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【風呂酒日和35-1】 吉野湯(よしのゆ)

【風呂酒日和(フロサケびより)】
どこかで銭湯を見つけると、つい寄り道したくなる。
銭湯から出ると、つい一杯飲みたくなる。
そんな私がふらりと立ち寄った、心と体とお腹を満たす、銭湯と居酒屋をまとめたマガジン。


駅から少し歩き、大きなライフ(スーパー)が見えたもう少し先。
隣りに蕎麦屋、向かいにカトリック教会の幼稚園。そしてその目の前にどーんと宮造りが見える。
ここが吉野湯だ。
立派な外観。時代を感じる。
靴箱に靴をしまい扉を開けると、真ん中にこじんまりとした受付があっておばあちゃんがちょこんとおさまっていた。


入浴料を払い、タオルはありますか?と聞くとバスタオルとミニタオルのセットが有料で手ぬぐいだけなら無料とのこと。
せっかく(?)なので、無料の手ぬぐいを借りることにした。

渡されたタオルを持って脱衣室へ行く。
むむ、タオルが、ちょっと何とも長らくそこに置いてあったような年季の入った色のタオル。
でも無料だし贅沢を言ってはいけない。
文句があるならお金を払ってタオルセットを借りるべきだろう。
しかし「やっぱりタオルセット下さい」とも「この手ぬぐいちょっと...」とも言う勇気のない私は大人しくその手ぬぐいを使うことにした。
相変わらずのへたれである。
多分ここを使うほとんどの人はマイタオル持参派なのかもしれない。


脱衣室はなかなか広い。椅子型のドライヤーも2.3台並んでいる。
かなり古いつくり。深い色の木の天井はとても高く、男湯まで続いている。
トイレは和式だ。どこか違う空間に続くかのようなのれんの向こう側にあってちょっとドキドキした。

お、そうかここは江戸川区。
江戸川区の銭湯応援キャラクターお湯の富士のポスターが貼ってあったり、まるっとした人形が飾られている。
なんでそうなのかはわからないが数字の「3」のようになったおちょぼ口と
下がり眉毛がかわいい。
いつも困り顔をしているつもりはないのだが、私はこの手のしょんぼり眉毛のゆるキャラとかコジコジとかに似ているとたまに言われる。
多分線で描けそうな簡単な顔つきなんだろうと思う。

身支度を整え、ガラガラと大きめの音がする扉を横に引いて浴室へ。

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