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行小忠、則大忠之賊也(小忠を行うは、大忠の賊なり) 「韓非子」(十過篇)

小さな忠義立てにこだわると、大きな忠義を失ってしまう
(中略)
トップは臣下の進言を、ろくに吟味もせずに気安く受け入れるようなことをしていると、いつか我が身を滅ぼしかねない。
(右手に「論語」左手に「韓非子」 守屋洋)

高所から判断する

 フォロワー(部下)は良かれと思って様々な進言をします。主体的な意識のもと進言をされると、リーダーは無条件に受け入れたくなる心情が湧いてきます。しかし韓非子は、そのような進言も冷静に吟味するように忠告しています。
 リーダーは上の視座から見渡して、全体最適の観点で、それでも良いと判断するなら受け入れるべき、と言えます。逆にフォロワーは自らが一つ上の視座で見渡し、今やるべきことの最善は何かを考えることが求められています。

みなさんには、自分に対して諌言をしてくれる人は周りにいますか?

私のチームには熱意を持った部下が複数いて、仕事を前に進めるために様々提案をしてくれます。また、上司や組織のの改善点を臆せずに讒言します。これ、とってもありがたいことです!ですが、受け止める側も、相手の真剣さと正しさを見極めて真摯に受け止める覚悟が必要で、実際骨の折れる話です。受け止められたとしても、対応しきれないと、それはそれで落ち込む。そんなリスクを持ちながらちゃんと聴いて、対応する覚悟がやはり必要です。
そのように覚悟を持って対応に取り組むのですから、その人の言っている讒言、進言は局所改善点ではないか、ステークホルダーを広く眺めたときに正しい選択肢か、吟味する必要があります。
全てを無条件に聞き入れる必要は無く、高い視座、公正な判断をすればよい、ということです。

讒言をどれだけ受け止められるキャパが、その人の器なのでしょうね。
このあたりは、出口治明さんの「貞観政要」に持論を展開されています。これはいずれ是非ご紹介したいと思います。


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