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例えば、懐抱する自分の世界があるとして…

例えば、懐抱する自分の世界があるとして…

 それは、千変する綺羅を纏う無常の領域

 目を瞑り始まりを手繰り寄せるように、 記憶を辿れば現れる荒誕なる箱庭

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夏に深々と降る雪があるように

 昼に昇る双子の月があるように

   血に飢えた歩く花があるように

     荒唐無稽な理が存在することもある

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私の世界は、明けない夜を頂く静かな湖面。満ちては引き、引いては満ちるを繰り返す…

 幾星霜を経れば、水際の織り成す層が自己となる。

    ただ、それだけの世界。

もし― 自分の世界を表現するとしたら、 そこは一体どんな世界だろうか。

 貴方の心奥を、私に教えてほしい。

#レイチェル #wizball   #レイチェルの世界 #例えば懐抱する自分の世界があるとして

『さて、この問いにどう答えればいいだろう…』

わたしは静かに目を閉じた…

 目の前に広がるのは凍てついた大地…

 見わたす限りの荒れ果てた荒野…

 見上げればスゴい勢いで流れていくドス黒い雨雲の群れ…

 トボトボと一人歩くなか、時おり訪れる暴風雨と稲光に打たれながら、この夢も希望もない世界になぜ産まれてこなければならなかったのか?

 どうすればこの世界から抜け出せるのか?

 幼きその魂は深淵にドロドロとしたマグマを感じながら、底なし沼に深く深く静かに飲み込まれていった…

  ………

   ……

    …ここはどこ?

   ……

  ………なんだかあったかくて

  …気持ちいいな…

 ……

『夢か・・・』

  暖かい春の陽だまりのなかゆっくりと目を開き、体を起こす。

  ふと横に目をやると、無邪気に遊ぶ子供たちの姿がそこにあり、 見上げれば白い雲、そしてどこまでも澄み渡る青い空…

 耳をすませば小鳥たちのさえずりにまた目を閉じる…

 怒りも喜びも悲しみも

 遥か遠く遷ろう夢物語

 あなたの傷に触れる度

 悲秋渦巻く色なき風よ

 言葉紡げば花咲き乱る

 

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