いよいよ始まるファイザー製新型コロナワクチン(mRNAワクチン)接種について(2/14まで現在)
この記事を書いてる最中(2/14 17時)に速報として ファイザー製新型コロナワクチンを厚労省が正式に承認したそうです。
このワクチンは3週間間隔で2回接種し、対象は16歳以上だそうです。
さて、本題に入りますが、本日午前中に愛知県の医療関係者向けの研修会で『コロナワクチン オンライン研修会』がありました。
動画のURLについては下記のものなので気になる方は是非見てみてください。医療関係者向けの動画なので難しい内容かと思いがちですが、2人の先生(峰 宗太郎先生、木下喬弘先生)が大変わかりやすく解説してくださっているので、ワクチンを打つのに不安を感じている方は参考にしてみてください。
動画内容について文章でまとめましたので気になる方は下記の記事を是非読んでください。動画だけで十分理解できるものですが、文章を印刷などしたりしてみるとより理解が深まると思います。また動画は約1時間20分の内容なので、時間の無い方は記事を購入して内容を理解した方が早いかもしれません。内容は10分ぐらいあれば十分読める内容なので、時給換算したら大変お得だと思います。
ワクチンの基礎とmRNAについて
ワクチンとは
身体の免疫を反i応させ、病原体の攻撃に備えさせる医薬品。
身体の(獲得)免疫の反応として2つあります
・液性免疫(主にB細胞、抗体)←今回重要
・細胞性免疫(主にT細胞)
新型コロナウイルスの感染
新型コロナウイルスは表面のスパイクたんぱく質と人の気道細胞表面のACE2と結合して取り込まれます。細胞内に侵入したウイルスからはRNAを放出されます。その後RNAの複製、部品の合成を行い、細胞内で組み立てられ完成したウイルスは、細胞外へと放出されます。
ワクチンについて
今回のワクチンはウイルス表面のスパイクたんぱくの一部のmRNA(スパイクたんぱく質の設計図の一部)を打ち、人の体を工場として利用することにより、中和抗体を作らせます。この中和抗体をウイルスに結合し、ウイルスが細胞に感染する機能を邪魔する(中和するという)ことによって細胞への侵入を防ぐ。
※新型コロナの場合における中和抗体は表面のスパイクたんぱく質に結合して、ACE2とくっつく事を邪魔する抗体とわかっている
※mRNAワクチンは体内に投与後数十秒から数十分で取り込み、又は分解されるので染色体に取り込まれる事もない(そもそも人にはmRNA→DNAへ逆転写する酵素がないのでDNAへ組み込まれる事は原理原則としてないと言われている)。
また生ワクチンと異なり、長期的な安全性としても懸念されることもないと言われている。
mRNAワクチンの原理
mRNAワクチンを樹状細胞に取り込ませて、スパイクたんぱく質又はその一部を作らせる。その後スパイクたんぱく質を細胞表面に出したり、一部をMHC分子に抗原をくっつけて提示する。T細胞又はB細胞が認識して中和抗体ができる。
新型コロナワクチンの効果と副反応
新型コロナワクチンの効果
ワクチンを打った人と打っていない人で10日間は発症率は変わらない。10日間の内は打つ前にすでに新型コロナに感染している可能性あり。その後は劇的な差があり、95%の効果あり(90日間での感染者数では全然数が違う)
新型コロナの副反応について
接種部の痛み、だるさ、頭痛、筋肉痛、寒気
※1回目よりも2回目で副反応が出やすい。また高齢者よりも若者が出やすい。
※アナフィラキシーを除く重篤な副作用は報告されていない。アナフィラキシー反応は20~40万人に1人。93%は接種後30分で出ているので、30分は打った場所にとどまり、反応の有無の様子を見た方がよい。
参考:アナフィラキシーの頻度について
ハチ:0.36%
抗生剤:0.01~0.04%
全身麻酔:0.005~0.021%
mRNAワクチン:0.00028~0.00005%
インフル:0.000013%
看護roo!新型コロナワクチンを接種する。副反応は?心配なこと全部専門家にきいてみた
セミナー視聴者からの質問および回答について(順番はバラバラに記載してます)
接種しない事のデメリットについて
感染リスクが高くなる。また感染予防をずっとしないといけないので感染の恐れをずっと持っていないといけない。感染または重症化するのではないかという精神的(心理的)ストレスが続く。特に医療従事者が打つことは大切。ただ、有効性、安全性を理解して打つ事は大切。
新型コロナワクチンのアナフィラキシーについて
新型コロナワクチン(ファイザー製)の成分は1.RNA、2.脂質(PEGを含む)、3.塩類・しょ糖・緩衝剤 の為ワクチンのアレルギーの原因の一つとなるアジュバンド(免疫賦活剤)や保存剤が含まれていないので通常の方であれば起こす可能性は低い。
mRNAワクチンは体内に残る?
