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耕作放棄地での畑ライフ、スタート!【檜原村こよみだより・5月】

こんにちは、地域おこし協力隊の高野です。実は5月から、村の方と一緒に耕作放棄地で野菜を育て始めました!ご近所に住むKさんの畑作業をお手伝いしていたところ、「この近くの畑、一緒にやってみない?」と声をかけていただいたのです。

その畑は、現在は村外に住むKさんのお知り合いの土地で、Kさんが手入れを引き受けていたとのこと。畑をやろうにも、Kさんも自分の畑で手一杯だから、私が畑をやりたいならぜひ一緒に使ってほしいとのことでした。

山間地域である檜原村の畑は、ほとんど斜面畑。こちらはKさんの畑です。絶景!

さらには私がお手伝いすることになった畑は、幸運にも地域で共同管理する大きな電気柵のなかにある畑。檜原村は猿やシカ、イノシシによる獣害が多く、畑には獣害対策が必須ですが、地域の電気柵のなかでは、個人で獣害用の柵を用意することなく、安心して作物を育てられます。これは本当にありがたいことです…(ちなみに地域の電気柵は、維持管理費として、年間1000円をお支払いすることになっています)。

早速その畑に行ってみると、3~4年ほど耕作放棄地になっていたとのことですが、土はとてもフカフカで、ミョウガやフキ、ウド、菊芋がたっぷり自生していました…!(て、天国…??)

ミョウガとフキが元気ビンビンに育っています(フキは写真撮影した後、収穫しておいしくいただきました!)
雑草ではありません、すべて自生した菊芋ちゃんです!売るほどあります(笑)

早速、農業の名人でもあるKさんに教わりながら、畑の手入れをして、かぼちゃ、きゅうり、獅子唐、ピーマン、サツマイモなどの夏野菜を植えつけました。

私が畑作業をしていると、同じエリアで畑をしているご近所さんから、「余った種と苗、いる?」といろいろなお裾分けをいただいたり、「頑張ってるね!」と声をかけてもらったり、「きゅうりは網をかけないと、カラスに食われるよ」とアドバイスをいただいたりも。畑作業は、一人でやるのはなかなか骨が折れるもの。この「一人じゃない感」、最高です……

草刈り後の畑。左奥に茂っているのが、菊芋ちゃんゾーン。笑

私が檜原村に移住してきた理由の一つに、「半自給自足の生活がしたい」という思いがあります。今までは自宅の庭でちょこちょこハーブなどを育てていましたが、ついに野菜の自給にも取り組むことができて、これからの生活がますます楽しみです!

また、5月の最後の日曜日には、地域の一斉清掃がありました。5/30(ごみゼロの日)に一番近い日曜日に毎年行われる地域行事で、集落ごとに、道路脇の草刈りや掃除を行います。

私も朝から、ご近所のお母さんたちと一緒に草むしり。人生の大先輩方に人生や恋愛の相談に乗っていただき、とても楽しくためになる時間でした(笑)

地域のお母さん方は、草むしりのエキスパートです

畑も地域も、みんなで共同で管理し、手入れをする。そうすることで、地域への愛着も湧くし、ご近所に住む人同士の絆も深まります。少し大それた話になってしまいますが、そうして土地やご近所さんとのつながりを深めることは、生きていく安心感につながるなぁと心から思いました。

自分の家の周りに信頼できる人たちが住んでいてくれると、いざというときに頼れる、助け合える安心感があります。しかもそれが、山や川や畑に詳しい、自然のエキスパートとも呼べる方々なのだから尚更です。また、「たくさん作って余ったから」と美味しいおかずをいただいたり、「採れすぎちゃった」と山のように採れたての野菜をいただいたり、そのお礼に庭の草刈りや畑のお手伝いをしたりと、お金によらない価値交換がたくさん行われることで、「最悪、お金がなくても死ぬことはない」という安心感も、日々むくむくと育っています。

たまに友人から「山奥に一人で住んでいて、怖くないの?」と聞かれることがありますが、私の返答は、「むしろ都会に住んでいたころよりも強い安心感を持ちながら暮らしているよ!」です(笑)。

そんな安心感に満ちた生活も、移住者である私を快く受け入れ、親切にしてくださる村民の皆さんのご厚意があってこそ。「お金によらない価値交換」なんて言いながら、村民の皆さんからいただいている量が圧倒的に多く、ほとんどなにも返せていない私です。これから少しずつ恩返しをしていけるよう、引き続き檜原村での生活を楽しみながら、活動していきたいと思います!

text by 高野優海(檜原村地域おこし協力隊)