コラム「『出来映え』と『プロの水準』」  西尾とか忍殺とかのアレ

前に書いた話の続き。


「質」と「完成度」の意味がブレてるかなーと思ったのでちょっとやり直し。


まず、自分の全力を費やすことは「労力」100%、とします。

労力100パーだと質も100パーだとします。すると前回の計算では労力50パーで質は80パーまで上がります。

ところが世の中には「プロの水準」というものがあって、これは純粋な質とは異なります。でも実際には、プロの水準こそが仕事の尺度なのではないか、ということです。

また、労力と質がどのくらいだろうと、受容者・鑑賞者が受け取る「出来映え」というものがあって、これもまた質やプロの水準とは違う尺度として機能しているのではないかと。

ここまでを組み合わせると、仕事=商業での基準はまずプロの水準であるかどうか、次に出来映えが良いかどうか、というものであって、費やした労力や純粋な質は不確かな指標である、ということになります。


労力100パー質100パーでもプロの水準に達していない場合は実力不足。

労力50パー質80パーでもプロの水準に達していれば評価されます。

プロの水準は質に近いので、実力不足からでも質を上げる訓練をすることでその水準に到達可能になれます。もっと実力が上がればより少ない労力でプロの水準に達するようになるはずです。

そして、商業の仕事には様々な制約や条件があります。テーマ、要求、締め切り、字数、そういったものですね。それらを加味すると、条件によっては労力を使い切る前に締め切りになる、というスケジュールが発生したり、このテーマでその字数だと質を上げるにも限度がある、というかそもそもそのレベルの質が求められていない、などとというケースもありえます。

ここで出てくるのが出来映え。個々の仕事の条件や様々な限度を考慮して、受け手にきちんと狙った印象を与えるものに仕上げる、仕事の目的地を見定めること。これは単純な質やもちろん労力とも違う、仕事上の条件に適合する目標を設定することです。

そしてそれを実現するために労力を費やします。

以前に労力と質の関係を書きましたが、効率がガクンと落ちる質80パー以上で使う労力Aと、効率的に使える質80パー到達までに使う労力Bを上手に組み合わせることでプロの水準として見せながら比較的少ない労力で出来映えを良くする、ということが可能なはずです。

たとえば、構成がブレない程度に全体像を構築(労力B37.5パー質60パー)、ポイントに絞って質の高い表現を入れる(労力A12.5パー質5パー)の合わせ技でトータル労力50パー質65パーながら、随所にキラリと光るもの(労力Aによる質の高い部分)がある内容に仕上げることができます。

純粋に労力だけをかける以外にも、見せ方を工夫することでプロの水準をクリアし出来映えを良くすることはできるでしょう。

しかしながら、こうした労力を効率的に使い分ける手際の良さを身につけるには努力が不可欠ですし、そもそも労力100パーでプロの水準に達しなければ小細工にしかならず、もし仮に労力100パーかけて質100パーまで持って行くことが面倒だというのであれば、こうしたものはその人には無縁でしょう。

ともかく質100パーまで持って行くために100パーの労力はかける。そのために時間は惜しまない。締め切りもむしろ設けない。ただし絶対に最後までやり切り、完成させる。それができれば実力は上がり、少しずつでもプロの水準は近づいてくるはずです。

目標設定や出来映えのコントロールを学ぶのは、限度や条件が発生する段が近くなってから。

そうしたオプションを充実させる前に、まず基本性能を引き上げておきましょう。



という風に僕は想定しているですけど、どうでしょうねえ。合ってるんでしょうか?

僕が今実際にやっているのは、時間無制限、質100パー限定でばかりやってきたのでそれしかできない不自由さから解放されるため、という理由を後付けした、アウトプット・シェア・アーカイブが必要な内容なんだけど何でか書き辛いのなんでだろう? を解決するための苦肉の策みたいなもんなんですよね。

質は上げなくていいんだけど、というか上げるのめんどくさいし必要もないんだけど、今やっておかないと色々負担も大きいしどうしようか? の結果が質と労力をあえて制限するという方法。質100パーでなくてもバンバン出していくことで質や出来映えをコントロールできるようになろう、とまで考えていたわけじゃないんですけど、思わぬ副産物として、スキルの自由な組み合わせがやりやすくなったように思えます。

ともかく、今書かなきゃならないにの不自由過ぎてどうにもならなかったので。

しっかし、本編の方はどのくらい続くのか……。

ま、書くべきものを書き尽したら終わらせますんで、それまでよろしくお願いします。

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