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円安と財政赤字、高齢者に迫る不都合な真実



為替の予測ほど当たらないものはないと思う。毎年年始に某経済誌に載る、様々な経済予測を見るのだが、為替予測の外れ方は結構ひどい。例えば今年について言えば、予測している金融関係のプロの殆どが2024年末のレートを
130円代前半としている。今や150円を超え、これから大幅な米国の変化がなければ、円安はさらに加速して200円もありえるという声も聞こえてきているのに・・
この分野の専門家でもないし、金融・為替についての深い見識もないのではあるが、個人投資家としての経験で言えば、資産を複数通貨にバランスさせることの重要性と、為替がいかに個人の資産価値にインパクトを持っているかは身に染みている(たとえ円しか持ってなくても)。だから、為替の動向は常に興味あるところ。
そんな中、最近2つの記事を読んで、なるほどなぁと思った。一つは、日経新聞(6/11)の「円安:財政規律回復までゲームが続く」(英国キャプラ浅井氏)もう一つは、Wedge6月号の「平成でタガが外れた日本財政」(元財務事務次官矢野氏)。
前者は、円安の根本的な要因は、日本の基本的な財政収支が崩れていることにある。金利を中々上げられない、下手に上げると痛みと混乱が伴う、よって財政規律回復まで今の円安の基調は続くと。後者は、今の日本の財政は普通の会社の会計基準を当てはめれば、完璧な債務超過、資産をどういじくってみても駄目(会社であれば銀行はお金を貸さない)。それを直視しなければならない。解決には収支を愚直に引き締めることに加え、「就労延伸」(要は国民の多くが年老いても長く働けば、税収は増え、社会保障の負担も減る)が必要。そのためには老人の定義も変えるべき・・・日本の高齢者は”働きたい”という意欲が旺盛だから、これが”ウィン・ウィン”だと。 



うーん、結局のところ、政治家や官僚を”まぁ何とかしてくれるんだろう”と信じて、丸投げして、ここまで長い間財政を緩ませてきたのは、我々国民だから、最後は国民がそのツケを払うことになるのか・・・。お金について、国の財政について、もっともっと賢くならないといけない。メディアももっと継続して問題提起し続けなくてはならない。
それにしてもである、人生は働くことだけではない、間違っても、この状況を”ウィン・ウィン”などとは言ってほしくない。

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