大事なのは これからなんだから~ZOOMで読書会 その7
学生時代の友人「🐰さわ」&「🐱MOTO」と 私「🐻くば」が、自分で決めたテーマにそって選んだ本を 15分程度で紹介しあう「ZOOM読書会」。
今回で7回目。(1回目 2回目 3回目 4回目 5回目 6回目)
われら「あらかんトリオ🐰🐱🐻」にとって この読書会は「1ヶ月に1回、頭を使う貴重な時間」となっている。
(1ヶ月に1回しか 頭を使わないのかい?????)
☆さわ☆
<テーマ>手紙が主役の物語
1 ツバキ文具店 小川糸
🐰鎌倉にある古い店「ツバキ文具店」の店主・鳩子が請け負っている「手紙の代書」の物語。
「代書屋」って、依頼人の話を聞いて、文章を考えてきれいな字で書くだけだと思っていたけれど もっと深くて専門的だった。
鳩子が抱える先代(育ててくれた祖母)に対する思いも、手紙によって少しずつ解きほぐされていく。
「『本当は、あなたの事を思っていた いい人だった』っていうことが分かる」と いうような よくあるパターンではなく、
「欠点があり、それゆえの失敗があり、虐待と言ってもいいような 子育てをしてきた人だった。でも、自分は愛されていた ということを 感じることができた」と いうのがいい。
個人的には、「汚文字」の 花蓮の話に共感。
送別のメッセージなどを 頼まれた時、私は、いつもパソコンを使っていた。
すごく時間をかけて、丁寧に書いても、その度をこした下手さのため、いい加減なやっつけ仕事で 書いたようになってしまうから。
「直筆の方が心がこもっている」ってよく言われるけど、それは、ある程度の文字が書ける人が言う事じゃないかなあ。
鳩子は「字が汚い人は努力していないだけ」と思っていたけど、花蓮さんの話を聞いて、そうとばかりは言えない という事を知った。
私の場合は、努力もしていないので 大きなことは 言えないけれど、普通の努力では きちんとした文字が書けない人は 確かにいる。見え方、形のとらえ方に 困難を抱えている人はいる。また、見たものを 正しく運動として伝える力が弱い人もいる。訓練によって 改善される場合も あるけれど、まだまだ一般的ではないし、大人になってからは厳しい。
2 ポプラの秋 湯本香樹実
🐰父の急死後、幼い千秋は、母と 大きなポプラの木のあるアパートに引っ越す。そこの大家のおばあさんは、不思議な秘密を話してくれた。それは・・・。
急に環境が変わったことで、不安定になり 学校へも行けなくなっていた千秋が、手紙を書くことや、おばあさんや近所の人々とのかかわりの中で 癒されていく。
おばあさんの葬儀に駆けつけた時、昔、母が父宛に書いた手紙を渡される。千秋が母に書くことを勧め、おばあさんに渡していた手紙だった。自殺を考えるような状況にあった千秋の気持ちも手紙を読んで変わっていく。
「書く」ことは 心理療法としても 有効性が認められという。書くことができない幼い子の場合は、人形などを使った遊びも有効だそうだ。
お母さんからの手紙を読んで、父の死の状況が初めてわかるが、母親にとっても その手紙を書いたことが、再出発への後押しになったのではないか と思う。そして、千秋も その手紙を読んだことで 背中を押される。
手紙ではないが…千秋の母方のおばあさんの言葉もよかった
大事なのは これからなんだから。あとで「ああ、あの頃は まだ若かったのに」なんて 後悔しないようにしなさいよ。
3 あしながおじさん J・ウェブスター
🐰孤児の主人公ジュディは、名も知らぬお金持ちの援助で 大学に入る。ジュディは その人物を「あしながおじさん」と名づけて、手紙で 日々の様子を知らせていく。
昔 読んだ頃は、あまり好きではなかった。あしながおじさんが、その立場を利用して 若い女の子を 手に入れるような感じが 気持ち悪かったから。
でも、今回読み返してみて、好きな小説に変わった。
まず、大学生活が生き生きと描かれている。
時代が違うにもかかわらず、不思議なくらい古さを 感じなかった。ジュディは、女性の地位や社会の状況に関しても、けっこう辛辣な目を持っていて、そのことを しっかり手紙にも書いている。
そして、「あしながおじさん」の年齢。
昔は「ものすごく(年をとった)おじさん」と思っていたけど、実は30そこそこ。まだまだ若い。好きな女の子が、他の男(サリーの兄)に取られてしまうのではないか と焦って手を打つのもわかる。しかも、ジュディはサリーの兄に 恋愛感情は全く持っていなかったことにも気づいた。昔の私は 恋路を邪魔されたと思っていた。
(映画も見たけれど、映画では中年のおじさんでした。)
🐻「ツバキ文具店」、ドラマ良かったよ~。
🐱うん、良かった良かった。
🐻鳩子は、多部未華子さんで、おばあちゃんが、賠償美津子さんだったね。
🐰おばあちゃん?
