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ひねもすほろすけ『マクベス』に向けて

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2019年3月29~31日に予定している演劇公演『マクベス』に向けて、考えたことを載せていきます。
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Comparison of Japanese translations of Shakespeare's Macbeth

Comparison of Japanese translations of Shakespeare's Macbeth

Shakespeare is one of the world's most popular playwrights and his works have been translated into the largest variety of languages. In this article, I would like to discuss the translations of Tsunea

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「なぜ、『マクベス』を上演したいのか」

 今月末に迫っている番外公演『マクベス』と前回のひねもすほろすけ第四回公演『スモール・フリーク・ショー』について書きます。「なぜ、『マクベス』を上演したいのか」について、改めて明確にしておくために、以前、ツイッターで載せた内容を詳しくする形ですが、まとめてみようと思います。実はたまたまなのですが、テーマが似通った作品を二年続けて上演することになります。共通しているのは、人間の持っている矛盾や、両義

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「在るのは無いものだけだ」とはどういうことか

 「在るのは無いものだけだ」というのは、ウィリアム・シェイクスピア作『マクベス』(松岡和子訳)の第一幕第三場に出てくるセリフです。魔女に王となることを予言された直後、王殺しを想像してしまうマクベスの傍白なのですが、常識的に考えると受け入れがたいものがあって、戯曲を解釈する時に扱いの難しいセリフです。目の前の物質や道具などは「存在する」。「在るのは在るもの」なのではないか?このセリフは間違っているの

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「音楽のイメージに基づき、上演台本を作る」

 公演、また、劇団自体のPRのために、近年の公演で模索している作劇方法について、書いてみました。2019年3月に予定している、次回公演「マクベス」の上演にも活かそうと考えている方法です。一言で言うと「音楽のイメージに基づき、上演台本を作る」という方法なのですが、以下に詳しく述べていこうと思います。

 音楽的な魅力を持っている公演に対しては、演劇を始めて間もなく、興味を持っていったのですが、その言

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うまい役者とは何か

 うまい役者とは何かについて考えてみた。そもそもの発端としては、自分の好きなジャンルの演劇がどのようにして成り立っているのかという疑問だと思う。例えば、アングラと称されるような作品や身体表現が多用されるような作品など、従来のメソッドを単純に利用しただけでは作れないような世界観の作品が好きで、そのような作品を作るためには、役者とどういう言葉を持って接すればよいのかと考えたことから始まる。
 うまい役

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