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太陽が、緑色?~11月に読んだ本から

読んだ本を忘れないため、毎月、読んだ本の中から 印象に残った本 を 記事にしていく9回目。

11月に読んだ本の中から、印象に残った本5冊。

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1 神さまのいうとおり 谷瑞恵

高校1年の友梨(ゆうり)は、会社をやめ 主夫になった父親を 恥ずかしく思っていた。一家は、田舎に住む ひいおばあちゃんの家に 住むことになる。

からまった毛糸をほどくときの「しゃしゃもしゃや~」「縁側から出たら 縁側から帰る」「子どもの背中を守るために 背中に糸をぬいつける」などの 言い伝えやおまじないは、友梨や家族を 少しずつ変えていく。

小さい頃の記憶は あいまいで、夢だったのか 本当だったのか はっきりしないことがある。
1話目に、幼なじみと昔の記憶をたどって歩く場面が出てくる。ふわふわ、もやもやとした感じが、「ああ なんだかわかるなあ。」と思ってしまった。

それにしても、子どもに「あなたは 橋の下から拾ってきた」と言うこと(私も言われた)には、実は親の願いがこめられていたとは、驚きだった。

2 少年少女のための文学全集があったころ 松村由利子

「大きな森の小さな家」「赤毛のアン」「小公女」「くまのプーさん」「ちびくろサンボ」・・・幼い頃読んだ児童文学への愛がいっぱいのエッセイ集。

まず、筆者の読書量の豊富さに驚いた。そして、幼い頃のことにもかかわらず、本を読んだ時の気持ちを よく覚えていることに もっともっと驚いた。

私も筆者と同年代。
「そういえば、学校の図書室には 分厚い子ども用の『文学全集』が並んでいて、その中の幾冊かを 私も手に取ったなあ。」
「新しく本を買ってもらったら、家に帰るやいなや 上着も脱がずにそのまま座り込み、夢中になって本を読んでいたなあ」・・・なんていうことを思い出した。

金原瑞人さんが、この本に寄せた文章が すてきだ。
これを読んだら、児童文学好きの人は、この本を読みたくなってしまうのでは ないだろうか。
かくいう私、図書館で借りて読んだのだが、読み直したいと思い、購入してしまった。

この本は、こちらのnoteの記事で知りました。


3 科学でナゾとき! わらう人体模型事件  あさだりん

児童会長・彰吾のひみつ、それは変わった理科の先生(キリン先生)が 実は父親であること。
人体模型が笑ったり、なくなったリップクリームが 花壇に捨てられていたりしたナゾを キリン先生のアドバイスで解いていく。

「なくなったリップクリームが なぜ花壇で見つかったのか」というナゾを解くのに「液状化現象(地震の揺れで地盤が液体状になる現象)」が登場する。液状化現象を確かめる 簡単な実験も出てきて「ほおおお、こんな簡単な仕掛けで実験できるのか。やってみたいなあ」と思った。

太陽を緑色にぬった転校生の話も 心に残った。「緑色の太陽」が実際にあるということを初めて知った。

やっぱり私は こういう「理科的な話」が 好きなんだなあと 再確認できた一冊。


4 君の名前の横顔 河野裕

大学生の楓の家族は、亡き父の再婚相手の愛と 異母弟の冬明。
想像上の怪物「ジャパウォック」を恐れ 学校に行きたがらない小5の冬明に 楓も愛も寄り添おうとする。
「ジャパウォック」とは、何者? なぜ現れたのか?

「父親が不幸な亡くなり方をした家族の 再生の物語」だろうと思い 読み進めていったが、そんな「よくある話ふう」の まとめ方ができる内容ではなく、私にとって全く新しい展開のお話だった。

「世界の一部を盗む」という ジャパウォック。ファンタジー的な要素も含まれてお話は進行していくが、現代の社会のいろいろなできごとを考えると「ジャパウォック」って実在していて、知らないうちにいろいろなものを本当に盗んでいるのではないかと思ってしまう。

だれかが 正義を語り、その正義が 受け入れられたとき、世界は欠ける。
どれだけ正しかろうが、間違っていようが関係なく、とにかく 一度受け入れられた正義への反論や検証は 許されなくなっていく。違和感を覚えた誰かが それを口にしたら、「あなたは 間違っているだ」「時代に あっていないんだよ」と 切り捨てられる。あるいは その反論自体が もう大勢の目には触れなくなる。それは ジャパウォック現象と同じように、ひとつの正義が決まってしまうと 別の正義の可能性は 初めからないものだとして 処理される。    (本文より)

それにしても 楓の父をSNS上で執拗に攻撃した「キササゲ」の正体には 衝撃を受けた。なぜ、そんなことができるんだ~~~。

5 ひかりの魔女 山本甲士

浪人生の光一が 同居することになった祖母は、多くの人に慕われている。
そればかりか、いつのまにか、周囲の問題を解決しているし、光一の家の問題まで好転している。
普通のおばあちゃんにしか見えないのになぜ?

「人」の力、「言葉」の力、そして「食べ物」の力を感じることができたお話。

この「ひかりおばあちゃん」、「食を大切にし、体を鍛え、何事にも感謝を忘れないこと」を 「力いっぱい」やっているのではなく、自然体というか「力を抜いて」やっているのがいい。こういうふうに年齢を重ねたい。
 
あっ!続編も2冊出ているのね。 読んでみよう。

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2021年も最後の月、12月になった。
来月は、「2021年に読んだ本の中で 印象に残った本」一般書児童書、それぞれ10冊選んで 記事にしようと思っている。

読書ノートを見ながら、「これは決まり」、「う~ん、どちらにしようか」 などと悩むであろうが、それがまた楽しい時間なのである。


読んでいただき ありがとうございました。