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Xデザイン学校大阪校2021 #3 エスノグラフィ

Xデザイン学校 第三回のテーマは「エスノグラフィ」。

講義では「エスノグラフィ」という調査手法について学び、グループワークではサービスの構造を考えること。とそれぞれ分けて考えて受講していた。というのも、「エスノグラフィ」はユーザー調査の一環だと思いこんでいた。でも、この「エスノグラフィ」がビジネスを考えたり、サービスデザインを考えるうえでとても重要な基礎になる概念であり、各所で生きてくることだと思った。先生方から「そう言ってるじゃないか」と言われそうな気がする。

本来ならば各要素や手法が複雑に絡み合ってできることなのに、それぞれをバラバラに個別のものとして捉えてしまっていたことが、自分の理解が進まない1つの要因だと感じた。

勘違いしていたことと、改めて資料を読み返して理解したことをまとめておこうと思う。

1.エスノグラフィと比較とブリコラージュ

①エスノグラフィ

自分の頭の中にあったエスノグラフィのイメージは「行動観察」であって、本来の姿からずれていた。そのずれについて書く。

エスノグラフィはもともと人文科学系の調査の1つで、参与観察とも言う。調査対象の中に準メンバーとして参加(参与)し、行動を共にすることで理解を深めること。そして長期的に参与し続けて潜在的な価値観などに気づくこと。

この長期的という視点が抜け落ちていたので、自分の中にあったイメージでは表面的な部分を点でしかとらえられていなくて、すごく浅いものにしかならなかったと気づかされた。というかただの行動観察に過ぎなかった。

それに、人や社会は常に変化し続ける。だからこそ、今の時代では長期観察が重要で、変化や新しいことに対してのユーザーの習熟のプロセスも含めて理解する必要があるのだと理解した。

②比較

比較することが物事を理解し、共通点や違いを見出すのを助ける。

確かに、これも頭から抜け落ちていた。ついつい、課題企業のこととその周辺ばかりに目が行ってしまい、広い視野、視点を持てていなかったなとつくづく思い知らされた。エスノグラフィも自分との比較、別の対象との比較なども重ねることで理解が深まり、質が上がっていくのだろう。それが次に書くキーワードのブリコラージュ。

先生方は初めから言ってたことなのに、考えれば考えるほど視野が狭くなってしまっていた。結果、対処療法になっているとか、安直じゃないか?と言われたのは、ほんとその通りだと痛感しました。

教養・経験の浅さゆえにまだまだ引き出しが足りない。手の届く範囲にしか、手を伸ばせていない。自分はそんな状況にあるんだなと気づいた。

③ブリコラージュ

自分はこの言葉を知らなかったので、改めて調べて書き留めておく。

【ブリコラージュ(〈フランス〉bricolage)】
あり合わせの道具や材料で物を作ること。日曜大工。器用仕事。転じて、持ち合わせているもので、現状を切り抜けること。
                       《出展》デジタル大辞泉

【ブリコラージュ/bricolage】
人類学用語。本来,片手間に行う雑多な手仕事を意味する言葉で,「器用仕事」などと訳されることもある。フランスの人類学者 C.レビ=ストロースが,著書『野性の思考』 (1962) のなかでいわゆる「未開」社会の思考様式の特徴を示すために用いた。彼によれば,「未開」社会の思考では,身近な具体的対象が状況に応じてさまざまな意味をもつ記号として用いられる。これを,ありあわせの物でやりくりするブリコラージュにたとえた。たとえば,トーテミズムにおいて,殺した動物の鮮肉を食べるタカと遺棄された腐肉を食べるカラスとの対比によって,貴族階層と平民階層の対比が表現される。レビ=ストロースは,このような記号による類似と対立に基づいた思考法が,近代西欧の概念的思考と比肩されるべきものであると主張して,それまでの「未開」対「文明」という認識に対し,発想の転換を呼起した。
            《出典》ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

教養が大切だと何度も話をされていたのはこういうことか!とようやくわかった。ただただ本を読んだりして、知識として身に着けているだけでもダメだということ。企業やビジネスのこともだし、ユーザーや世の中のこともそうだし、何気ない日常の中でエスノグラフィをしておくことが大切だということ。

そして、自分の日常の中で日々エスノグラフィをすることが、「自分ごと」としてのパーパスを見つけることにつながるのだと。まさに思考法を身に着けて、常に実行しておかないといけないのだなと思った。それが自分の深さにもつながる。日々意識しておこうと思います。

あとチームリーダーとして、チームを引っ張る、チームメンバーの良さを引き出して調和させていく。これをするにもエスノグラフィやブリコラージュで、チームメンバーのことを理解するというのも大切だと思う。会社の研修に来られた講師の方が、参加者と同じ空間を共にすること数時間で、それぞれの素養に気づいて、個人個人をうまく引き上げていたのを思い出しました。

2.グループワーク

次回までにいろいろと考え直さなければならない状況だというのがわかって辛い。自分たちの立ち位置を正しく理解できていなかった。スタートアップとして課題企業に対して新しいプラットフォームビジネスを提案するのだが、2つ前提条件を勘違いしていた。

①スタートアップの立ち位置

てっきり今回のビジネスは課題企業が主体で行うもので、その企業にとってより良いプラットフォームビジネスを提案するものだと思っていた。そのため、課題企業のことと、それに乗っかってくれるであろう企業のことばかりを気にしてしまっていた。

でも実際は、このビジネスをするのは自分たちであって、課題企業のアセットを活用するために、資金を出してもらうために、課題企業に提案してサポートしてもらう立場なのだと。そして、あわよくばM&Aしてもらうようにしないといけないのだった。

②パーパスの主体

①の勘違いにより、パーパスもその主体を見誤っていた。

課題企業のことを理解して、課題企業のサービスとしてベストなパーパスを考えるものだと思っていた。(もちろん、課題企業にとっても共感できる内容である必要はあると思うが。)

今回のお題は、スタートアップとして提案し、自分たちが運営するので、あくまでも自分たちの自分ごととしてのパーパスを提案しなければならないのだということ。そして、そのパーパスを実現するために課題企業だからこそ持っている技術や資産を活用させてもらう、出資してもらうということ。

リーダーとしてミスリードしてしまっていてとても申し訳ないなという気持ちでいっぱいです。でも、まだ序盤で気づけて、進むべき方向に軌道修正できそうであることを今はポジティブにとらえて、改めて検討を進めたいと思います。

とはいえ、この「自分ごと」としてのパーパスを作るのが本当に難しい。正直なところ、全然思い浮かんでこない。そのうえ、課題企業のことをまだまだちゃんと知れていないというのが実状なので、まだまだもがき苦しみそうです。

企業のこと、ユーザーのこと、世の中のこと、まだまだ見ないといけないものは山積み。1つ1つ学んだことを実践していき、それぞれをどう繋げていくか、どう編んでいくかしっかり考えていこうと思います。



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