Job Discriptionの功罪について思うこと3つ。~ハノイとバンコクのSPA,フィットネスフロアの様子から~
バンコクから今日帰ります。
これからチェックアウトして、後はSinging Bowlのクラスを受け、その後SPAでボディスクラブとかしてもらって、その後タクシーで空港へ向かう予定。これは気が滅入って辛かったハノイでの時間の使い方からの反省から、そういう予定にしました。
私は、自分自身が何でもやる人。それこそ、職場のごみ捨てで遠いところまで運ぶのだって、今すぐ必要と思えば自分でやってしまう。
だから自然と、目の前のごみを拾わないような人は、どうも苦手。いくら掃除は自分の仕事じゃないといっても、普通環境を整えるのはあたりまえのことちゃう?
私は会社をやっていた時に、少人数で回そうとした。当たり前だと思った、だってお金が限られているんだから。それを投資家から「先生はJob Discriptionと言うことを知らないんですか?それが当たり前です。」と言うご指摘を受けた。本気で言うことを聞いていたら、いくらお金があっても足りない。名もなき家事のような仕事はスタートアップには山ほどあった。前もって存在すら知らないことが出てくるのは日常茶飯事。
でも、どMの私は、自分が間違っていると思い、いずれは、完全に仕事の分担と役割を決めないといけない、ってそう思いながら仕事をしていたのも事実。
実際派遣会社から人をよこしてもらうときに、本当に細かく仕事の内容を書かないといけなくて、もうこれだけ書かないといけないくらいなら自分でやろっかなあ・・と思うくらい。つまり、その流れは確実に日本にも来ているということです。
それって本当にいいことなんでしょうか?
ハノイで私のSPAを担当してくれた人は、スクラブも異なる種類のマッサージも、ジェルネイルも、シャンプーブローも全部同じ人がやってくれた。日本では、少なくともシャンプーブローはそれだけで独立し、ネイルもネイリストがやるもんだと思っていて、マッサージも、このマッサージはこの担当者しかできない的な縛りがたくさんあります。ジェルネイルはさすがにアートはなくて淡色だったけれど5月末のネイルが、昨日のムエタイクラスでサンドバックにキックするまでちゃんと私の爪にありました。最低限と言う意味では十分だった。
ここバンコクでは、プールでタオルを敷いたり、ドリンクをサービスする人は同じ。そこまでは他の土地でもあり得るけれど(大概食べ物は別の人の担当のところが多いです。)、ここバンコクは、プールでタオル敷いていた人が、いきなりムエタイの服に着替えて教えてくれたり、なんと、同じ人がヨガも指導する。今日もタン先生にヨガを教えてもらったばかり。Susan先生に至ってはSinging Bowlまでやってくれた。
もちろん、そのレベル感を言えば、ヨガならもっと上手な指導もあるでしょう。でもね、異国に来て、それほど高いレベルなんていらないし、まず、ヨガをさせてくれるというだけでポイント高い。私にとっては十分満足なご指導。SPAの受付のお姉さんのNidさんは私に気功を教えてくれたし、呼吸法のクラスも担当してくれた。SPAとフィットネスは大概別になっているところが多いと思うのだけれど、それもとことん効率化。
何が言いたいかと言うと、これしかしませんと言う人は、大概何もできないから、そんな人を量産する仕組みを許容する世の中って、特に日本のようなみんなで頑張りましょう!的な風土では国力の弱体化に向かうしかないように思う。と思って3つほど書きます。
1.多くの仕事を掛け持ちすることで、その仕事場がどのように動いているのかがわかる。
プールのタオルだけひたすら交換していても、お客の流れはわからない。これもあれも・・・ってやるからこそ見えてくるものがある。
仕事を細分化すれば、きっとその仕事をどうやってさぼるか減らすかしか気持ちが向かないんじゃないかと思う。
2.暇な人と忙しい人は一つの職場で同居できないもの
例えば、フィットネスはクラスを希望する人がなければそのクラスはない訳で、その人は遊んでいることになる。プールのタオル交換も、雨が降ればプールを利用する人が激減するから仕事がない。一つの仕事に決めるって言うことは暇な時間で来てしまうということ。その横で忙しい人がいると、きっとその人は不満を持つから、いいことなんて何もないよ。
3.協力し合える雰囲気ができやすいのが、何でもやる職場
「これは私に仕事じゃありません。」これを仕事の相手に言うようになったらおしまい。でも、平気で言うんですよね。
自分に権限はないかもしれない、自分に出来ないことかもしれない、そこを目の前の人のリクエストにどうすれば応えられるのか?それを考えられるかどうかはすごく大事なことではないかと思うんです。あまりに仕事が細分化されると、みんな私の仕事じゃないと言ったうえにたらいまわしになってまた振り出し戻る、昨今のコールセンターや、お役所へのお問い合わせみたいなことになってしまうと、少なくともそのサービスを利用したいとは思わないんじゃないかなと思う。
たくさんの仕事を掛け持ちしながら、こなしていくことは大変だけれど、それができると仕事の効率は全然変わる。そういう人がたくさんいる職場が増えると、経済効率が上がっていくんじゃないかと思う。タイも国力をつけてきた。今、ベトナムに工場を建てる日本企業や、IT技術者もベトナム人が多いと聞くけれど、早晩、日本のようにこれは自分の仕事じゃないと平気で言えちゃうような雰囲気が蔓延したら、そのうち負けてしまうんじゃないかと思う。日本はやはり、社長さん自らトイレも掃除する!そういう風土だから。
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