PO2年目の私が「マネーフォワード 開業届」をリリースするまで
こんにちは!マネーフォワードで「マネーフォワード 開業届」と「マネーフォワード 会社設立」のプロダクトオーナー(PO)を務めている平野です。
2017年にマネーフォワードに新卒入社し、社会人5年目になりました。
社会人3年目で、営業から「マネーフォワード 会社設立」のプロダクトオーナーにキャリアチェンジ。
マネーフォワード 会社設立:フォームに沿って入力を進めるだけで会社設立に必要な書類が作成できるサービス
社会人4年目では、これまでの業務と並行して、新規プロダクトの立ち上げを行い、昨年12月に「マネーフォワード 開業届」をリリースしました。
今回は、なぜ会社設立サービスを担当していた私が新規サービスを立ち上げたのか、プロジェクトの背景やリリースまでの困難を振り返りつつ、皆さんにも共有できればと思い、noteを書くことにしました。
4年目までのマネーフォワードでの経験、営業からプロダクトオーナーへのキャリアチェンジの話はこちらのnoteをぜひ読んでみてください!
昨年末にリリースした「マネーフォワード 開業届」とは
個人事業主の開業手続きに必要な書類を、web上で作成できるサービスです。フォームに沿って入力を進めるだけで、自身が提出すべき書類の作成や提出場所の確認ができるため、迷わず手続きを進めることができます。
プロジェクトが始まった最初のきっかけは、ユーザーの声だった
リリースからさかのぼること半年、自分が担当している「マネーフォワード 会社設立」の設立数をどのように伸ばすのかを毎日考えていました。
当時、登録直後に離脱してしまうユーザーが約2~3割ほどいるのが課題でした。その原因を探るためにユーザーに電話でヒアリングをしたところ、法人の設立ではなく、個人事業主の開業手続きをするために、間違えて登録してしまうユーザーが多いということに気づきました。
また、Zendeskの問い合わせ履歴を確認すると、「マネーフォワード クラウド確定申告」のユーザーからは開業に関する相談が沢山寄せられていることがわかりました。
新規サービスの立ち上げを決意するまで
このときは、まだ「自分がプロダクトを作るぞ!」という思いより、「なぜニーズがありそうなのにまだやっていないんだろう。」という疑問を感じていたくらいでした。
まずは、マネーフォワードの執行役員でマネーフォワードビジネスカンパニーのCSOでもある山田さんに、Slackのオープンチャンネルでその疑問を投げかけてみました。
そして返ってきたのが「費用対効果があうならやるのありですね!」の一言でした。
(改めて思い返すと、ここで無邪気に質問して本当によかったと感じます。マネーフォワードが意見の言いやすい文化のある会社でよかった!)
そして、色々調べた結果…
副業ブームもあって、開業関連の検索数も増加傾向。毎年1月~3月ごろに山ができていることがわかりました。
また、マネーフォワードが開業届サービスを提供できれば、マネーフォワード クラウド確定申告へのクロスセルによるビジネス的なインパクトも大きいことが試算できました。
そして「1月までに開業届の作成が最も簡単にできるサービスをリリースしよう!私がやってやる!!」と決意が固まったのが2020年7月末でした。
年内リリースに向けて社内を巻き込み人を集める
社内に提案するにあたり、まずは以下の3つを整理し、企画書を作成しました。
1. 3C(顧客・自社・競合)
2. プロジェクトの目的(ユーザーのペインをどのように解決するのか)
3. 妥当性(既存事業との親和性とビジネスインパクト)
この企画書をもとに、まずは私が所属するマーケティング部の部長陣と「サービスを作りたい」「開業届のニーズが高まる前にリリースできればベスト」という認識のすり合わせをしました。
その後、年内にリリースするというゴールに向けて、CTOにエンジニアのアサイン、CSOに開発優先順位、デザイン部の部長にデザイナーのアサインについてそれぞれ相談しにいきました。
企画書を作成してから、プロジェクトメンバーが決まるまで、大体1ヶ月くらいのスピード感でした。
プロジェクトを進める上での困難をどう解決したか
このように書くと、いかにも簡単にプロジェクトが進んだかのようにみえてしまうのですが、企画からリリースまでに私がぶち当たった困難とどうやって乗り越えたのかをお伝えできればと思います。
