伝言板
わたし自身に子どもはいないし
これから先親になるつもりもない
自分のことで精一杯だということも
病気が遺伝性ではないらしいにしても
生育環境への影響は避けられないことも
自分がいわゆる毒親育ちということも
年齢が既にハイリスクということも
理由はあげればいくつもあるが
結局のところ「責任取れないから」が正直な答え
友人たちの子どもの話を聞くだけで満足している
親の目線と子どもの目線は違うのだろうし
立場変われば前の目線を忘れてしまいがち
わたしは親の目線は想像でしか持てないが
子どもの目線はイヤというほど持っている
友人に伝えようとして伝えられない言葉があって
それを伝えるならばタイムリミットは迫っている
友人は仕方ないことと諦めているかもしれないし
結論をまわりも既に受け入れているかもしれない
わたしも多少友人の立場を理解しているつもりだ
それゆえに言わないでいるという選択肢もあるが
それでもどうしても思ってしまう
子どもは親が「してくれた」ことは忘れても
「してくれなかった」ことに気づいたときは
闇が彼らをむしばむ可能性があるということ
言ったからとて友人が取った選択を
覆すことは物理的に難しそうな問題
ただ苦さを残すだけになると思うと
思いつきを友人に告げられずにいる
「してくれた」ことはすぐに忘れる
してくれて当たり前ともいえるから
親の欲求によって誕生した子どもだ
「してあげる」は正直変だとも思う
「してくれなかった」ことは残る
自分よりも他の何かを優先した親
自分をいちばんにはしなかった親
自分より優先されたその何かとは
タイムリミットはあと数日だし
用意を考えればもう遅いくらい
わたしは友人に言うのだろうか
どうしようもない話だとしても
友人を苦しめかねないこの言葉
「してくれた」は忘れたとしても
「してくれなかった」は残るよと