🐻ええと、「先代」。回顧シーンででてくるよ。
☆MOTO☆
<テーマ>おいしい本
1 ランチ酒 今日もまんぷく 原田ひ香
🐱この本は、食べ物の描写が とってもおいしそうなのがいい。
主人公の仕事は「見守り屋」。お客は子どもから大人まで。ただ見守っているだけだったり、ちょっとお世話をしたり とその仕事内容は、お客によっていろいろ。
この本で、3巻目になるけど、別れた夫や子どもとの関係が いいほうに進んでいるかなという感じ。新しい仕事の話も出てきて、明るい展望が見えたかな。
この、ランチ酒シリーズに出てきた「カキの料理」を作ってみたの。
カキに小麦粉か片栗粉を たっぷりまぶして ものすごーくたくさんのバターで焼く。
「思ったより ずっとたくさんのバターを使う」と 本に書いてあって、その通りにしたら、とっても美味しかった。でも、カロリーが すごいことになってるんじゃないかなあ。
2 やっぱり食べに行こう 原田マハ
🐱パリ、東京、蓼科など、それぞれのところで出会ったおいしいものに関するエッセイ。真似できないことが ほとんどなんだけど、話は短いので読みやすい。
美術館の話、バブルの頃の話も出てきてた。
おいしいものいいなあ、食べたいなあと思って読んだよ。
3 バニラな毎日 賀十つばさ
🐱作者は、脚本を書いていた人で、趣味は「お菓子作り」とのこと。
私は、難しい漢字を使っていたり、日本語の文法が 明らかにおかしかったりする文章は苦手なんだけど、この本はそういうことがいっさいなく、流れのいい文章だった。
主人公・白井は 洋菓子店を閉店させてしまう。常連客だったマダムがその厨房を使って 変わったお菓子教室を開く。
生徒は一人だけ。その生徒さんの かかえている悩みを お菓子をつくりながらきいて、ちょっとずつ 解決の方向に向かわせていく という連作短編集。
最終的には、マダムの悩みも解消されるし、主人公も新しい道にすすんでいく。
読みやすくて 救いがあるお話だよ。
☆くば☆
<テーマ>
ひと粒で何度もおいしい
複数作家作品の楽しさ
1 なみきビブリオバトル・ストーリー 本と4人の深呼吸
🐻並木図書館のビブリオバトルに集まった4人の小学生。それぞれの思いをかけた ビブリオバトルの幕があがる。
4人の作家が ビブリオバトルに参加する子ども一人ずつ受け持って短編を書いている。4人で書いたとは思えないほど、「つながっている」お話。他にもいろいろな本が出てくるのがおもしろかった
2 11の秘密 ラスト・メッセージ
🐻11人の作家による「ラスト・メッセージ」をテーマにしたアンソロジー。
(大崎梢 近藤史恵 篠田真由美 柴田よしき 永嶋恵美 新津きよみ 福田和代 松尾由美 松村比呂 光原百合 矢崎存美)
まず、この表紙を見て、「わああ 素敵~」とすっかり気に入っちゃたよ。
そして、並んだ作家名を見て、「これで、おもしろくないはずはない」とも思ったよ。
好きなお話のひとつは 新津きよみさんの「十年日記」。
90歳から「十年日記」を書き始めた西村素子が突然亡くなってしまった。日記に「昔、拾った指輪のことが心残り」と書いてあった。娘・美由紀と孫・菜緒が落とし主を探す話。ほっこり系。
3 大崎梢リクエスト!本屋さんのアンソロジー
🐻「本屋」を舞台にした、10人の作家さんによるちょっぴりミステリー風味の短編集。
舞台が「本屋」ということで 私の好みに どんぴしゃ!
