説されています。
また、D2C事業の成功のためには、ビジネスの実行基盤であるシステム選定が必要不可欠だと考えています。その理由を具体的なデータを用いて明確に、論理的に解説しています。事業はお客様ありきの商売ですので、必ず成功するなんてことはありませんが、その中でもシステムは唯一、最も安価に確実に成功確率を再現性をもって上げることのできる要素です。
事業を成功させるためには、失敗要因となっている変数をいかになくし、原因を切り分け、ポイントを絞ってPDCAを回せるかが重要となります。
これらは実際にD2C事業を最前線で運営する僕と飯尾が、現場の実体験やノウハウをもとに全ての文章や図版を自ら書き、現場のリアルを反映した内容になっています。
実は気合いを入れすぎて、最初16万字の大作となってしまったのですが、一般的な書籍は10万字程度がセオリーらしく、重要なところに絞ってスリム化した背景があります。笑
また、圧倒的な規模でD2Cを最前線で運営をされている北の達人コーポレーション代表取締役社長の木下さんと、アンカー・ジャパン代表取締役CEOの猿渡さんにも事前にお読みいただき「この本の通りやれば100億まではいけるはず。」「EC/D2Cを活用したい、しきれていない全てのブランドに。」という最高にありがたいお言葉をいただきました。
現場の最前線でやられている有識者の方からもこういった評価をいただけるのは、非常にありがたいですし自信に繋がります。
この場を借りて、御礼を申し上げます。ありがとうございます!
D2Cの本質と課題
今から数年程前、D2Cが騒がれていた当時、日本ではいろいろなところで「D2Cとは?」という情報が出回っており、それらをまとめるとD2Cの定義は以下だと言われていました。
こういうふうに言語化すると、確かにそれっぽいのですが、従来のブランドと何が違うのか、いまいち差がないように見えてしまう方も多かったと思います。
そこを言語化したのが2020年頃に書いた以下の記事になります。
この記事は今読み返しても違和感がない内容なので、ぜひご一読いただきたいのですが、2023年現在において、僕たちはこのD2Cと向き合い続けてきましたが、今表現するなら、もっとシンプルに表現できる気がします。
D2Cの本質は「データを活用し、顧客とのコミュニケーションを取ることで、最適な顧客体験を生み出し、ビジネス価値を最大化すること」だと確信しています。
コミュニケーションというのは単に会話することを意味しているのではなく、顧客の行動データを読み解き、顧客が本当に求めていることを発見し、それらをブランド戦略に落とし込むことを意味しています。
いわゆるCRMです。
従来のブランド販売戦略との明確な差は、顧客データをブランドが自社でしっかりと保有し、データを活用した顧客との適切なコミュニケーションを取ることで顧客と長期的な関係を築き、ビジネスをLTV化していけることです。
書籍にも、その内容を詳細に記載しています。
しかし、実際に僕たちが最前線で業界を見てきた中で、D2Cの真価であるデータを本当の意味で活用できているブランドは非常に少ないのが現場の実態だと思っています。
D2Cの台頭により、コト、モノづくりのインフラが整備されてきたことで、自社で商品開発を行い、自社ECサイトを立ち上げ、デジタルマーケティングやSNSを活用して、自社サイトに集客し、商品販売を行うD2C事業を成立させている企業は増えてきました。
そんな業界の動き・実績を見て、スタートアップからエンタープライズまであらゆる企業が新規事業の一つにD2Cを選択し、業界に参入するケースは明らかに増えました。弊社でも、特にエンタープライズの企業様からの問い合わせが非常に増加しています。
ただ、多くの企業は、ECサイトを立ち上げ、集客し、商品を販売するところまではできるのですが、そこに集まった顧客データや購買データを活用し、顧客の最適な体験を実現するCRMが本当の意味でできているかというと、ほとんどの企業はできていないように思えます。
データを活用しないのであれば、D2Cの真価は発揮できていませんし、従来のメーカービジネスから単に販売チャネルをECに絞っただけということにもなりかねません。特に現在は、デジタルマーケティング市場の広告単価も高騰しており、販売チャネルをデジタルに絞るだけでは商材によっては事業のユニットエコノミクスがあわず、事業運営の継続が難しくなるケースも少なくありません。
この重大な課題を解消することが、日本のコト、モノづくりの発展には必要不可欠であると考えています。
もちろん、顧客に対してメールやLINEで情報を一斉配信するなど、何かしらの施策を実施できている企業は一定数います。
しかし
顧客の行動データをもとに、顧客のカスタマージャーニーを具体的に可視化し、顧客の傾向やニーズを的確に捉えたCRM施策を実行できているか。
