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[映画]9人の翻訳家 囚われたベストセラーを〜あなたは、この結末を''誤訳''する

前々から気になってた作品を鑑賞。

フランス・ベルギーのスリラー映画。

あらすじ↓


フランスの人里離れた村にある洋館。全世界待望のミステリー小説「デダリュス」完結編の各国同時発売のため、9人の翻訳家が集められた。外部との接触は一切禁止され、日々原稿を翻訳する。しかしある夜、出版社社長の元に「冒頭10ページを流出させた。500万ユーロ支払わなければ全ページが流出する」という脅迫メールが届く―

予想もつかないどんでん返し!

スマホ取り上げられ、ネットも禁止。
毎日原稿を20ページだけもらい、黙々と翻訳をこなしていく。
脅迫メールが届いてからは、出版社の社長が9人の翻訳家の中に犯人がいるのではないかと疑いはじめる。

この物語の冒頭、出版社の社長が誰かに問い詰める場面から始まる。「どうやって、やったんだ。」と社長は問う。この時点で誰かが捕まったということは分かるのだ。

冒頭が終わってから2ヶ月前の出来事に移る。
後から考えると、この冒頭の映像がこんな繋がりになるなんて!と驚かされた。
いわゆるどんでん返し映画。伏線回収映画。

出版社の社長が行う犯人探しだけでなく、9人の翻訳家達の中に誰か犯人かもしれない、という仲間を疑い始めてしまう心理描写や、地下に隔離されて精神状態がおかしくなってしまう人を見ると、なんともいえないスリリングを味わうことができる。

地下室という密室の空間で一体どのような手口で物語を流出させたのか、、、というところに目がいきがちだが、これは最終的に犯人探しが重要ではなく、犯人探しをしめいる段階でとんでもないことが露わになっていき、予想外な展開へと進んでいく。

個人的に山荘や民宿とか閉鎖された空間で起こるミステリーものが昔から好き。犬神家の一族とかのああいう遺産争いとかも。

序盤は少し退屈な印象だが、後半から一気に捲し立ててくる。多言語での会話シーンが特に面白かった。あの飛び交う感じ。

終盤、「ロシア人」が「スペイン語」を「中国語」に訳す。というシーンが出てくるが、ここがアクション並みに映える。スゲー良い。

あとは結構、過去・未来・今と時系列が頻度高く変わっていくので、しっかり見てないと置いていかれるので注意が必要。


ミステリー小説によってミステリーが繰り広げられていく。観客の想像を掻き立ててくれる上質なミステリー映画だったと思った。

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