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日記(2020年4月9日晴れ)

今日は始業式だ。

昨日は早く休んだので今朝は4時前に起きた。
生徒向けに新型コロナウイルス感染症に関する具体的な対応方法のお知らせをまとめたり、家事をしたり。
一段落ついて手帳を見たら、今日は児童相談所にお子の洋服・靴を持って行くことになっていたことを思い出した。

2月下旬にお子を児童相談所に預かっていただいたときから、私の母から「お子の洋服を持って行きなさい。はじめての場所ではじめての環境で、いつもと同じ服くらい着させてやりなさい。」と何度も言われていた。

私はそのときお子のことを何にも考えられなくて、母の言う通りにはしなかった。もちろん母の言うことが正しいことは分かっていたし、お子のことを考えたらそうした方がいいことも分かっていた。直接伝えても行動しない私に対し、母は児童相談所やおやこの森を経由して何度か私に同じことを伝えた。それでも私はできなかった。

3月末にお子の入所先が決まり、児童相談所から「お子様のお洋服と靴をお持ちください。」と伝えられた。3月中旬を過ぎてようやく少し気持ちに余裕が出て来ていたというか、ようやく通常の精神状態に戻りつつあった私は素直にそうしようと思えた。

何でも後回しにしがちな性格の私は、今朝になってようやく今日洋服と靴を持って行くことになっていたことを思い出したわけだ。今やらないと時間がないからすぐに行動した。

大きめの紙袋を準備し、お子の衣装ケースの前に座る。今は春だからトレーナーはいらないかな、と薄手の長袖から選んでいく。

これはもう小さくなっているかな、お子はまた体が大きくなっただろうか。この服はお子のお気に入りだったな。これを一緒に愛宕町の西松屋に買いに行ったな。これはお子の誕生日にあの方からいただいた服だな。お子はアナ雪が大好きだったな。…

涙がぼろぼろこぼれた。具体的な気持ちは書かないけれど、ただ涙がぼろぼろとこぼれた。

これが今でよかったと思った。
2月下旬にどうしても洋服を持って行くことを考えられなかった理由も分かった。一方で母の気持ちも分かった。
お子の気持ちと、お子と私の2人のことを思った。

涙がたくさんこぼれて、だけど私には今日行く場所が会って、私を必要としてくださる人たちがいて、なんてありがたいんだろうと思った。

書いてみて今感じていることは、こうやって少しずつ時間をかけて、お子と私の答えを見つけていくのかなということ。その形がどんなものになるのか、考えても分からない。一つずつ、少しずつ、分かっていくことだ。どんな結果になってもきっと大丈夫だ。お子も、私も。

今日も朝陽が差す。一日が始まる。

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