mRNAは通常の細胞内プロセスによって急速に分解される(20分ぐらい)(リボソームによって翻訳された直後に分解し、取り除かれる)
動物実験でも10日程度までで機能しなくなることが分かっている。
アジア人にも効くの
臨床試験の結果にて人種間の差異はないので、アジア人にも同じように効果があると予想されている。
妊婦への投与について
キーポイント:妊婦はコロナ感染による重症化リスクが高い。
ワクチン接種による動物実験で危険性は報告されていない。
ファイザー・ビオンテック、モデルナのワクチン接種後に妊娠確認。妊娠合併症についてはプラセボ群でのみ4例あった。
※妊婦にはインフルエンザワクチン、百日咳ワクチンは推奨されている。
授乳について
データはないが、mRNAが授乳に移行する可能性は低い。(体内ですぐに分解されるからだと思います)生ワクチン以外は胎盤がいいフィルターになっているので問題ないと考えられている。
万が一入ったとしても経口からの接種なので問題ない。(経口摂取で翻訳される事は無いためだと思います)
むしろ、ワクチン接種後に抗体ができて、抗体が母乳に移行して感染対策になるのでは。動物実験にて特異的IgGが出来ている。
がん、化学療法又は免疫抑制薬投与中患者への投与について
安全性に関してよりもむしろ免疫力が低下することによってmRNAに対する反応が弱くなっているのでウイルスの突起を作る能力が低下している可能性により効果が薄くなってしまう可能性あり。
心配しているワクチンによる新型コロナウイルス感染についてはmRNAワクチンは突起の一部を作るワクチンなので、ウイルス全体を作るのは不可能。またそれによってうつす問題もない。
変異ウイルスに対してのワクチンについて
実験室レベルで抗体価が下がる傾向。中和能が下がる事は示されているが、効果が極端に下がるようなものは今のところない。
イギリス、アフリカの変異ウイルスに対する中和がある事が確認されている。またメーカーの方も変異ウイルスに対するmRNAの設計を行い、実験レベルでは効果がある事を確認している。今後人での検証が行われる予定。
ワクチンを打ったら感染対策をしなくてもいいのか
感染対策は暫くはしないといけない。ワクチンは100%感染予防するわけではないので。また打つことによって症状が軽くなり無症候性になっている可能性もあり、まだワクチンを打っていない人に対してうつす可能性がある為。
ワクチンを打つ間隔は必ず21日でないといけないのか
基本的にはプロトコール通りに打つことが望ましいが1月の間で打てばいいと考えられている。(12週まで大丈夫と言われているが、そこまで打たなくていいという解釈ではないため)
解熱剤はアセトアミノフェンでないといけないのか
アセトアミノフェンでも他のNSAIDsや消炎鎮痛剤でも大丈夫という解釈。
なぜこんなに早く開発されたか
2002年のSARSの経験やmRNAワクチンの研究が20年前より行われていた為。
動画で今回のワクチンについて関係する内容については以上です。是非参考にしてみてください。
自分の過去の記事も載せておきます。
後、講師の方が関係しているサイトでスライドがまとまっているサイトがありますので、こちらも参考にしてみてください。
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