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春になったら図書館へ~ZOOMで読書会 その18

18回目の「ZOOM読書会」。学生時代の友人「🐰さわ」と 私「🐻くば」が、それぞれ自分で決めたテーマにそって選んだ本を紹介します。
今回から2人の読書会です。

過去の読書会はこちら

☆さわ☆
<テーマ>岡田淳さんの本

岡田淳さんのオンラインの講演会を視聴し、その語りに引き込まれました。
そこで紹介された「誰かが 誰かに語る」という形の物語を 読んでみました。

1 星モグラサンジの伝説

🐰モグラが、伝説のモグラ「サンジ」のことを「本にしてほしい」と作家に話す。サンジは、ものすごい勢いで穴を掘り、様々なものを食べ、空まで飛んじゃうモグラ。

すべては、サンジの好奇心から始まる。そして、サンジには行動力もある。サンジのことを語る部分の文章は躍動感があって、スカッとする。「だだだだだだ!」って音が聞こえる感じ。

ずいぶん昔に読んで「おもしろい!」って思ったのは覚えていたけど、ストーリーはきれいさっぱり忘れていた。読んでみたら、やっぱり「おもしろい!」

岡田さん本人が描くさし絵が、ユーモラスで わかりやすくって とってもいい。


2 雨やどりはすべり台の下で

🐰「夏休み中に、最低一度は、登校グループのメンバーで遊ぶこと」
という変わった宿題を 出された子どもたち。
公園で遊んでいたら 雨が降ってきて、すべり台の下で雨宿りをしていた時に、子どもたちが語る話。
それは、同じアパートに住んでいる雨宮さんが 起こしたと思われる不思議な出来事。偶然?夢?それとも、雨宮さんは魔法使い?

子どもたちの名前や、遊び方(三角ベースで遊んでいるとか)が、時代を感じさせるけど、内容はちっとも古くない。引き込まれて、あったかい気持ちになれた。
実は、雨宮さんはこういう人でした という種明かしはないんだけど、いいなあと感じたお話。

 

3 ムンジャクンジュは毛虫じゃない 

岡田淳さんの本で 一番最初に読んだ本。

登ったら たたりがあるといわれているクロヤマ。そこに咲く クロヤマソウ。
そのクロヤマで良枝は、クロヤマソウを食べる毛虫のような生き物を発見。稔と克彦と3人で 育てることにし、ムンジャクンジュと名付ける。

ムンジャクンジュは、見る見るうちに大きくなる。25時間おきに食べ、食べる量は毎日2倍になっている。3人だけでは育てられなくなり、クラスのみんなと協力することになる。

最終的には、町中の人々を巻き込む大騒ぎになるが、子どもたちの熱意、担任の先生の機転で、平和な結末となる。

この本も躍動感があって、次どうなるの?次どうなるの?と ものすごく気になった。

結局、ムンジャクンジュって何だったのかは、はっきりとは えがかれていないけど、終わり方は、意外にあっさり。(記憶ではチョウチョになって飛んでいったと思っていたけど、全然ちがった。)でも、不満は感じなかった。

名前とか設定の古さとか、今の子どものたちに どうなのかなあと思うけど、読んだらおもしろいと思う。

最初、別の本を取り上げようと思っていたけど、🐱MOTOが 虫が好きだったからこっちにしたよ。

  
🐻もし、🐱MOTOに紹介できていたとしたら、私もまず「ムンジャクンジュ」をあげたと思うよ。そして次が「こそあどの森」かな。

「ムンジャクンジュ」は、最初読んだとき、おもしろすぎて、2回目が読めなかった。もし、2回目読んで、「え?そんなにおもしろくない。」って思うのが怖くて。
でも、20年たって、読み直してみたら やっぱりおもしろくて、途中でとめることができなかったよ。

🐰子どもたちに読み聞かせしたときは、一日に一章ずつ読んでいたんだけど、当時よく、続きを読むのをがまんできたと思う。今回は一気に読んだ。

🐻最後、あっさり終わるんだけど、それがいいよね。


🐻「こそあどの森」はどれが好き?
🐰う~~ん あんまり覚えていない・・
🐻はじまりの樹の神話」は、壮大な感じがしてすごくよかったよね。
🐰うん、劇団四季のミュージカルになったのも わかる気がするよ。
🐻岡田さんのお話って、けっこう演劇になってるんだって。岡田さん自身も演劇をやる人だからもあるんだろうね。
🐰岡田さんが、図工専科の先生だなんてうらやましいよ。
🐻ほんとほんと!

☆くば☆
<テーマ>  お気に入りの富安陽子さん

1 まゆとおに   やまんばのむすめ まゆのおはなし

 🐻まゆは、やまんばの娘。きたのおやまのてっぺんの 三本杉の下の家に住んでいました。

ある日、とんでもなく大きいおにが、まゆをだましてつれてってしまいました。食べようと思ったのです。まゆ、大ピンチ!

