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チームビルディング|チーム間のコミュニケーション設計

 こんばんは。中国古典を中心に日々の組織運営、自己成長に役立つ記事を書いています。自分と組織の成長、そしてこのnoteを読んでくださった皆さんのお役に立てるとうれしいです。

 さて今回はチームビルディングについての学びについての記事です。

 私は今、職制上のマネジャー職でありながらもプロダクト開発のリーダー的な役割を受け持っています。
 中国古典の話題では、「君主のあるべき姿」すなわち組織マネジメント、リーダーシップ開発に役立つ内容が多く、記事として書いております。
 一方でプロダクト開発に関しては、君主の元で働く「将軍」といったところでしょうか。その視座に立った書物があるものか、探索中です。

「チーム・ジャーニー」

 今回は「チーム・ジャーニー」(市谷 聡啓|著 翔泳社)を読み進めている中でチーム間コミュニケーションに関する話題を取り上げてみたいと思います。

 本書は、ソフトウェア開発の現場でありそうなケースを具体的なストーリー仕立にして説明、そして要点を解説するスタイルで、やや分厚いですが、現場でありがちなケースが当てはまり、「そうそう、そこなんだよ。」ということが多く大変読みやすいです。私は紙の書籍とKindle両方購入して愛読しています(リンクはKinndle)。

コミュニケーション設計


 さて、私が携わった大抵のプロジェクトは、複数のチームが役割分担して協働して進めています。プロジェクトは、プロジェクトマネジャーが引っ張っていく、典型的な開発スタイルです。
 過去のプロダクト開発を続けている会社ごとの組織形成とコミュニケーションスタイルはある程度標準化されたテンプレートがあり、それに倣い進めていくのが通例です。

 そんな中で私たちもこのチーム間コミュニケーションの難しさを痛感することがあります。

一体何が問題か?

 「情報のレイヤと伝達範囲」問題と、
 「チーム間の情報同期」問題です。

「情報のレイヤと伝達範囲」


「Why情報は全体で共有を徹底」
 チームの構成員が向き合う問いは、「自分は何をする人なのか?」です。それが納得感高く腹に落ちていれば、やるべきこと、コミュニケーションを取るべき相手を見つけて自然に協業し合うことができるのです。
 組織の構成員全員が、自分達はなぜこのプロダクトを開発しているのか、なぜこの役割を受け持っているのか、に関わる情報は広く偏りなく伝達されるべきです。これは躊躇せず、滞留せず全体への発信を迅速に行うべきです。
 現場の人はこの類の情報に飢えています。これは私の実感です。

「How情報は現場レベルで管理。影響範囲が広いものを共有」
 現場で何をやるべきかが分かれば、「どうやるか」に話題が集中します。How情報が全て全体共有されると玉石混合してしまい、大事な意思決定すべき内容が薄くなってしまいます。従って、重要度を現場のリーダーが判断して重要度の高い課題の共有を行います。その判断はチームリーダーが行います。

「チーム間の情報同期」

 組織図を眺めると、ツリー構造になっており、情報のルートは明確に定まっています。非常にシンプルですがこれがそううまくは機能しません。
 それは、日々新たなことが起こる現場や社会情勢の中、階層が多くなるほど情報の伝達には時間がかかり、かつその情報のハブになる人を通るたびにスクリーニングされていきます。

 これは実際にも苦労しますし現場のメンバーからも一番多く聞く不満です。

「課題別リードを立てる」
 つまり、職能別組織のリーダーとは別の「リード」という役割を設定し、チーム間を越境して課題解決を扇動する、そして情報の風穴を開ける役割です。
いわゆる横串的な機能を、チーム構成員に与えます。これは固定メンバーではなく、リードの課題により変更したり、なるべく多くのメンバーに担当させることが有効です。このリードの設定が情報同期の肝だと思いました。

ジョブ型雇用形態では「リード」の役割が大事

 昨今、ジョブ型(職能型)雇用が日本で導入が広がると言われていますが、これは、人に仕事が与えられるこれまでの考え方とは逆で、明確に定義された仕事に適切な人がアサインされる、というロジカルで西洋的な考え方ではありますが、この雇用形態をそのまま額面通りに導入することには疑問を感じています。しかし、そのような雇用形態において、ここで紹介した「リード」の役割、横の風通しをよくする役割は、より重要性が高くなるのではないかと思います。

 組織は一つの生命体と捉えると、情報は血液のようなもの。新鮮な「酸素」は末端の細胞まで遍く行き渡る必要がありますし、重要な体の変調を示すサインの物質はいち早く脳やその他の臓器へ伝達されることが必要です。
 情報共有、会議体の設計と運用、オフラインでの会話も含めオンライン中心の働き方で再構築を迫られる今、改めて今回ご紹介した情報流通を念頭に置いて設計できているか、改めて見直してみようと思います。

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