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【じーじは見た!】後編:岸田さんの新しい資本主義実現会議はどこへ行く?
心はZ世代! 身体は還暦過ぎた昭和人! Z世代応援団のじーじです⁉️
岸田さん肝煎りの「新しい資本主義実現会議」は、これまで20回開催されてきました。そしてターゲットは労働市場改革の具体化に入っており「三位一体労働市場改革分科会」が始まっています。
骨太の方針の第2章「新しい資本主義の加速」でも最初に書かれているのが【三位一体の労働市場改革による構造的賃上げの実現と「人への投資」の強 化、分厚い中間層の形成】です。
今回はその三位一体労働市場改革に注目して、分科会の第1回会合資料を確認しています。
本編は後編です。前編から読んでいただけると嬉しいです。
✅リクルートの宇佐川委員のご意見より
流石にリクルートは転職市場をよくご存知なので、次のような問題意識を述べられています。
求職者が仕事探しで困ることの上位は「自分にどのような仕事が合うかわらかない」 これは、多くの求職者が自分の培ってきた経験を棚卸できていないことを示す。
宇佐川さんが指摘されているように日本の労働者は終身雇用が原則なので、自分の経験や能力を言語化する必要はなく会社に委ねておけばよかったのです。そのため能力を棚卸する術は発達してこなかったのですね。
企業内の序列管理として、労働者の知識や潜在能力を含む人に紐づく抽象的な能力の高さ(≒ 企業内部における相対的価値)で格付けされ、経験やポテンシャルという曖昧な基準に基づく。給与水準は、年功的な運用となる。結果として、「評価や給与水準」と「成果やスキル」との紐づけが困難となり、外部労働市場に出ると、上記課題が発生す ると解釈。
要するに「ムラ」の中でのその人の印象や口の上手さ、忖度・斟酌能力が重宝されて「成果とスキル・能力との因果関係」をあまり日本企業は重視してこなかったのです。
会社を辞めると「損」をする雇用構造でしたので、会社の評価に納得できなくても労働者側にはどうしようもなかったわけです。
そのため、世界一自己啓発しない、会社ルールへの適応と協調力を磨いて長時間働く社会構造になっていました。
ここの変革(経験やスキル・能力を可視化)をしない限り雇用の流動化は進みません。
比較的職務標準化が進んでいるIT領域ですら、日本の場合は、雇用側と求職者との間で上手くマッチングできないと言われています。
✅日立の中畑委員のご意見より
中畑委員の資料からいくつか抜粋してみましょう。
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日本国内のお客さんしか相手しないのではなく、拡大する海外マーケットを取りに行こうと思ったら「日本人・男性正社員中心で同質な集団」では通用しないので「主体的で多様な集団」に変化しなければならないので日立の変革を進めてきたと説明されています。
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日立は「職能給」から「職務給」への転換を図って社員のリスキリングと経験・スキル・能力の可視化に取り組まれてきたようです。
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「職務」の見える化(ジョブディスクリプション)
「人財」の見える化(経験・スキル・能力の言語化と共有)
「双方向のコミュニケーション」
これが日立の三位一体改革のようですよ。いくつか資料を抜粋しましょう。
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16万の職務を定義
![](https://assets.st-note.com/img/1683938132268-7KxvGhXGRE.png?width=800)
職務記述の例
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16万の職務を定義するってどうですか?
御社ではやれますか?
経営者が聞きかじりで下向いて「ジョブディスクリプション、やっとけー」と言ってできるようなものじゃないですよ。
これを創ったからといっても日立の業績が明日から見違えるように良くなったり、急に売り上げが伸びたり、収益が改善したりはしません。コストだけが増える未来への種まきです。
つまり、経営者自身のオーナーシップとリーダーシップなくしてやれるような仕事ではないのです。
こういった仕事を「人への投資」と位置付けてやりきる会社は、未来への種まきができる会社なのだとじーじは思います。日立は凄い!
✅富士通の平松委員のご意見より
日立もそうですが、富士通も日本企業としてジョブ型雇用にチャレンジするファーストペンギンです。
ただ、それを個社個別最適であってはいけないと考えておられて、日本全体がそう変わっていかないと意味がないと思われています。
平松委員の話の中にもジョブディスクリプションによる職務の見える化の話は出てきます。
ジョブディスクリプションで表記すべき項目であるとかを日本全体で標準化できれば、働く人にとっては大きなメリットになると考えておられます。
さあ、そうなると政治の出番です。
こういった委員会にでてきて個社の成果を惜しげもなく共有されている企業は、日本全体の最適化を望んでおられるのでしょうね?
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富士通さんは「ジョブベースの人材マネジメントへのフルモデルチェンジ」がキーワードのようです。
それまでの職位中心から職務中心のマネジメントに富士通のチャレンジが始まっています。
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中畑さんの日立も平松さんの富士通にも言える共通項は、働いている人が主体的に自分のキャリアを考えていく「主体性」がキーワードになると思います。
その主体性を引き出すために富士通のような日本を代表するITメーカーは、組織の紹介ページやポスティングシステムといったことを始めており、キャリアコーディネータと呼ばれる専門家の設置などを通して社員の意識変革に取り組んでおられます。
さあ、こういった方々の意見を参考に日本の雇用慣行が変革していくのでしょうか?
三位一体労働市場改革分科会の今後の進展に注目していきたいと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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