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地球に優しいアウトドアスタイル-ゴミを減らす心構え編

ゴミの一生

突然ですが問題です!
次のゴミたちが土の上で捨てられた時、完全に分解されてこの世から完全に姿を消すまでにどれくらいの時間がかかるでしょうか?

  • 生ごみ

  • スチール缶

  • ビン

  • ペットボトル

  • ティッシュ

  • 吸い殻

正解はこちら👇

  • 生ごみ(1か月)

  • アルミ缶(200年)

  • ビン(100万年以上)

  • ペットボトル(500年)

  • ティッシュ(3か月)

  • 吸い殻(5年~10年)

皆さんの予想は当たっていましたか?
そう、ゴミって意外にも長生きするんです!
缶類でいうとスチール缶は約50年かかると言われており、その種類で分解の速度は変わってきます。また、ペットボトルは500年となっていますが、プラスチック製のもの全般が分解には300年~500年かかると言われています。
そして気になるのは“吸い殻”ですね。タバコの葉やそれを包む巻紙は、使われているものそのものが自然由来であるはずなのに、なぜ分解に5年~10年もの時間がかかるのでしょうか?実はタバコには“フィルター”と呼ばれる煙をろ過するプラスチックが存在しているのです。

ここまでゴミの分解にかかる時間について記述させていただきましたが、ここで大切なのは“ゴミの分解速度”ではなく、このゴミの分解速度を聞いたときの皆さんの「考え」や「感情」です。
例えば、「自分の宿泊するキャンプ場にペットボトルや空き缶のゴミが落ちていたら…」「緑が気持ちのよい登山道を歩いている途中に、吸い殻やお菓子のゴミ袋が落ちていたら…」皆さんはどのような気分になるでしょうか。
少なくとも、その状況下にいて気分が上がる人はいないと思います。
適切に処理をされなかったゴミたちは、そこに放置され続けていれば、恐らく今自分がこの世に生存しているうちは分解されずにその場にい続けることになるでしょう。
ゴミは環境そのものに影響を与えるだけでなく、その場の景観さえも奪ってしまうことになるのです。

とある活動中の山で発見した缶ゴミたち。プルトップ式ということは少なくとも1980年代のものと思われる。


ゴミを減らす心構え

では野外で排出するゴミを少なくするために我々ができることは何でしょうか?我々の団体でも実施している、アウトドアでゴミを減らすためのノウハウをお伝えしようと思います。

★外せるものはなるべく外す!

自然の中に出かけるのが好きな人で、自然に対して何かしらの魅力を感じている人であれば、恐らく出たゴミをその辺に、意図的にポイ捨てすることはないと思います。(というよりも、そうであってほしい…)
登山やハイキングの中でありえることとすると、外での活動ですから、意図せずにゴミが風で飛ばされてしまったり、落ちてしまったりする可能性があるわけです。
だったら、予め飛ばされそうなゴミ類は自然に出かける前に外してしまえばいいのです!

  • お菓子の包装紙や袋はなるべく外していく。

  • BBQやアウトドアクッキングなど、必要な下ごしらえは家でやっていく。

上の2つを意識するだけで、不意にゴミを出してしまう可能性を格段に下げることができるのです。

個包装になっているものは衛生的でとても便利です。が、その反面、野外に持ち運ぶとゴミになるリスクが高い。
可能な限り「余分な」パッケージを外すことで、そのリスクを軽減することができる。

★拾えるゴミは拾う!

前述したように、適切に処理されなかったゴミたちは、そのまま放置され続ければ何百年の単位でその場にい続けることになるでしょう。私たちにできることは可能な限りゴミを拾ってあげること。自分たちの出したゴミを持ち帰るのは当たり前ですが、それ以外のゴミたちも、自分がまた来たときに、あるいは自分の後に来るビジターが、その場の自然を楽しめるように、可能な範囲で拾うようにしましょう。1人1人が意識していくだけで美しい自然の景観を残していくことができます。

ひの自然学校では、登山やハイキング時に必ずガベッジバック(防水性のゴミ袋)とトングを持参するようにしています。ゴミの分解速度のお話をしていると、いつの間にか自分たちから進んでゴミを拾うようになりました。

子ども会ぽけっと「ナイトハイク」の一幕。日野市から江ノ島まで約45kmを夜通しで歩く活動中、道中に落ちているゴミを必死に拾っているところ…
気がつけばものすごい量のゴミが。最終的には約270Lものゴミを回収しました。

「来た時よりも美しく」
ほとんどの人がきっとどこかで聞いてきたであろうフレーズ。多くの人は小学校や中学校の移動教室・宿泊学習などで泊まった青少年施設で聞いたことのあるフレーズではないでしょうか。
近年のアウトドアブームの再燃により、全国各地のキャンプ場やBBQ場はたくさんの人で賑わっています。しかしその反面、利用者のマナーの悪さから規制やルールが厳しくなっている現実もあります。特にゴミ問題は、様々なメディアで報道されているのにも関わらず後を絶ちません。
「来た時よりも美しく」そんな言葉をどこかで聞いてきているはずなのに、心の奥底にはきっと善意の心があるはずなのに…

私たちには、自分たちが自然の中で過ごし得た体験や経験を次の世代へと繋いでいく責任があります。今ある自然の景観や環境をそのまま残し続け、次の世代へ、またその次の世代へと引き継がれるように、今自分にできることをやっていかなければならないと思います。

富士山で拾ったゴミたち、4Lのガベッジバックがパンパンに。でもそこらへんには拾いきれないゴミがいっぱいありました。ゴミ拾いリベンジに行こうかな…。

併せてこちらの記事もご覧ください👇
実際の子どもたちとの活動での事例になります。
https://note.com/hinorisu/n/nd07d2a56abd1

記事:若泉わか
   ーひの自然学校サスティナブル レスポンシビリティマネジャー

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