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財務諸表が苦手な方へ(図形でわかる決算書)

ご無沙汰しております。
皆様いかがお過ごしでしょうか。
うなるような暑さが続いていて、日中歩いているとアイスクリームのように身体が溶けてしまいそうな気分になりますね。。

そんな中、私は、最近経営者向けに税務顧問以外にもご支援がしたいと思い、セミナーに通って勉強をしている毎日です。

ところで、こんな図をご存じでしょうか?

いきなりこの図を見せられてピンとこないと思いますが、こちら経営(特に中小企業)をするのに非常に有力なツールとなっております。
元をたどると西順一郎先生が作られたSTRAC図(損益計算書を図形にしたようなもの)が原型となっているものです。
簡単に解説していきたいと思います!

【解説】

売上


→こちらはシンプルに売上です。
特に説明不要なのでこちらはとばします。

変動費


【変動費】とは、読んで字のごとく、売上高と連動して、増えたり減ったり変動する費用のことです。つまり、売上高が2倍になれば【変動費】も2倍、逆に半分になれば半分になる費用です。
アパレルを例にとってみると、Tシャツのボディを仕入れて色々加工などして販売するとします。そのボディ代や加工代は売上に連動しますので、変動費になります。
タクシーの運転手さんなら走行距離によって運賃が変わります。
タクシーが走るのに必要なのはガソリン代です。
そうすると、タクシーの運転手さんにとっての変動費はガソリン代になります。
つまり、【変動費】は業種によって変わってくるものとなります。
●まとめ
・変動費は売上に連動して増える費用のことをいう
・変動費は業種によって異なる。

【粗利】


売上高から変動費を差し引いた残りを【粗利】といいます。
売上100から変動費20を引くと80です。この【粗利】は、売上以上に重要な数値です。
売上として入ってくるお金のうち、変動費分はヨソに素通りして出て行ってしまいます。だから、実質的に会社に入る収入は、売上高ではなく【粗利】なんです。
世の中には過剰に売上を重視する人達がいます。売上至上主義なんて呼ばれたりしますね。
最近のBIGモーターなんかがよい(悪い?)例。https://yotemira.tnc.co.jp/news/articles/NID2023072018412

売上至上主義に陥ると、値引きをしてでも売上を作ろうとすることがあります。そうすると、売上自体は増えているのに、変動費は変わらないので粗利は結局大して残ってなかったなんてことがあります。
徹底した経営数字の管理で上場を果たした、北の達人コーポレーション代表取締役社長の木下勝寿さんも著書で「売上OSでなく利益OSにならなければいけない」と記されております。


ちなみに、売上高に対する【粗利】の割合のことを【粗利率】といいます。
通常、コンサルタントや歯科医院、美容院などのようにサービスを提供する業種の場合、70~90%と高めの【粗利率】になり、商品を仕入れてそれを販売する小売業の場合、20~50%、卸売り業の場合、20%以下と低くなります。
物を仕入れたり加工したりすると、変動費が増えるので粗利が減るイメージですね。逆に、弁護士やコンサルタントなどPCと知識さえあれば出来るような仕事は粗利率が高くなります。

●まとめ
・粗利は売上以上に大事
・粗利率は業種によって異なる。
・売上OS<粗利OS

次に、粗利を2つに分解します。
固定費と利益です。

【固定費】


ここでは【固定費】70とします。
【固定費】は、先ほど説明した変動費と反対の性質の費用と考えてください。つまり、売上高が増えても減っても、基本的に変わらず固定なので、【固定費】といいます。
固定費は大きく2つに分けられます。
【人件費】と【その他の固定費】の2つです。
ここでいう【人件費】には、従業員の給与や賞与の他にも、社会保険などの法定福利費や福利厚生費なども入ります。つまり、従業員に関わる費用全般が入るイメージです。社長の役員報酬も含めて考えます。
そうすると、多くの場合、固定費の半分程度は【人件費】になるでしょう。
【その他の固定費】には、家賃や水道光熱費とか事務用品費、保険料、交際費などいろいろあります。
変動費以外の費用はすべて【固定費】と考えます(かなりざっくりした分け方ですが、このくらいで全然大丈夫です。)
ここでは【人件費】を40とします。

●まとめ
・固定費は「人件費」と「その他固定費」に分解できる。
・人件費には従業員の給与や賞与のほか、社会保険料などの法定福利費も入る。
・人件費には社長の役員報酬なども含まれる。
・その他固定費は変動費と人件費以外の費用が入る。

利益

粗利から固定費を引いたものを、一般に【利益】といっています。粗利80から固定費70を引くと、【利益】は10です。
ここから更に税金が引かれて税引後利益が算出されます。

さいごに


ざっくりお金のブロックパズルについて説明していきました。
最後まで読んで頂きありがとうございました。

参考URL

お金のブロックパズルとは?たった1枚の図で会社のお金の流れはすべてわかる!/和仁達也先生
https://jcfca.com/media/kiziitiran/692.html/

参考書籍


先生の書籍が気になる方はこちらご参照下さい!
https://www.amazon.co.jp/%E5%92%8C%E4%BB%81-%E9%81%94%E4%B9%9F/e/B0043EF1B2/ref=aufs_dp_fta_an_dsk

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