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自分に合う仕事を見つけるには、お金と時間と労力が要る。

自分に合う仕事ってなんだろうか。
60歳近くになっても就職先を探す学生のように考えている。

自分らしい仕事を見つけるには、お金も時間も、労力も必要だ。

56歳のとき、定年後どうしようか、相談した先輩から勧められて、キャリアコンサルタントの資格を取ってみた。
3か月間週に一回スクールに通い、講座を受講し、試験を受けるのに、トータルで40万円ほど払った。

キャリアコンサルタントの仕事は、ハローワークの就職相談をイメージしてもらえるといいと思う。その人の強みや好きなこと、自分でも気が付いていないことを、お互いに話をすることで発見し、その人に合った仕事を見つける手助けをする。
私の場合、まず自分自身を理解したかったから資格を取った。

資格試験の勉強では、キャリアとは何か、どのように形成されるのか、理論や実践を通じて多くを学んだ。
キャリアは長い年月をかけて発達していく、という理論がある。
生涯を通じて、個人が発達しながら職業を選択していく、ということだ。
人生100年とすると、還暦を目前にしても、まだ発達の途中と考えられる。

「Thing Clearly 最新の学術研究から導いた、よりよい人生を送るための思考法」(ロルフ・ドペリ著) を読んでいたら、天職についてこんなふう書かれていた。

「天職を探そうとしないこと。
得意なことや好きなこと、高い評価を得られることを仕事にする。
成功や成果といったアウトプットより、作業や行為そのものといったインプットを重視する。」

充実したセカンドライフを送るための本を見ると、紹介されているのは、転職や起業して成功した人ばかり。本に書かれないような人の方が圧倒的に多いに決まっている。

私もその他大勢の一部だ。
自分自身の理解は、資格を取る前より進んだが、何が好きなのか、何をしたいのか、まだはっきりとしていない。
むしろ、他の人を見る方が、その人の個性や輝く瞬間を見つけやすいと思う。

私が今までやっている接客の仕事は35年以上続いている。
でもこの仕事が本当に好きなのか、天職と言えるのかを考えると、「はい」とは答えられない。
35年の間には、「この仕事が天職かも」と思っていた時期はあった。

それはいわゆる「気持がノッていた」時代で、30代半ばだったと思う。
30代だと業務には慣れており、若手に教えることができる。仕事も任される部分が多くなり、自分のカラーが出せる。
仕事の先読みができ、その先読みが上手くいくと自信ができる。

壁にあたることもあったが、乗り越えるためにやる気が出ていたし、
周りからも認められ、一段レベルが上がった気が、勝手にしていた。

「ノッていた」気持ちは40代以降薄くなっていった。
周りの期待に応えることや、同年代との比較、後輩が私を抜かして管理職になっていくことなどを経験し、しんどく感じるようになった。

いまだに続いているのは、やめるほどの理由が無いからだ。収入も下がったとはいえ、定期的に入っては来る。
気持ち的に疲れたと感じても、休んで気分転換したら苦しさが軽減される程度のものだからだと思う。
会社の福利厚生が良く、仲間に恵まれていることも続いている理由である。

定年以降は、会社員としての恩恵は受けられなくなる。
仲間とはプライベートの付き合いになっていく。

この先の人生は長い。まだ終わった人になるのは早い。
自分にあった仕事、やりがいのある仕事をしたい。

自分の居場所は自分で見つけるしかないのだが、気持ちが前向きになった瞬間に、迷わず行動する。行動して違和感があれば、少し休んでまた動く。
しばらくはこの繰り返しで探していくことになるだろう。


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