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みんな「決め手」を求めている

先日は、群馬県を拠点に住宅店舗のデザイン・施工を行っている翼創建さまにて、ビジネスファッションセミナーを行ったのですが、その時のお話をシェアしたいなと思います。

 
翼創建さまは設計施工だけでなく、ドイツの高級食洗機ミーレやバルミューダなどのハイクラス家電も取り扱っておられ、生活全般のクオリティを上げて豊かに暮らそうというコンセプトが特徴。もちろん地域では随一のビジョンとポリシーを持った会社です。今回は社内の方と知り合ったご縁で、スタッフのファッションをブラッシュアップしたいというお考えだった社長のご意向もあり、開催が決まりました。

 
どんな方向で考えていこうか?と思っていた時、
 
 
「カッコいいものを作れる人は、カッコ良くなきゃダメだと思うんです」

 
セミナーに向けたミーティングで社長の語ったこの言葉が、全てのキーになりました。

 
例えば、建築の現場監督の方。
お話を伺うと、大手施工会社の監督はスーツだったりとってもお洒落なんだそうです。そこでちょっと引け目を感じるスタッフさんもいるとか。じゃあ引け目を感じないようにすればいい。

 
こういうのは規模じゃないんです。ポリシーが表現されていることが大事。ウチはいい仕事してるんだから洒落た格好してたっておかしくない!と思うなら体現すればいいんです。でも中々そこまで踏み出せない、という企業が多いんですよね、現状では。

 
というのは、結局現場の方が自主的に動かないと変わらないから。いくら上が「お洒落して行け!」と言っても、言うのは簡単だけどさぁ〜的な空気になってしまう。僕もバイト時代、突然本部から接客のプロ集団みたいな人たちがやって来てデモンストレーションを始めた時、あんたらは今日だけ丁寧にやりゃいいだろうけど俺らは忙しいときも対応してっから!という気分になって、結局その場で話を合わせただけ。悪いバイトの見本のようですが、事実現場の人が本気で取り組もうと思わないと何も変わりません。

 
だから、実際にどれだけ意味があることなのか、どう変われるのかをじっくり時間を掛けてお伝えしたかった。そして、お洒落は趣味じゃなくて仕事の一環なんですよ、と仕事とリンクすることでビジネスパーソンの皆さんに興味を持って頂きたいと考えました。

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当日は営業から現場の方、インテリアコーディネーターの方まで一堂にお集まり頂き、熱心に耳を傾けてくださいました。わたくし大変緊張いたしました、はい。

 
今回、最もお伝えしたかったのは「対外イメージの重要性」でした。

 
もしクオリティの高い仕事をしているのであれば、それが外見にも表れていないと勿体ないんですよ。日本では昔から”襤褸は着てても心は錦”的なスタンスが尊ばれてきていますが、心が錦なら着物も錦にしましょうよ、ということです。

 
どんなジャンルの仕事でも、こちらからお願いする場合はどうしても立場が弱くなります。色々言われた挙句、結局安いところに決まったり価格競争も起きがちです。でも先方からお願いされる場合には、ちょっと姿勢が変わってきますよね。こちらから意見を言いやすかったり、そもそも競合が居ないので価格競争が起きない。

 
そして、顧客側も本当は迷わず「ここがいい!」と依頼できる決め手を求めているのではないかと思うのです。自分も一消費者として考えたとき、どんぐりの背比べなサービスからあれこれ検討して悩むのめんどくさいですもん。そういうのが好きという方も居るでしょうけど。同じような仕事の人が居たとして、見掛けがダサい人とお洒落な人が居たら、ほぼ間違いなくお洒落な方を選びますよね。センスが良さそうな方が信頼できるから。

  
つまり、仕事のクオリティが高くてセンスも良いとなればまさに鬼に金棒。シャアにシャアザク。どんぐりから抜け出せば、必ず依頼は増えます。そのためのツールがファッションであり、目的は顧客の”憧れ”を喚起することなんです。
  

そんな講座で1番盛り上がったのは、即興でのスタイリングコーナー。数名の方の当日のファッションを少しリスタイリングして、印象の違いと「簡単に変われるんですよ」ということをお伝えしたかった。

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やはり座学だけだと「ふーん」という感じになってしまうんですよね。なんとなく分かったけど的な。実際に目の前で変えて見せて、体感してもらってこそ納得度が上がると改めて実感しました。

 
ラストではディスカッションの時間を設けて、テーブル毎にそれぞれの理想のコーデやお互いの印象などを意見交換していただきました。

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やはり個々人にフォーカスすると、要望やお悩みが出てくる出てくる。皆さん心のうちでは「もっとこういう服装にしたい!」とか「今の感じだと地味だけど…」といった思いはあるけど、具体的にどうしたらいいか分からない。だからモヤモヤしたまま時間だけが過ぎていくという感じなのですよね。

 
今回は具体的な事例もいくつかご提案したことで、「これやってみよう!」といった声がたくさん聞かれて僕も嬉しかった。終わってから質問してきてくれた方も居て、専門家に聞いてみたいという需要はあるのかなと感じることが出来ました。

 
後日、セミナー後の様子を伺いましたが、女性を中心に積極的なトライが見られる一方、「お洒落にすることでの効果は分かった。でも本当に仕事に影響するのかな?」という意見も出たとのこと。

 
でもそれは僕も織り込み済みで。
それがリアルな反応ってもんです。スポコンドラマのように、もっと顔を合わせて、膝を付き合わせて話をしなければ。そして、成功体験が積み重なっていけば影響が実感できるはず。

 
そんなスタンスを理解してくださり、今後は顧問スタイリストとして、ファッショナブルな企業へと変わるお手伝いをさせて頂くことになりました。

 
現在では、まだ仕事として・企業として働く人のファッションに投資することは一般的ではないのかも知れません。でも職場でのLGBTだったり働きやすい環境であったり、これまで投資することに関心が薄かった分野も変わってきました。近い将来、ファッションも必ずそうなる。

 
そこに先んじて依頼を頂いたことに感謝しつつ、「ファッションと業績の関係」についての実証をしたいと思っています。

 
顧客は、迷わず選べる決め手を求めています。ファッションはそのための強力なツールになる。今回くらいは真面目に締めさせていただきますね。

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