あらすじ紹介①

『宝石は君に選んで欲しいから輝いているんだよ』
冬寂ましろ

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　自分は原石。磨けば宝石になれる。美しく輝く。それでも選ばれるのは、ほんの一握り。それがアイドルの世界。自分が目指しているもの――。

　アイドルグループ「シャイ二―クラウン」の候補生〈翠奈〉は、自分にはダンスしかないと思い込み、自らをいじめ抜くように何度も練習を繰り返していた。それでも先輩アイドル〈藤代澄怜〉のようには綺麗に踊れない。苦悩していたとき、ふと子供の頃に見たアニメのダンスを踊る。──翠奈が踊りに目覚めたきっかけだった。

　そこに澄怜がやってきた。一緒に踊る。楽しい。そして格の違いを見せつけられる。翠奈は焦りだした。純玲先輩といっしょに踊りたい。でも、そうするにはもう時間がない……。

　選抜オーディションの日程が候補生に伝えられる。歌がうまい蛍乃は自分に自信がない。楽観的な言葉を吐く瑠璃に、翠奈はつい冷たい言葉を投げてしまう。ぎこちないまま、オーディションの日を迎える。少女たちが自分を磨いた、その結果は？　そして純玲は……。

　自らを磨くアイドルの卵達と、それでも選ばれなかった者がつかんだ未来の、宝石のようなお話。