課題1. 人がいない
当たり前ですが、プロダクト開発に必要なのは、エンジニアとデザイナーです。
社内には沢山の優秀な方がいるのですが、急にやりたい!と声を上げ、もちろん会社の事業計画にも乗っていないプロジェクトだったので、社内にアサインできる人いないという状況でした。
どう解決したか
誰のどのような課題を解決するのか、ユーザーや自社にどのようなメリットをもたらすのかを整理して意志をもって発信をしました。そうしたら、社内・社外の多くの方に協力してもらうことができました。
デザイナーは、外部の方に業務委託として協力してもらうことになり、エンジニアは、マネーフォワード ベトナムで別プロジェクトへアサイン予定だったメンバーを調整してもらえることになりました。
ちなみに別プロジェクトについては、CTOの中出さんが「来月までに採用するから大丈夫!なんとかする。都築さん(マネーフォワードベトナムのCEO)が。」といってくださり半ば無理やり調整をしてもらいました(笑)
課題2. プロダクトづくりがわからない
手を挙げたはいいものの、サービスの0→1は初めての経験で、なにから手をつけたらいいのか、なにを考慮しないといけないのかさっぱりわからない状況でした。
どう解決したか
とにかく社内で知見を持っている人を頼りました。
当時マネーフォワードでは、マネーフォワード クラウド契約、マネーフォワード クラウド債権請求など新規サービスの企画が立ち上がるタイミングで、幸いにも立ち上げを間近でやっている人が多くいたので、別のプロダクトに携わるたくさんの方に仕様の壁打ちをさせていただきました。
また、社内輪読会に参加し、サービスづくりに関する知識をインプットをすることで、徐々に開発の解像度を上げることができました。
課題3. ベトナム⇔日本の距離・言語・文化の壁
開発チームはベトナムにあり、コロナの影響で渡航もできず、フルリモートでの開発となりました。年内リリースというタイトなスケジュールの中、意思疎通しながらワンチームでやりきれるのか最初は不安でした。
どう解決したか
常に、日本語で共有しているのと同じ粒度でプロダクトの意義・決定事項の背景などを伝えるように意識しました。
また、「少しでも懸念点がうまれたり、スケジュールに遅延がありそうだったらすぐに教えてほしい」ということを伝え、毎週のミーティングで進捗をすり合わせました。
そして迎えたリリース日
プロダクトのリリースは12月24日、クリスマスイブの14時でした。
直前までテストを重ね、無事リリースすることができました。
ベトナムのエンジニアチームと、途中からPMとして加わってくれた夏原さん
現在、リリースから4ヶ月経ちましたが、ユーザー数は5000を越え、多くの方にご活用いただいています!
SNSでも「便利すぎて感動した!」「10分で作成できた。とても簡単だった!」といった嬉しい反応をたくさんいただきました。
プロダクトを通してユーザーに感動を届けているという実感を得られることは、今回のプロジェクトで感じた一番のやりがいです。
常にユーザーフォーカスの視点でアドバイスをくださったデザイナーのみなさん、高い要求についてきてくれたベトナムチーム、開発の壁打ちをさせてくれたPO・PMのみなさん、監修いただいた税理士であり5分でわかるバックオフィスでもおなじみの高橋先生。
企画から半年のスピードでリリースできたのは、関わってくださったみなさんのおかげだと感じています。本当にありがとうございました。
今後どうしていきたいか
わたしのマネーフォワードでのミッションは、開業・設立の煩雑な手続きの効率化はもちろんのこと、事業の成功確率を上げられるような支援をし、5年後、10年後の日本を創る会社を増やすことだと考えています。
ユーザーフォーカスなサービス改善を重ね、個人・法人のさまざま事業のフェーズに寄り添いながら、「マネーフォワードに任せておけば大丈夫」という世界をつくっていきます💪
最後に、マネーフォワードでは「マネーフォワード 会社設立」「マネーフォワード 開業届」のグロースを一緒に担う仲間を募集しています!
興味を持っていただけたら是非一度カジュアルに話しましょう!
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