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【過去の記憶】イギリスに2ヶ月住む②

2011年9月、私はヒースロー空港へ降り立った。
初めての渡英から2年後、私はまたイギリスに帰ってくることができたのだ。
しかも、旅行者ではなく留学生(短期の語学学校)として。

短期とはいえ2ヶ月。
9月〜11月頭だったので、イギリスはもう涼しい季節だったから、まず服がとてもかさばった。生活用品、食品、現地に住む知り合いへのお土産……いろいろと詰め込んだら大きなキャリーケース1つ、小さなキャリーケース1つの計2つとなった。

成田からロンドンまでの飛行機はヴァージンアトランティック航空をつかった(父が昔貯めたマイルがたんまりあった為)。数年前日本から撤退してしまった、赤が目を引くイギリスの航空会社だ。
派手な機体、派手なCA、機内も赤と紫を基調に統一感があって、とにかく派手。
2年前も同じ航空会社を使ったけれど、行きの機内食「松花堂弁当」がとても美味しかったのを覚えている。だからもちろん今回も同じものを注文した。エコノミー席で松花堂弁当なんてちょっとリッチな気がして、ちぐはぐ感がとても面白かった。
12時間弱というフライトは、1人だと結構長い。しかも狭い機内で、やることもない。機内ではいくつかの映画を見た気がするけれど、流石に数年前のことなので覚えていない。暇だったけど、これからの2ヶ月のことを考えたらワクワクしてそわそわして、すごく楽しかったのを覚えている。割とどこでも眠れるタイプなので、ちゃんと睡眠もとった。

12時間弱のフライトをへて、ロンドンヒースロー空港へ到着。空港へは前回同様知人が迎えにきてくれていた。
2度目のヒースローも、イミグレーションのカウンターは少ないのに入国の列は大行列大混雑。悪名高きヒースロー空港のイミグレーションは、噂通りとにかく時間がかかる。今回は前と違って留学だったので滞在期間が2ヶ月とだいぶ長い。もちろん、学校への入学手続きも日本で終わらせていたのでコピーした資料、帰国時の航空券などなど……何を聞かれても大丈夫なように準備は怠らなかった。なんせ、私の英語力はThis Oneレベルなので、細かいことを聞かれようものなら、頭上に「???」が浮かんで固まってしまうからだ。
長い長い行列は牛歩のごとく進んでいく。ゆっくり、そろそろ自分の番だ、資料は全部ある、英語で書いてあるし、これだけ準備しておけばどうにかなる、大丈夫、そう思いながらも内心めちゃくちゃ不安だった。
いざ自分の番がやってきた。
滞在期間は?2ヶ月?学校行くんだ。住まいは、学生寮ね、帰国のチケットもある、はい、オッケー。
思いの外あっけない入国。多分1分とか2分とか、それくらいしかかからなかったんだと思うけれど、緊張していたからなのか体感はめちゃくちゃ長く感じた。
入国が終われば大きなキャリーと小さなキャリーとの再会。
無事荷物を受け取って、いざ到着ロビーへ。
すでに知人は到着していて、「ロンドンへおかえり!」と出迎えてくれた。
12時間ぶりに知り合いに会ったことで、妙にホッとした。


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