記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
見出し画像

仕事の引き継ぎを考える~『鬼滅の刃』ネタを題材に~

 2021年6月13日の日経新聞で”「祭典のプロ」不在、五輪でも 教訓引き継がぬ悪弊の記事が出ました。国際団体との綱引き、費用の膨張、非合理な組織体制などの課題は過去に日本で開いた国際大会と共通するが、長期戦略を欠き、運営のプロを育てず、教訓を引き継がない悪弊が五輪で再び露呈したとの記事内容です。

 とても残念な事実を報じた日経新聞の記事ですが、この記事内容からの気付きも多いと感じております。組織で仕事をしていれば誰でも経験する引き継ぎ。「サラリーマンは引き継ぎが大切」とよく聞きますが、どのような環境でもたくましく、そして無難に立ち回ることが、サラリーマンの出世に大切なものと、今までは考えていました。

 冒頭の日経新聞の記事にまつわり、先輩診断士とのやり取りから得られた気付き、そして気付きの内容が今話題の『鬼滅の刃』にも通じるところがあると考え記事にしました。なお後半の『鬼滅の刃』のお話はネタバレ要素も含まれますので、予めご了承ください。

先輩診断士とのやり取り

 私(稲垣)は栃木県中小企業診断士協会に所属する診断士。2021年6月13日の日経新聞で”「祭典のプロ」不在、五輪でも 教訓引き継がぬ悪弊”の記事をもとに、尊敬する大先輩の診断士と次のやり取りをしました。

先輩診断士:企業も、団体も、行政も引き継ぎが出来ていないところが多い。できているのは昔ながらの家族経営の会社とか、一部のしっかりした大企業だけですね。

稲垣:はい。どのような環境でもたくましく、そして無難に立ち回ることが、サラリーマンの出世に大切。むしろ引き継ぎが無い組織文化でも、そつなく立ち回りができる人材が賞賛される部分もあるのではと感じます。(個人的には要領だけ良いサラリーマンが出世するのが面白くないなぁ。)

先輩診断士:そつなく立ち回ることも大切ですよね。でも、もっと今私達に必要なことは、一つの高みに進む突破力ではないでしょうか。これまでになかった斬新な構想、デザイン、企画などの力が求められるところですが、一方で過去の有用な引継資産を最大限最大の効果を生むように働かなければならないでしょうね。だから教訓や有用な広い意味の知的資産もきちんと代々引き継いでいかなければならないのではと思います。

稲垣:なるほど。一つの高みに進む突破力を得るために、先輩から後輩に脈々と引き継いで行くのですね!

先輩診断士:はい。社会システムも物理の原理と同じように永い世代を超えて引き継がれるべき「核」のようなものがあるだろうし、それらは代々繋いでいかれるべきものだろうと思いますね。

 サラリーマンをやっていくうえで関係者を巻き込んだチームワークも大切ですが、最後は、会社や社会を良くしたいと思う“個人の強い想い”が大きな変化を起こすと改めて考えさせれました。この個人の強い想いが「核」を構成し、DNAとして脈々と引き継がれていく。この意味でも引き継ぎは大切ですね。これからも自分事として、将来の引き継ぎまで考え、今の仕事をしていきたいと今では感じています。

 ちなみに余談ですが、この先輩診断士とは栃木県中小企業診断士協会の前会長 仲山親雄先生です。拙稿 ”勉強会・研究会 ~栃木と東京の比較~” でも紹介しましたが、栃木県の魅力は、コミュニティの数・規模が東京都と比べ小さい分、人的つながりが強く、いわば大御所の先生とも距離が近いところだと感じています。

『鬼滅の刃』にも通じるお話

 この先輩診断士とのやり取りの中、なかなか切り出せなかったのが、『鬼滅の刃』にも通じること。いくら距離が近いからと言って、大御所の先生相手に、”先生のアドバイス、漫画に通じるのでは⁉” と切り出すには抵抗がありました。とはいえ、”自分のために記事を書きたい”との思いから、『鬼滅の刃』にも通じるお話を紹介します。以下のお話はネタバレ要素も含まれますので、ご了承ください。

 時は大正時代。ほぼ不死身の身体を得た鬼達と、鬼を討伐するための組織、鬼殺隊との戦いを描いた物語が『鬼滅の刃』です。永遠を夢見る鬼達に対して、生身の人間だが”鬼を倒す”という強い意志を持った鬼殺隊の隊士達が、後輩達に想いを繋げながら戦う姿が共感を呼び、映画でも漫画でも大ヒットの原因の一つになっていると踏んでいます。

 私の好きな話は第137話「不滅」。鬼殺隊当主の産屋敷(うぶやしき)が、鬼の親玉である鬼舞辻(きぶつじ)と対峙後、産屋敷が自らを囮に鬼殺隊の最高戦力”柱(はしら)”達を集結し、鬼殺隊と鬼との戦いのクライマックス(第138話「急転」)につながる、物語全体の起承転結の”転”の部分です。(コミックでは『鬼滅の刃 第16巻』に収録されてます。)

 特に好きなのは、産屋敷と鬼舞辻の対峙するシーン。永遠・不滅を夢見る鬼舞辻を見透かしたように、産屋敷は 人の想いと繋がりが不死身の身体に勝ること を諭すところが印象的でした。

画像3

 この「人の想い」が永遠であり、永い世代を超えて引き継がれるべき「核」のようなもの。これは仕事でも同じことが言え、先人たちの仕事に対する強い想いを引き継ぐことが大切だと、改めて考えさせられます。

当記事のまとめ

 以上、2021年6月13日の日経新聞記事”「祭典のプロ」不在、五輪でも 教訓引き継がぬ悪弊”を皮切りに、サラリーマンの引き継ぎについて考察。先輩診断士の言葉をヒントに、”引き継ぎの大切さ”を再認識し、更には『鬼滅の刃』の話まで繋げてきました。

 逆に読み解くと、『鬼滅の刃』が多くの人に受け入れられているのは、永い世代を超えて引き継がれるべき「人の想い」が共感を得ているのも一つの要因かと。反面、運営のプロを育てず、教訓を引き継がない悪弊が五輪に現れているというのは憂うべき現実かもしれませんね。現実を憂うだけではなく、まずは自分のできることから。この意味でも目の前の仕事の引き継ぎは大切で、将来の引き継ぎまで考え、今の仕事をしていきたいと感じています。

<以上となります。最後まで読んで頂き、ありがとうございました。>

この記事が参加している募集

私の推しキャラ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?