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例えば、とある劇の最終幕が佳境を迎えたとして

例えば、とある劇の最終幕が佳境を迎えたとして。
しかし、凡常な展開など誰の心にも響かない。

閉幕目前からの観劇でも未来と同時に、過去ですら想起させるような展開は、どんな台詞よりもたらされるのか。

その剣の切っ先が向かうのは、我が君か、それとも背き合う怨敵か。
はたまた親愛なる者か。

○中の人宅・書斎(朝)
   開いた窓からは小鳥の囀り。
   コーヒーを一口すする中の人。
   レイチェル、腕を組む。
レイチ「さて、早速だが」
中の人「朝はもう少しゆっくり……」
レイチ「脚本を書いてほしいんだ」
   苦笑する中の人。
中の人「脚本家ではないからルールがよくわからないぞ」
レイチ「ルールなんか適当でいいし、挑戦することに意味があるからね」
中の人「確かに。で、内容は?」
レイチ「それは書き手が決める」
中の人「(閃いたように)ああ、内容はな――」
   レイチ、咳払い。
レイチ「無駄口を叩くのはそこまでにしておくんだ」
中の人「設定不問で、大詰めのシーンだけ脚本に起こせばいいのか」
レイチ「そういうことだね」

さて、幕間はこれにて落着。じき最後の幕が上がる。

貴方が魅せる終局を、私に教えてほしい。

#レイチェル   #wizball #レイチェルの世界 #例えばとある劇の最終幕が佳境を迎えたとして


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