「こどものとも」の付録の小冊子に「これぞ山姥」という富安陽子さんの文章が載っていた。

山姥と子どものお話を 書こうと思ったけど、なかなか イメージが わかなかった。

ある日、街で出会ったおばあさん
 ~やせっぽちで背が高い つるんとした卵形の顔の上に、髪をひっつめ、小さなおだんごをのせたようなマゲを結っていた。~
から お話を作ることができた。

その物語をまとめたのが、「やまんば山のモッコたち」。そして、そこからまた「やまんばとまゆ」を主人公にして作ったのが、この本とのこと。

なによりも、降矢ななさんの絵が素敵で、小さくてかわいくてとっても魅力的なまゆが描かれている。
やまんばむすめの まゆの話は、他にも何冊かあるから 読んでみたい。

  

2 小さな山神スズナ姫

🐻スズナ姫は、山神として独立するため、ひとりでスズナ山を紅葉させる仕事に向かいます。
山を紅葉させるためには、モッコウギツネの力が 必要なのですが、そのキツネは スズナ姫の父の山神さまと 仲が悪いというではありませんか・・・
 

主人公スズナ姫に対して「輪郭がくっきりとしている」という印象を持った。
自分の願いをかなえるために、力をつくす。一言でいうと「強い」主人公。
上手い、おもしろい、もっと早く読んでおけばよかったと思ったシリーズ。

 

3 かくれ山の冒険

🐻尚(なお)は、雑木林の中にドッジボールを探しに行っただけなのに、異世界に迷いこんでしまいます。
ここから出るために、知恵と勇気をふりしぼる尚です。

時代の移り変わりを感じて、印象に残っていた本。

それまでの 私の中の冒険物の主人公は、誰かの または何かのために、「勇敢に」「進んで」「一生懸命」、敵に立ち向かっていくものだと思っていた。

でも この尚は、「魔法を解く方法を 見つけてきてくれ」と 言われたとき、

「ちょっと ぼくには 無理 だと思うな」
「だって ぼくは まかせろなんて言えないよ。ぼくは ゆうかんじゃない し、ドッジボールも苦手だし、さがあがりだって たまにしかできない」

と、断る。

ここで初めて、
「そうだよなあ。みんな 龍の子太郎 や まえがみ太郎じゃないよな。普通の子は、そんなおそろしいこと いやだよなあ。」と思いいたった。


 🐰富安陽子さんの講演会 聞いたことがあるけど、おもしろかった。読み聞かせみたいなのを したわけではないんだけど、話がとにかくおもしろかった。
🐻そうだよね。私も最近zoomで 2回ほどお話聞いたけど、おもしろかったもの。
🐰富安さんの作品で、「博物館の少女」が、おもしろかったし、「天と地の方程式」もおもしろかった。変った能力を持っている子どもたち、本人は、「これ普通でしょ」と思っているところが よかった。
「ふたつの月の物語」は幻想的なお話だった。
 
 
🐰降矢ななさんと言えば、昔、夫が、「おれは『ちょろりん』が好きだな」って言ったことがある。私のいないときに、子どもたちに読み聞かせしていたみたいなの。
🐻「ちょろりん」いいよね。
やっと手に入ったセーターが 最初はちょろりんの身体にあわなくて 手も足もでないところから、ちょろりんの身体に合わせて 作り直してもらうところなんて とっても好き!
🐰ううううう 覚えてない
🐻(笑)だいじょうぶ、「おもしろかった」っていう記憶は、生きて身になってるはずだから。
でも、せめて「読んだこと」だけは覚えておきたいよ。時々読んだことすら覚えていないから(笑)
🐰(笑) 


🐰昔聞いた、長谷川摂子さんのお話もおもしろかった。本人も読み聞かせをされてるとのことで、いろいろな本を読んでくれた。

「くつくつあるけ」を、ホラーっぽく読んでくれたよ。高学年がすごく喜ぶんだって。
「サルビルサ」も読んでくれてとってもおもしろかった。
その方法で、小学生に「サルビルサ」読んだら、とっても喜んでくれて、長谷川摂子さんはすごいと思ったよ。

🐻長谷川摂子さんって「おっきょちゃんとかっぱ」かいている人だよね。
🐰うん、「めっきらもっきらどおんどん」の人。


🐰家から、一番近い図書館には、そんなに本がないんだよね。大きな図書館に行きたいんだけど、今は雪で運転できないから、春になったら行こうと思ってるよ。
🐻うん、私も 春になって運転できるようになったら、遠くの図書館通いを再開する。
🐰でも、その大きな図書館の駐車場は、1時間までなの。1時間なんてすぐたっちゃって。
🐻そうだよ、図書館の1時間なんてすぐだよ。
早く春になってほしいな~。


2人の読書会の1回目。
zoomのギャラリービューの画面、2人だと3人に比べて、顔が大きく映るのがさびしい。

いつも、zoomの制限時間40分×2回で行っていた。2人になると時間の配分はどうしようかと思っていたが、本のことは、いくらでもしゃべることができる2人。やっぱりすぐ時間がきてしまった。

次回は、一冊「共通の本」を決めた。
もう一度、読み直さなくては。あっ!読書会、ぎりぎりに読み直すことにしよう。あんまり早く読むと、また忘れちゃうからね。


読んでいただき ありがとうございました。