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夢に見たシーンでシナリオを書きたい【TRPG / シナリオ / 書き方】

【話の始まり】

【序文】

 上記のマシュマロをいただきました。
 僕はほとんど独学と雑学程度の知識でここまで来ていますが、それでも何か参考になれば幸いです。
 なお、僕はもっぱらCoCのシナリオを書いているのでそれに対応した書き方をしています。
 他システムでも考え方自体は応用できるんじゃないかなと思います。戦闘系システムの戦闘バランス調整は山勘なのでお答えが難しいです。

【書きたいシナリオ、どこから作るか】

 新たなシナリオを書きたいと思うとき、その理由はいくつかに分けられると思います。想定できるものは「テーマから書く」「見たいシーンから書く」「要素から書く」などがありますが、今回はマシュマロの内容に沿って「見たいシーンから書く」としてお話ししていこうと思います。

【前提】

 まず、自身で思いついたシーンがどのようなシーンなのかを具体的に想像してみましょう。導入のシーン? 探索のワンシーン? 運命の分岐点? 全てを終わらせた後のエンディング?
 それらを形にするために、前提条件としてシナリオ全体の流れを改めて定義しておきたいと思います。
 僕の考えるシナリオ全体の流れは下記のとおりです。

「HO」→「導入」→「探索」→「(転調)」→「探索」→「(分岐)」→「エンディング」

「(転調)」というのはシナリオの中でキャラクター達が自分たちの置かれている状況に気が付き、もしくは真相や解決の糸口をつかみかけた瞬間に、場面が一気に絶望的な、もしくは奇跡的な状況に変転する瞬間の事です。モノによってはない場合もあります。
「(分岐)」というのは、探索や推理の結果からエンディングが大きく分岐する、最後の瞬間の事です。今回はエンディングの前に一つだけ置きましたが、場合によってはこの項目が複数あったり、このタイミングにではない場合あります。そもそもシナリオによってはない場合もあります。
 これらはTRPG経験者であればおおむね体験したことがある流れかと思います。イメージが付かなければ、一本の映画をイメージしてみると近い流れをたどっているかな? と思います。基本的に僕のシナリオもこの流れです。

 さて、僕はシナリオを書く際には、基本的に下記の順でシナリオを書いています。同じ数字の欄は行き来が激しいところです。順調なら上から順に書いています。

1.「書きたいシーンを思い書く」
2.「シナリオのテーマを整える」
3.「事件の背景」
4.「シナリオ全体のプロットを決める」
5.「『仮の』導入プロットを決める」
6.「探索シーンのプロットを決める」
 「分岐のプロットを決める」
 「エンディングのプロットを決める」
7.「導入のプロットを決める」
8.「シナリオ全体の書き起こしをする」
9.「校正を行う」
10.「完成」

 以上です。

 これらを前提として、今回はお話していきます。

【シナリオを書く】

 結論から言うと、シナリオの大部分は1〜4で決まります。

 この1〜4の時点で、最も大切な要素「見たいシーン」を核にして、どんなシナリオを書くか決めます。
 僕の場合、直近で【悪徳の法悦】というCoCシナリオを書きましたが、そのシナリオは「拷問初心者の探索者が、泣き喚くKPC(NPC)に対して拷問をする」というシーンを見たいがために書いたシナリオです。
 この場合、最も描きたかったのは「拷問シーン」だったので、「拷問をする」という行為がシナリオの大部分を占め、また核になるようにシナリオとしての形を整えました。
 具体的には、

1で見たいシーンを人に見せてわかるよう文字に起こし(イメージの具体化)。
2で1に付随するテーマを付与してシナリオ全体の雰囲気や使うキーワードを決める(骨組みの構築)。
3で1が起こる具体的な理由、経緯を明示する(理由付け)。
4でシナリオ自体を具体的にする(全体の肉付け)。

 以上です。この辺が出来ていれば、いわゆる「なんだったのかよく分からないシナリオ」にはならないと思います(個人の感想です)。

 5はシナリオを書く上で仮想プレイヤーを設定する事です。探偵とか教師とか学生とかギャングとか。
 どんなキャラクターが事件に挑むのか具体的なイメージがわかないと、どのようなヒントを提示すれば事件解決に導くことが出来るのかが迷子になります。4の時点で出来る方はそれでもいいと思います。なんなら7の項目を持ってこれるとなお良いです。
 僕はこれが出来ない(イメージが甘い)ので、7まで描いたところでもう一度4を見直します。その上で5をスキップして6を再調整して7に移り、ようやく8に移ります。

 6はプレイヤー達が事件の全貌を解明、解決方法を模索するシーンの構築です。これの書き方はシナリオによって様々なので、2や3で出した要素などを盛り込みつつシナリオ全体の肉付けをして上手いこと解決方法を作ってください。くらいに割愛しておきます。

 7は6までが完成した上で、プレイヤーの導入(HO含む)が適切なものなのかを再度検討するタイミングです。
 6までを踏まえて、HO制を導入した方がシナリオにドラマが生まれるのではないか? 自由度の為に共通HOのみを採用し、統一した導入にした方がいいのではないか? を考えます。ここで5の内容をそのまま組み込んでいい場合は組み込み、改定がある場合は改定して4の見直しを行います。

 8はここまでで決めたことを全部文章にするだけ!! 僕はここが一番苦痛です。
 語彙力とか言い回しとかテンポ感とか理解しやすさを駆使してシナリオ文章を作ろう!! 僕は「シナリオ中の描写:プレイヤーの発言やRP」が「4:6」になるよう意識しています。シナリオの主人公はプレイヤーだと思っているので。

 9は誤字脱字、文章の意味がちゃんと通るのか? 伝わるのか? を確認するところ。誤字脱字チェックは音読すると割と見つかります。苦手な方は知人に付き合ってもらってもいいですね。

 10。脱稿です。世界で最も全能感に溢れる瞬間。

【後書き】
 ご覧頂きありがとうございます。
 他にも意識していること、細かい部分などは沢山ありますが、書いていると内容が色んな方向に飛んでしまうため今回は内容を絞りました。またいつか他の部分を書く機会があればいいなと思います。
 願わくば、このnoteがマロ主さんの目に届くように。

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