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「きらきらひかる」江國香織さん(読書感想文)

これはもう、サイコーに
今の私の心情と世界。

睦月(むつき・夫)、
笑子(しょうこ・妻)、
紺(こん、と読むのか?睦月の
ゲイの年下BF)や、夫妻の各両親、
睦月(医者)の同僚のゲイカップル、
と設定は奇抜なのに
中身はほんとに繊細な心理描写と純愛。

睦月がゲイであることとひきかえに、
笑子が精神的におかしいことを
互いの親に黙っておく、という
見合い結婚し、
そこに現役の睦月の彼氏、紺が絡んでくる。
紺もいいキャラ。

笑子は、紺も好きなんだけど、
紺と同じくらい睦月のことも好き。

「オレ、ゲイじゃないよ。
睦月のことが好きなんだ」

っていう紺の言葉に傷つく笑子。
笑子も、性的なことぬきにして、
睦月を好きになってきてる。

が、ひとつ言うと、睦月のキャラが薄い。
フツーの男ならともかく、
医者で、ゲイで、紺という
年下のBFと妻がいて・・・
なのに、アンドロイドのように
ニオイがない。
紺のほうがいろんなニオイがする。

銀色のライオン、(突然変異で生まれて、
草食で、短命な群れ)
を睦月や紺に当てはめる笑子。

そして、いつも睦月に紺との
エピソードを聞きたがる笑子。
ケンカしたことや、出会い、SEXまで。

で、笑子は、「睦月と紺の精子を混ぜれば、
みんなの子供ができる」
と、いう考えに、紺が睦月をなぐり・・・

結局、笑子も紺も、睦月が傷つける、と。
そして、紺くんの木。
ユッカエレファンティペス。

体温を知り、睦月も笑子を愛しく思い、
そして最後は三人でHAPPY END。
本当にほっこりした。

☆ユッカ・エレファンティペス(青年の木)☆
ユッカはリュウゼツラン科 
ユッカ属の中米から北米にかけて
広く自生している植物。
また、エレファンティペスというのは、
大きくなった幹の根元が、
象の足のように見えるからだそう。
成長期に盛んに葉っぱを出す
力強い姿から青年の木とも呼ばれている。


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