ヒロポン(ふじしま)

もちが好物/一揆の星(弘前市:劇作・演出)/空間シアターアクセプ(青森市:役者・劇作・…

ヒロポン(ふじしま)

もちが好物/一揆の星(弘前市:劇作・演出)/空間シアターアクセプ(青森市:役者・劇作・スタッフ)/実験千号(東京:劇作)

最近の記事

少子高齢化と危機感覚(陸奥新報「日々想」連載2回目)

 少子高齢化。ここ数年ようやく(建前上は)国の喫緊の課題として話題になってきた感がある(相変わらず政策は頓珍漢だが)。しかし、人生の大半を過疎地域で過ごしてきた人間としては「今更か。25年くらい遅いな」というのが率直な思いだ。  私が東京にいて驚いたのは、「少子高齢化」という現象に対する人々の危機感があまりに薄いことだった。実際、東京都および首都圏は2023年現在、ほぼ一人勝ちの状態で人口を維持している(外国人含む人口)。だから実感が沸かない、というのがあるのだろう(参考:

    • わたしと言葉と、心(陸奥新報「日々想」連載1回目)

       一人称のなんと多いことか。  私、ワ、おら、自分、僕、俺・・・先日「ウチ」と言う女子高生を見かけた。弘前近辺の日本語の会話で聞くのは大体こんな所か。ワイ、と言う友人がいた。むつ出身の大室君。元気にしているだろうか。おいどん、ワシ、吾輩などは使った試しがない(いや、ふざけて使った事は…ある)。  英語だと「I」で済みそうなそれらを、人々は巧みに使い分ける。とりわけ方言と標準語の混在する場での使い分けは微細である。この土地の人々の言語感覚の複雑さに私はいつも感心する。かく言

      • トーキョー観察記(2)雑踏と楽しさの、絶妙な関係

         東京に来て、私は街を歩いてばかりいた。歩くことは単純に楽しかった。歩行は血行を良くし、思考を円滑にする。大体ラジオか、長めのポッドキャストを聴きながら歩いた。  街を歩けば、変わりゆく風景をゆっくりと眺めることが出来る。気が向いたときに立ち止まって、街の細部を眺め、気になった店をのぞいたりする。見どころの少ない住宅街では、思索にふける。こういう時に良いアイデアが浮かんだりする。街歩きには、複数の本を同時に、あちらこちらへつまみ読みするような楽しさがあった。疲れたらどこかの

        • トーキョー観察記(1)「にぎやかな街」との出会い

           2018年春から2021年夏までの3年ちょっと、東京で暮らしていました。秋田、青森で人生のほとんどを過ごしてきた29歳の私が出会った「東京」について、感覚が薄れないうちに、つれづれ書き留めます。散歩感覚、思いの向くまま、気軽に書きます。  * * * * * * * * * * * * * * * *  田舎者が東京に来てまず思う事は、とにかく人が多い、という事である。  いや、田舎にだって人はいるのだ。私が上京前まで10年を過ごした青森県弘前市も、2018年時点で1

        少子高齢化と危機感覚(陸奥新報「日々想」連載2回目)

          これまでの活動・これからの活動

          わたしについてな ま え:藤島 和弘(ふじしま かずひろ) おもに青森県の津軽地方で、お芝居を書いたり演じたりしている人です。 青森県外で活動したりもします。 あ だ な:ヒロポン 生年月日:1989年 1月14日 出  身:秋田県北秋田市(旧鷹巣町) おすまい:青森県弘前市(岩木地区) メルアド:sudako.sun.taro@gmail.com 略  歴: 2004年 秋田県立能代高校で演劇をはじめる。 2007年 進学で青森県弘前市へ。弘前大学の演劇サークル

          これまでの活動・これからの活動

          重い荷物を捨てて ~ 肩の荷を下ろした名盤5選

           たとえば、引越し作業を済ませる。がらんどうになった部屋を見つめると、不思議な気持ちがやってくる。この部屋に初めて来た頃のこと。今よりもう少し若かった自分。当時聴いていた音楽。この部屋で考えたり迷ったりして過ごした日々のこと。人生の特別なタイミングでだけ訪れる、独特の感情。孤独な、でも気持ちの良い切り替えの時間。  音楽アルバムにも、そうした不思議な空気が封入されている名盤がある。ふと肩の荷を下ろしたような、そんなアルバム。実際にキャリアの過渡期やバンドの解散前後なんかに作ら

          重い荷物を捨てて ~ 肩の荷を下ろした名盤5選