顧客のLTVを初回購入商品や広告経路、決済方法といったあらゆる角度で瞬時に把握し、その顧客セグメントに対して、適切なCRM施策が実施できているか。
事業のユニットエコノミクスをリアルタイムで把握し、事業をグロースさせるための真のKPIをモニタリングする仕組みが作れているか。
と言われると、少なくとも僕たちが把握している限りでは、多くの企業が実態としてできていないように見受けられます。
この原因はいろいろあるのですが、最前線の現場で事業運営している僕たちから見ると二つあると考えており、純粋にD2Cノウハウがないこと、そしてD2Cノウハウがあっても実行できていないケースです。
「D2Cノウハウがない」というのも、ものづくりの歴史は長いですがD2Cの歴史はまだまだ浅く、単純に業界的にD2Cのノウハウが足りない状態があると考えています。
これはまさに僕たちが書籍「D2C THE MODEL」を出版した理由の一つであり、D2Cノウハウを網羅的に体系化することで、業界全体の発展に繋がればと考えています。
「D2Cノウハウがあっても実行できていない」は、D2Cノウハウがあっても実行できている企業となると、極端に少なくなる実態があります。
こちらは明確に、ビジネスの実行基盤であるシステムが不十分であると思っています。
これは、僕たちのようなシステムを提供するシステムベンダーが、さらなる進化を遂げなければなりません。
特にデータ活用領域を一例に上げても、データを可視化、活用するビジネスインテリジェンス領域(以下、BI)や、マーケティングオートメーション領域(以下、MA)にも多数のツールは既に存在します。
しかし、ECが保有する有益なデータをフル活用し、これらのツールを使いこなせている企業がどれだけいるかというと、非常に少ないと思っています。
これは、僕たちが2023年3月にCRM効果を最速で高めるEC特化型MAツール「ecforce ma」をリリースしたキッカケでもあります。ベンダーが異なるシステム間のデータ連携が発生すると、どうしてもECシステムのデータに関して深く知見をもったエンジニアやデータサイエンティストが必要になってしまいます。
また、実際にデータを活用したCRMを行うためには、エンジニアリングやデータサイエンティストに加えて、EC事業のドメインに深い知見をもったマーケティングの視点も必要です。
EC事業のドメインへの深い知見、マーケティング、エンジニアリング、データサイエンティストといったスキルセットをもった専門人材は非常に希少です。
また、BI領域で見たいデータを見るためには、データセット段階でそれらを分析できるようにデータを加工しておかなければならず、この作業は上記の専門スキルをすべて保有していても、非常に難易度の高い業務になっています。
つまり、業界の真のペインはビジネスの実行環境を担うシステム/ツールがないことではなく、今のシステム/ツールではそれらを使いこなせる人材が非常に少ないということです。
この根本的な原因は、間違いなく日本のIT人材の不足があり、これはこれからも長きに渡り常態化するのではと考えています。
実際SUPER STUDIOのD2C事業でも、このようなスキルセットを保有した人材がプロジェクトに入るとデータをもとに事業の課題を特定し、事業が改善していきます。また、ecforceのクライアント様でも、短期間で一気に流通総額を伸ばしている企業様にインタビューさせていただくと、ほぼ確実にそういうスキルセットを持たれた方が事業を牽引しています。
僕たちがプラットフォーマーとして提供する「ecforce ma」をはじめとしたデータ活用周りのアプリケーションは、これらのペインを根本的に解消することを目指しており、半年以内にこの領域でさらなる革新的なサービスをリリースしていきます。
現場のペインを解決していくことで、確実にD2Cの真価が発揮され、コト、モノづくりが発展していくと確信しています。
これはデータ活用CRMの一例の話ですが、書籍ではそもそも「システム」というものをD2Cにおいてどう捉えるべきなのか、次世代のデータ管理のあり方についても触れていますので、D2Cの事業責任者の方はもちろん、エンジニアの方々にもぜひお読みいただきたい内容になっています。
さいごに
いろいろ書きましたが、僕たちがこの5年間で学んできたことを「D2C THE MODEL」に全て詰め込みました。
この書籍が少しでも多くのEC/D2Cにかかわる人々の手に届き、コト、モノづくりの発展に貢献できることを強く願っております。
書籍「D2C THE MODEL」を何卒よろしくお願いします!
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