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⭐️17【星】THE STAR.

「浜西神明神社」のお祭りが気になったので4/14(日)訪れた。今年になって3回目の参拝だ(ダジャレではない)

前回訪れた時の神社の風景。桜が満開である。


お昼をとうに過ぎて到着した所為もあって既に文字通りの「後の祭り」

後ほど聞いて分かったのだが、なんでも朝の6時半から始めて「軽トラックの荷台」に太鼓と演者を乗せて町内を移動しながら演舞すると言うスタイルの祭りらしい。

私の到着した時には神社に併設された集会所で「バーベキュー」をしながら「祭りの後味」を町民たちが楽しんでいた。

祭りを見損ないちょっぴり残念な気分で、私が境内で寛いでいると3人の少女たちが話しかけて来た。

曇り空の下、未来を見つめる隠者。ピントがボケているのは私が自分の未来がまだ見えていないからだ。
(適当なソレっぽいことを書いてみる。)

「猫の絵くれた人?」

私が答える。
「あぁ、この間の娘たち? 雰囲気が違ったから分からなかった。妹ちゃん今日はメガネかけてないんだね。」

そこから私と3人の少女たちの遊び時間が始まる。
姉妹のうちの妹は程なくして、その場を離れたが姉のNちゃんと、そのお友達のMちゃんとで地面に絵を描いたり、桜の花びらで遊んだりしながらお話を続ける。

なんで、名前を知っているかと言うと子供の一人称が“名前”だからだ。
なるほど、子供はみんな“自分”を持っているが、大人になると“和多志”になって他者との境界が曖昧になるのかも…などとくだらない事を考える。

しばらく話しているとMちゃんが学校への不満や悩み事などをポツリポツリと話し出した。

仲良しさんとクラスが一緒にならなかったこと、皆が既に仲良しグループを作っていて友達が作れないこと、先生の教え方への不満、学校への通学路が遠いこと…少女だって沢山の悩みを抱えている。

Nちゃんが携帯で写真を撮るのを見ながら、Mちゃんが言う
「私は携帯持ってない。写真撮ったりしたいのに…。ゲームとかするでしょうってお母さんは言うけどしないし」と。

私が須磨からやって来たことを聞くと嬉しそうに「水族館が好き」と教えてくれた。
きっと、彼女だってNチャンのようにイルカやサカナたちを自分の携帯の中に閉じ込めて楽しみたいはずだ。

小一時間ほど話し込んでいると、NちゃんとMちゃんの母親が迎えに神社へやって来た。

母親を見るなりMちゃんが「学校に行きたくない」と吐露する。「友達も出来ないし、面白くない」と言う彼女に、母親が諌めるようにアドバイスをする。激昂とまでは行かないものの、感情を露わにしてMちゃんが母親に反論をした。母親の表情に少し“影”が入る。

ふむふむ、これはエネルギーを欲している。

神社の正門ではない方の小さな入り口に自然の木の個性を活かした飾りが付いている。
まるでタロットカードのACEの雲みたいだ。今にも「神の手」が伸びて来そうである。


子供が「怒り」によって自己表現をすると言う事は、家族の中にも「怒り」ないしは「悲しみ」を使ってコントロールの主導権を握ろうとする人がいるはずだ。
子供は親から「エネルギーの補給方法」を最初に学ぶからだ。

この母娘の関係、あるいは家族の中でMちゃんなりに我慢をする事が多いのだろう。
そして、何故そうなっているのかをMちゃんに納得の行く形で説得が出来ていないようだ。
我々の世代からすれば理解し難いが今の子達は小学生でも携帯を持っていて当たり前だ。
気になる物を写真に収めたり、お友達とメッセージをやり取りしたりしたい気持ちが痛いほど分かる。
しかし、親としてはお金の問題や、ゲームにハマってしまわないかなど心配事が沢山あるのも分かる。

ゲームはしないと言う彼女に携帯を買い与えられない理由を親なりに十分に説明をしたのだろうか?
或いは彼女の言葉が信じられないのだろうか?

どちらにせよ、まだ少し家族間でのコミニュケーションが必要みたいだ。

彼女が大人なら「愚痴ばかり言ってるとお友達が離れて行くよ」とか「感情をいつも露わにしていたら相手も嫌な気分になるよ」なんて言ってしまいそうになるが、まだMちゃんには酷な助言だ。

少しずつ女になって行くから「少女」なのだ。

少女が「ない」と言う状態だからこそ「得られるモノ」がある事に気付けるのはまだ先の事だろう。秋に生まれた彼女は沢山の憂いを抱えている。

どうか彼女が「今」の中に「希望」を見出せるようになる事を願っている。

水差しにはヘブライ文字の「צ(ツァダイ)」=「鉤」が見える。
沈んだ気持ちも隠された希望も自分で釣り上げるしかないのだ。

17【星】THE STAR.


恋に敗れた少女に救いの言葉を求められ答える

「希望を持ちなさい。男なんて星の数ほどいるさ」


少女は問う

「沢山あるけど手が届かないってこと?」


なるほど希望とは届かない願いなのかもしれない

届いた時、それは希望ではなく現実となるから…


Springに目を向けてみなさい」

そこには沢山の星々が浮かんでいる

僅かに揺れる水面みなもが夜空の真似をする


「わぁ、綺麗!この水差しですくって行こう」

星はSpringの水と一緒に水差しの中へ吸い込まれる

彼女の流した涙が水差しを満たす

少女が掬った水を覗き込む


「星を掬ったつもりが月が入ってる…」

少女よ、君にもツキLuckがやって来たようだ

星を掬った君が君を救う


希望は自分で自分を救えた時に

初めて手の届く所へやって来るんだよ

次回は「青龍神社」に訪れます▼

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