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明確な目標を見つけられない人へ:映画「ソウルフルワールド」

こんにちは。
社会福祉士、精神保健福祉士のぽこです。


◇明確な目標を見つけられない人へ

先日、ピクサーのソウルフルワールドという映画を観てきました。

今日はその映画についてお話しします。
ネタバレも含まれていますので、あらすじを知りたくない方は映画を観てからお読みください。
私は、この映画を「人生において明確な目標を見つけられない人」におすすめします。
そして、私もその一人です。

・映画のあらすじ

この映画のあらすじを簡単に。
ジャズ好きのジョーという男性が主人公です。
ジョーは、大好きなジャズの道では食べて行くことができず、音楽の非常勤講師として細々と働いています。
しかしひょんなことから、憧れのステージに立てるチャンスを手にしました。
憧れのステージに心躍らせているジョー。
ところがステージに立つ直前、街中で足を踏み外して死んでしまいます。
死んでしまったジョーが辿り着いたのは、意識の世界。
(ピクサーが作り出すその意識世界の世界観がとても素敵で、美しい描写と音楽に感動しました。)
意識の世界で「自分は死んでしまうのか」と愕然としたジョーは、なんとか自分の体に戻ろうとします。
その道中で出会った、生まれる前の存在である”22番ちゃん”。
(その世界では、まだ生まれていない存在なので名前はなく、番号で呼ばれています。)
明確な目標を叶えるために生き返りたいジョーと
まだ生きることに喜びを見出せず、生まれることができずにいる存在の22番ちゃん。
この二人が「生きる意味」や「人生における煌めき探し」をする、そんな映画です。
(映画では、その子にとっての「煌めき」を見つけることができて初めて生まれることができる、という設定で煌めきを探していきます)

・ジョーが生きる意味

ジョーにとって、生きる意味とは非常に明確なものです。
ジャズが大好きなジョーは、いつか夢のステージでピアノを弾く姿を夢見て、それだけを目掛けて生きてきました。
ジョーにとって、今輝いている人は皆「それをするために生まれてきた人」であり、明確な目標を叶えることこそが幸せに生きる手段でした。
だからこそ、ジョーは映画の後半で夢のステージを終えた後、明日も同じようなステージを演奏することになんとなく違和感を感じていたのです。
夢が叶ったはずなのに、自分には何の変化もない。
自分がやりたかったことは、本当にこれなのだろうか。

自分が思い描いてきた夢を叶えたはずなのに、変わらない自分がそこにいることにモヤモヤする姿が描かれています。

・22番ちゃんの煌めき

対して、22番ちゃんにとっての煌めき(=生きる意味)は何だったのでしょう。
22番ちゃんが住む意識の世界では、煌めきを見つけるための多くの設備が整っています。
バスケやサッカー、料理にダンス・・・
意識の世界で様々なことを体験し、好きなことを見つける。
その子にとっての煌めき的なアクティビティが見つかると「生まれる準備ができた」と見なされる設定です。
しかし、22番ちゃんは何も好きなものに出会えません。

そんな彼女がひょんなことから実世界に転送されてしまうのですが、そこで煌めきを見つけます。
その煌めきとは、バスケやサッカー、歌やダンスではありませんでした。
それは、青い空や心地よい風、気持ち良い音に温かい人間関係、そしてただ上手に歩けることだったのです。
彼女にとっての煌めきとは、ただ生活すること
日常に溢れる心地よさや気持ちよさが、彼女にとっての生きる意味でした。

・私の煌めき

冒頭で、私は「人生において明確な目標を見つけられない人」の一人であると言いました。
私は生まれてから今まで、未来の自分に色々な期待をしてきました
小学生の頃は中学のジャージを着ているお姉さんが大人びて見え、自分も自然とあんなふうになるのだと思っていました。
でも実際に中学生になると、全然そんな大人な存在には思えません。
高校生のお姉さんに憧れても、高校生姿の自分に満足できない。
大学生になったら、社会人になったら、一人暮らししたら、結婚したら・・・
私もあの人のような年齢や立場になれば、何か変わるかもしれない。
そんなふうに思っていても、実際に自分の願いが叶ってその状況に立てたとしても、「なんだ、意外とこんなもんか」と思ってしまうのです。
そんな毎日の中で、私自身大きな目標や夢を見つけられずにいます。
ぼんやりと「こんなふうに生きていきたいな」とは思っていても、無理やり引き出さない限りは人生を懸けて取り組みたいゴールが見つからないのです。

ですが、確実に毎日着実に生きています。
起きてから家事をして食事をとって働いて。
壮大な存在になれなくても、日々しっかりと地に足をつけて生きています。
明確なゴールに向かうことよりも、日々を生きている実感を噛み締めることの方が
今の私には大切なんじゃないかと思うのです。
わかりやすいゴールや目標に左右されず、今の生活を「なんか良いな〜」と思えたらそれで十分なのかもしれません。

この記事を読んでくれている、あなたの煌めきは何ですか?
どんなことに喜びを感じて生きていますか?
急足で目標に向かって努力している人ほど、自分が送っている毎日の生活を”ただの生命活動”程度にしか思えていないかもしれません。
息を吸って吐いて、食べて出して、喋って笑って泣いて。
そんな何の生産性もない生活に、目を向けてみてはいかがでしょうか。

ということで、ソウルフルワールドから色々と書き出してみました。
皆様にとって心地よい1日になりますように💐
では、また。


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