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不安を消し去る心理学

こんにちは! 説明兄さんのひろです。この間後輩に聞かれました。

「心理学を知っていて、得したことはありますか?」

もちろん、答えはYESです。こうして皆さんに記事を発信できるのも、心理学を学んだからですし、心理学を学んだことで自分を客観的に見ることができるようになりました。

また、新しいことへチャレンジする時の不安も、自然と解消することができるようになりました。初めてのランニング、初めてのトレイルラン、初めての大阪マラソン。僕が行ったこれらの挑戦も最初は不安がいっぱいだったんです。

え? どうやって不安を解消したかを聞いてみたい?

分かりました。では今回はその方法をお伝えします。

人に伝えたくなる心理学。今回のテーマは、

「エクスポージャー療法」

です。

皆さんはエクスポージャー(exposure)という言葉を聞いたことがありますでしょうか。ヒーローの必殺技みたいなネーミングですが、心理学の世界では不安を解消するための治療法として扱われています。詳しく説明していきますね。

1.エクスポージャーとは?

 主に心理学の認知行動療法で用いられる言葉になります。言葉の意味は、

「エクスポージャー(exposure) 曝露(ばくろ)」

です。曝露の意味は皆さんご存知でしょうか。

「会社の不正を曝露する」

みたいな言葉で言い回しで使われる言葉ではありますが、曝露には他の意味もあります。それは、

「風雨にさらすこと、またはさらされること」

さらされる治療法とは一体どんなものなのか。例をあげて説明していきますね。


今日は高校の入学式。小学校、中学校で一緒だった仲間たちから離れて、自分だけ別の高校に入学してしまった。

「どうしよう。新しい学校でなんとかやっていけるかな」

入学式も終わり、不安を感じながら席に座るあなた。そんな時、後ろの席の子が話しかけてきました。

「どこの中学だったの?」

うわ、どうしよう!


・・・。


半年後。

「今日何して遊ぶ?」
「学校終わったら、うちに集合しようか!」

あなたは友達もできて、順風満帆な学園生活を送ることができましたとさ。めでたしめでたし。

これが、エクスポージャー療法です。

え、どういう意味か分からない?

簡単に説明すると、不安に慣れることで問題は解消されるという手法です。

最初は不安いっぱいで入学したあなた。毎日の登校や授業。部活動など、新しい毎日を繰り返していくうちに、自然と人との会話が増える。不安だった人間関係は解消され、新しい人間関係が築かれていく。

これは誰もが経験することだと思います。さらされる治療法とは、不安な環境にあえて身を置く。さらし続けることで、自然と身体を慣らしていく。適応させていく治療法のことなんです。

2.エクスポージャーは実際に効果があるのか?

 皆さんは、
 
「オオカミが来たー!」

そう言って、村人たちを驚かせる羊飼いの少年の話をご存知でしょうか。イソップ物語の有名なお話の1つです。羊飼いの少年が何度もウソをつくことで、村人たちを騙し、最後には本当にオオカミが来て羊を食べられてしまうお話です。

村人たちは少年のウソに最初は不安を感じますが、徐々に慣れてきて、最終的には少年のウソに不安を感じなくなります。これは現実でも起こりそうですよね。例えば、避難訓練。

学校の防災ベルが鳴る。「火事だー」とみんなが建物から飛び出す。校庭に整列し、点呼をとる。そんな避難訓練が毎日あったら。3日目には緊張感もなくなり、ベルが鳴っても不安を感じなくなってしまいます。

火事が起こるかもしれない。自分が危険な目に遭うかもしれない。そんな不安や緊張感も、日常の繰り返しの中でうすれていく。これがエクスポージャーの効果です。

3.エクスポージャーはどのような場面で使われるのか。

 これまでの説明で不安を解消するには「慣れ」が有効であることが分かりました。それではこのエクスポージャーを実際の生活でどう扱えばいいのか。考えていきましょう。

・人間関係
 初めての学校、初めての職場。初めて接する人たち。最初から友好的に人間関係を築ける人もいますが、中には人見知り。または、緊張から人間関係を作ることができない人もいます。

先輩や上司との関係がうまくいかないことで、仕事の事を気軽に相談できなかったり、意思の疎通がうまくとれないことも。また、上司に対する苦手意識から仕事が嫌になることもあるかもしれません。

そんな時、不安の解消には慣れが必要だと分かれば、希望が見えてくるかもしれません。人間関係は一度や二度の接触で作られるわけではありません。いくつかの仕事を通して。相手の行動や言動を見て、徐々に関係性が変わっていくものです。

それさえ理解していれば、毎日仕事をしているだけで。相手に関わる機会を増やしていくだけで。最初は苦手だった人も、関係性も徐々に変わっていき、手を貸してくれるようになるかもしれません。

もう一つ例を挙げます。

・新しいチャレンジ
皆さんはあれもしたい。これもしたい。興味はあるんだけど、一歩が踏み出せない。そんな事を思ったことはありませんか?

・行ったことのない場所への旅行
・筋力トレーニング
・ダイエット

など。やってみたいけど、不安が先にきてしまう。こんな時にもエクスポージャーが使えます。不安が繰り返しによって解消されるというのは、先程説明しましたよね。

ということは、大切なのは最初の一歩です。頭で考えるよりも、まずやってみる。最初は心配事が多くても、毎日の繰り返しによって慣れていきます。
そして、実際にやってみると新しい発見があります。例えば旅行の場合。

こんな場所もあったんだー。電車よりも車で来たほうがアクセスがいいな。今度はレンタカーを借りて来ようかな。お土産買って帰ろう。あ、お土産ってこういうのがあるんだー。

不安は実際の経験で消していくことができるんですよね。

「次来る時はああして、こうして、こうやったらうまくいくかも」

そう考えるだけで、不安はどんどん期待に変わっていくんです。初めてのチャレンジ、最初は誰でも不安を抱えています。大丈夫かな。いけるかな。そう思っていたことでも、実際にやってみたら面白かった。

世界が広がったという体験につながるかもしれません。行動することで、繰り返すことで不安は消えていく。これを知っているだけで、チャレンジは楽しくなるかもしれません。

まとめ

 今回はエクスポージャーについてご紹介しました。慣れることで、人は不安を解消している。この仕組みを知ることで、自分の世界が広がりますよね。

僕はこの方法を知ってから、とりあえずやりたいことが見つかったら飛び込むことにしています。

「ランニングしてみようかな」

やろう!

「トレイルランしてみようかな」

やろう!

「大阪マラソン出てみようかな」

やろう!

ほとんど事前情報なしで始めたランニング。最初は足の筋肉痛や、早起きなど。いくつかの問題はありましたが、毎日繰り返していくうちに慣れていきました。

トレイルランも同様です。山を登りながら走るのは大変じゃないのか。遭難したらどうしよう。最初はやっぱり不安を感じながらのスタートでした。その後は実際に山に行って、頂上まで登って美しい景色を見て下山する。これを繰り返すだけで、不安は消えていきました。

そして、今年の大阪マラソン。他のマラソン大会に出場し続けるうちに不安は一切なくなり、大きい大会だから絶対に記録を更新しよう! というやる気が湧いてくるようになりました。

「不安は繰り返しによって改善できる」

人は繰り返しで変われる。これさえ知っていれば、私達の生活はより楽しいものになるかもしれませんね。










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