門井慶喜さんの 「夫のお弁当に石をつめた奥さんの話」とか、似鳥鶏さんの「7冊で海を越えられる」とかがおもしろかったよ。
アメリカの大学院に留学することになった僕。「勝手に決めた」と彼女はものすごく怒って、連絡がとれなくなってしまった。
ところが その彼女からジャンルも作家もバラバラな7冊の本が送られてきた。これはどういう意味? 書店の店長さんがこの謎をとく。
似鳥鶏「7冊で海を越えられる」
🐱「和菓子のアンソロジー」 は 読んだよ。アミの会も 別のテーマの本を読んだ。微妙な日常の謎系のミステリーが好きな人には アミの会はいいと思う。
光原百合さんて たくさん作品を書いていないけど けっこういいよ。
🐰 「十八の夏」とか・・
🐱そうそう「時計を忘れて森へいこう」とか。
🐻「本屋のアンソロジー」を読んで 坂木司さんがいいなと思って「和菓子のアン」読んだし、宮下奈都さんも「よろこびの歌」を読んだよ。
🐱坂木司さんて覆面作家だったの。今はどうかわからないけど。「切れない糸」とか「ひきこもり探偵」シリーズが東京創元社からでてる。
🐰あ!「ひきこもり探偵」は、なんか読んだことある。
篠田真由美さんは「建築探偵」の人?
🐱そうそう、「建築探偵」有名だよね。
🐰「建築探偵」も読んだことあるよ。
🐱篠田さんの作品で、はつあきこさんが、表紙描いている本があって、それもちょうど私たちにいい本だよ。
🐻はつあきこさん??・・・ああ! 波津彬子さん。「雨柳堂」の人だね。
🐱そうそう。お姉さんが、亡くなった花郁悠紀子さん
🐻そうだ、私、「山女日記」読みました
🐰読んだ!読んだ!
🐱え~~ まだ読んでな~い。 良かった?
🐻🐰良かった!!
🐻朝イチ(NHK)みて、「いやミス」はちょっと苦手かもと思ったから、この「山女日記」読んだのね。最近、続編が出たから図書館に予約したら、(ちょうど新聞の書評欄でも取り上げられた影響か) 私のまちの図書館でもすでに6人も予約していたよ。
🐰私も 読もうと思ったら 予約500人超えてたからやめた・・・。
🐻NHKのオンデマンドに契約していた間に ドラマもみればよかったよ。
🐰ドラマでは、帽子屋さんの柚木が 山岳ガイドという設定で 全編出てくるよ。その柚木は 工藤夕貴さんがやっていた。
🐻ああ、あのやかん持って走っていた子ね。
🐰🐱 笑 笑
🐰文庫版には 話が一つ 付け加えられているんだって。
🐻それも読みたいよね~
私が、「ずっと やろうと思って、やっていなかったこと」の1つ、それは、
「我が家の 本を整理すること」
たくさんある児童書・絵本が、6畳の部屋の壁一面の本棚にぐちゃぐちゃと詰め込んである。
「退職したら 片付けよう!」と 思って早や4年。
私のこの重い腰を なんとかあげるために、この読書会仲間に「ぐちゃぐちゃの状態の 部屋の写真」まで見せて 宣言してしまった。
「春までにこの部屋の本、かたづけるから」
「かたづいたら 読書会でオンラインツアー(←大げさ)やるから」
あれから 数週間。
ぼち・ぼち・・・ぼちと片付け始めた私。
さて、「春」までに終わるか??
オンラインツアーなんてできるのか??
う~~~ん~~~大丈夫か??
でも、実は、けっこうわくわく気分だ。
<5日間だけ毎日note1/24~1/28>の 2日目
読んでいただき ありがとうございました。