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女の恋は上書き保存、男の恋は名前を付けて保存 42

 店は週末で案外混んでいて、予約客以外は断っているようだった、テーブルに案内されると、由香は早速お目当てのラザニアと、その他数品を注文した、理佐が、何か飲むときくと、少し考えて、
「ジャンジャーエールでいいわ」というとメニューを閉じる。
理佐は折角だしと思い、スパークリングワインを注文する。
飲み物が揃うと、理佐は由香へ向かって、お疲れ様、いろいろありがとうねと言って乾杯した。
しばらくすると、前菜が運ばれてくる、給仕の女の子がそれをテーブルに置くと、理佐が取り分けようとする、するとすかさず由香が
「ちょっと待って!」というなり、スマホでその前菜の写真を取り出す。
理佐は少しあきれながら、またこれをインスタか何かに上げるの?と聞く、
「だって、きれいでおいしそうだし、ここはめったにこれないしね・・・・・」
ここは客層が若干高いので、そうでもないが、もっと客層が若い所はみんなこんな感じなのかもしれない。
理佐がスパークリングワインから、白ワインに変えたところで、由香のお目当てのラザニアが来た、由香は顔を綻ばせながら、またスマホで写真を撮る。
 


出来立てで、まだ熱くて少しずつしか、ほうばれないのか由香は、フォークで少しづつつまむようにして食べる。
 「ほんと、おいしいぁあ、中のミートソースが絶妙だわ・・・」とうれしそうに言う。
 理佐は娘の顔を見ながら、よかったねと一言添える。
 「ほら、私が上げた写真、もう20個もいいね、がついてるわ。」由香は嬉しそうに自分のスマホを、理佐へと見せる。
 理佐は、あまり興味ないわというと、ワイングラスに手を伸ばした。
 デザートが出て、飲み物のリクエストを聞かれる、理佐はコーヒーを注文する、その時バックに入れておいた、理佐の携帯が振動する、母親の事があるので、あわてて取り出して画面を見ると、メッセージアプリが、優弥からのメッセージを知らせていた。
理佐は少し驚く様に画面を見る、由香が理佐をちらっとみて、誰か、から?と尋ねる。
 

理佐は、広告だったわと、平常を装って娘に答える。由香はなにも言わずに、そう とだけ返事した。
コーヒーを飲み終えると、由香に少しメイクを直してくるわ、と告げて、パウダールームへいく、ドアを開けて、鏡の前に立つと、ほんの数か月前、優弥とここへ来た記憶が蘇った、そういえば、あのときも、同じようにここへメイクを直し来たことを思い出した。


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今宵も、最後までお読みいただきありがとうございました。


物語は、まだ続きます・・・・

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