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ヒナドレミのコーヒーブレイク    永遠に忘れないよ

  この広い世界の中で、あなたと私が巡り合えたことは奇跡。あなたと同じ時代(とき)に生きることが出来て、私は何と幸せ者なの!あの日、あの時、あの場所へ行かなければ、あなたと出会うことはなかった。使い古された言葉だけど、それはまるで 神様がくれた偶然という名の必然だったのかも。私たちは、出会うべくして出会ったのかもしれないね。

 あなたと見る景色は、一人で見る何倍も美しく見えたし、あなたと聴く音楽は、一人で聴く何倍も素晴らしく聴こえた。そして あなたと食べる料理は、一人で食べる何倍も美味しく感じた。

 一度しかない私の青春時代を、あなたと言う素敵なパートナーと過ごせたことは、私にとってプラスでこそあれ マイナスになることはこれっぽっちも無い。神様の粋な計らいで 私たちは巡り合い、同じ時代(とき)を分かち合うことが出来たのね。

 悲しい出来事や辛いことがあった時も、あなたという強い味方がいてくれることで、私は安らかな気持ちでいられた。嬉しいことや幸せだと思える出来事は、二人で分け合うことで、さらに大きな喜びや幸せとなった。この時私は 初めて知った、1+1=2≦だと言うことを。

 綺麗ごとと思われても構わない。だって本当のことだから。悲しげな顔をした人を見かけると 私の笑顔を分けてあげたくなるほど、私は笑顔に満ち溢れていた。もちろん それには あなたがいた、と言う大前提が必須だけれど。私一人ではそこまで笑顔にはなれなかったのも事実。

 最近『運命』という言葉を聞くと、何故か胸がキュンとなる。『運命』とっても素敵な言葉だし、響きもカッコイイ。そう、あなたと私が出会ったのも運命。と言うことは、私が生まれた時には あなたと出会う とすでに決められていたということ・・・!?そう思うと、ちょっと怖いよね 運命って。

 でも、無情にも お別れの時がやってきた。そう、あなたは 私を置いて逝ってしまった。唯一無二の親友だったのに。もう、あなたの顔を見ることも、あなたの声を聞くことも出来ない。それからというもの、あなたを思う度 私は体調を崩すようになった。だから、あなたを思い出すのが怖くて、あなたを忘れたフリをしていた。

 そして1年が経った。私の心の中に、まだ『あなた』はいる。心の中のあなたは、永遠に生き続ける。やっぱり忘れることなんて出来ない、絶対に。今あなたは、私の傍で、温かく私を見守ってくれていると思うから。                                                                                                                         完

              ~昨年10月に天国へ旅立ったKさんに向けて~


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