西尾維新『ぺてん師と空気男と美少年』その5 ステルスリアクション・エクストラ061
(ステルスリアクションとは、見えないリアクションである。表向き別の事を表現しているように見せながら、同時に、特定の何かに対するリアクションとしても意図された、そのような表現方法なのだ)
(ご注意・本稿では西尾維新『ぺてん師と空気男と美少年』のネタバレを含みます。閲覧の際にはあらかじめご了承ください。表紙画像と本文は一切関係ありません。また、登場人物や組織の実名は伏せられている場合があります。そして、明かしづらい内容は不明瞭な表現となっている場合があります)
前回はこちら(関連リンクは末尾を参照)。
また本稿においては「西尾・忍殺」を重要な関連資料として参考して頂きたい。
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・エシカル
倫理的。ただ、倫理的であることが何故求められるのか、という点で考えるとなかなか単純ではない。
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・視力が反則
使えるものは使えばいいと思うけど、遊び場、楽しみの空間で勝ちすぎる戦略を使うのが不粋というもの理解できる。
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・賭け事は問題
年齢制限や法律問題もそうだが、結果の不確かなビジネスというのは手が出ないのでは。
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・別にゲームが好きなわけではない
やれば今でも好きだと思うけど、そんな贅沢は許されなくなってしまっただけ。
またいずれ機会があれば『雷電』『究極タイガー』などやってみたいものだ。
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・嗜む
ゲームとの付き合い方であればその位の距離感の時期もあった。
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・ポーカーフェイス
知ろうとしない相手に伝えようとしても無意味、読み取る力のない相手に表情を作るのも無駄。
すべては相手の姿勢を変えさせてから、だ。
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・逆張り
瞬間的なアテンションの集まった感覚に本人が酔っているだけなんだろう。
目立ちたがり屋が陥る罠でしかない。ベータロンの安直な願望と結びつきやすい手法。
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・『見知らぬ、他の客』
機密保持の障害となる存在を常に介在し続けさせる愚は何故行われたのか、真剣に検討がつかない。理解の外。
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・周囲の目
今にして思えば、見せびらかして証人にする為に「師事している現場を目撃している者達」を必要としたのかもしれない。
悪い冗談だ。
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・損切りできない(カモ)
決着が明瞭なルールのスポーツやゲームは口先で優越感を得る事ができないのでやらないのでは。
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・人間関係的に優位に立とうとする企み
であったなら経験不足・技術不足。
根本的に世界と人間の複雑さに対応可能な認識を備える以前で、つまり未熟なのですよ。
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・(手頃な偽物?)
そんな好都合な存在がタイミング良く現れるなら、既にしてNSM48くらい出来ていてもいいものだが……。
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・一人遊び
評者も読者もいない、という点でならソロプレイ的とも言える。現実でのそれは修行の如きそれの為、遊戯のソロプレイ程空しくはないものだが。
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・才能
個々人の所有する各能力の質や射程というものは一考の価値があるものであって、常時単純であるものでもなく、十分に複雑でユニークな細部を見せる事もしばしばある。ゆえにさらりと一言で済ます事は情感深いが精妙さに欠けるものがあるので惜しい。
そしてこの場で詳細に語るには余白が足りない(訳・時間、労力、暇、余裕、動機がない)。
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・天才性
知った事ではないのだが、よく見ずして人を見てたちどころに「天才だ」等と理解し誤るところがないのであれば、それこそ人を見る天才というものではなかろうか。
無論皮肉なので怒ってよいとして、しかしながらこちらとしても飽き飽きする程同様の/同一の話題を提供されているのだから手の凝らしようも底を尽きてくる事情くらいは鑑みて頂きたいものだ、としたいものである。
(続く)
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関連リンク
第1話「ゼロ年代の終わりに」(西尾維新篇・1) 西尾維新を読むことのホラーとサスペンス、ニンジャスレイヤー、そして批評家の立場と姿勢の話
からの「西尾維新篇」。
☆
第5話「『ニンジャスレイヤー』をオマージュする西尾維新」(ニンジャスレイヤー篇・3) 西尾維新を読むことのホラーとサスペンス、ニンジャスレイヤー、そして批評家の立場と姿勢の話
☆
第6話「過渡期の人」(策謀篇・1) 西尾維新を読むことのホラーとサスペンス、ニンジャスレイヤー、そして批評家の立場と姿勢の話
から
第13話「閉じろ、その地獄の釜の蓋を」(策謀篇・8) 西尾維新を読むことのホラーとサスペンス、ニンジャスレイヤー、そして批評家の立場と姿勢の話
までの「策謀篇」。
☆
第14話「『天狗の国へ連れてゆく』」(昇華篇・1) 西尾維新を読むことのホラーとサスペンス、ニンジャスレイヤー、そして批評家の立場と姿勢の話
☆
第15話「『どうだ ピンク色の光が見えてきたか?』」(批評篇・1) 西尾維新を読むことのホラーとサスペンス、ニンジャスレイヤー、そして批評家の立場と姿勢の話
から
第19話「『俺は向こう側に、天狗の国に行かなきゃならねえ』」(批評篇・4) 西尾維新を読むことのホラーとサスペンス、ニンジャスレイヤー、そして批評家の立場と姿勢の話
までの「批評篇」。
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