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私を構成する5つの少年・青年漫画

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ぴよこさんを構成する少年・青年漫画は
『ブラック・ジャック』
『ナンバーファイブ 吾』
伝染(うつ)るんです。』
『ピンポン』
『火の鳥』
次点『オバケのQ太郎』
『キン肉マン』

でした!

3つ年上の姉との二人姉妹だったせいか
子どもの頃には少年マンガはほとんど読んだことがなく
『火の鳥』以外は成人後に読んだものです。
でも実は我が家では2017年の展覧会
「ルーヴルNo.9 〜漫画、9番目の芸術〜」を見て以来
空前のJOJOブームなのでした(笑)

思いっきり熱を込めて書いている少女漫画編はこちら。

少年マンガ編はあっさり目に行きたいと思います。

『ブラック・ジャック』(手塚治虫)【週刊少年チャンピオン/秋田書店


ご存じ漫画の神様・手塚治虫先生の不朽の名作
この漫画の連載開始当時の手塚先生はちょっと落ち目になっていて
「この漫画がヒットしなかったら漫画家として終わり
くらいに言われていたそうで。
その中からこの名作を生み出した手塚先生の底チカラも
ホント凄いと思います。

今さらですが、物語の概要は。。。(ややネタバレ)
顔がつぎはぎ無免許医師にして天才外科医・ブラックジャックの過去は
住んでいた団地で不発弾が爆発し、母は寝たきりとなり
自身も大けがを負って何度も手術をして壮絶なリハビリをして
なんとか普通に生活できるようになったという過酷なもの。
復讐するシーンなどハードボイルドな面もありますが
実際は弱者に優しいブラックジャックが活躍するヒューマンドラマ
助手であるピノコとの関係もかわいいけれどもの悲しく。

一度は読んでおくべき作品かな、と思うのです。


ナンバーファイブ 吾』(松本大洋)【スピリッツ増刊IKKI&月刊IKKI/小学館


私としたことが、松本大洋さんを忘れているとは。
これは東京から名古屋に越してきて、すっごく暇だった時に
オットの蔵書から読み漁ってとにかく夢中になった作品。

世界の平和を守るために選ばれた
ナンバーワンからナンバーナインまでの9人。
その中のファイブが暴走をはじめるところから物語は始まる。

とにかく絵が素晴らしいし、幻想的で圧倒的な世界観で迫る
松本大洋さん以外には絶対に描けない世界。

松本さんと言えば、「ルーヴルNo.9 〜漫画、9番目の芸術〜」
制作展示した作品『ルーブルの猫』もすごくよかったなぁ。
このナンバーファイブとちょっと近い世界観。

『ルーブルの猫』に出てくる画の中に入ってしまうお姉さん
ナンバーファイブに出てくるマリーが似ていると思った。

どちらも繊細で聡明すぎるためにこの世界になじめない。
『ルーブルの猫』で、最初大人になれなかった白猫が、最後すっくと世界になじんで行くところが何とも切なく。。。。ナンバーファイブの別の着地点という気がする。


 『伝染るんです。』 (吉田戦車)【週刊ビッグコミックスピリッツ/小学館】

もう漫画を読んでそれほど驚いたりすることはないと
思っていただけに、受けた衝撃たるや凄かった
みんなそうだったんじゃないのかなぁ?
いわゆる不条理ギャグ漫画の先駆者だもんね。

ちなみに読み方は「うつるんです。」。

「フフフ、気付いてない気付いてないわ」
「さぁてと、取り返しのつかないことをしてみようかな」
「もっとお母さんみたいに」
「ハワイにも行けないカワウソなど」

などなど、よくマネして遊んだものだ。
(スピリッツでは「クマのプー太郎」「じみへん」にもハマった)


『ピンポン』(松本大洋)【週刊ビッグコミックスピリッツ/小学館】


私にとって松本大洋さんの存在は
少女漫画における岩舘真理子さんみたいな感じで
どれも好きで、なかなか選べないのだけど
『ピンポン』は、映画も良かったので、それで頭ひとつ飛びぬけた感じ。

高校生が卓球にかけるいわゆるスポ根漫画
スピリッツじゃなくてサンデーの掲載でもおかしくないという気もする。
でも、この漫画の真骨頂というか
恐らく作者が一番描きたかったこと
ラストシーンに集約されていて
それは「かつて高校時代を過ごした大人向けのメッセージ」なのだと思う。

海で、スマイルドラゴン高校時代やペコについて語るシーン。
人によっていろんな捉え方がありそうだけど
このシーンがあることで、この物語に深みを与えていると思う。
だから、映画も良かったんだけど、このシーンがカットされていたので
それだけがちょっと残念なのだ。


『火の鳥』 (手塚治虫)【マンガ少年/朝日ソノラマ


これはすごく幼い頃に近所の友達に借りて読んで
20歳過ぎにもう一度読んで見方がガラッと変わりました。
子どものころ理解できなかったことが「ああそういうことだったのか」と。

これと最初に挙げた「ブラックジャック」はどちらも「命」がテーマ
1話つ完結ですが、毎回毎回考えさせられます。

で、この本って何度も雑誌や出版社を変えて連載されていて
その都度内容が異なるそうなんですね。

手塚治虫は単行本を出すたびに手を加えており、現行の単行本でも大きく分けて3つの種類がある。雑誌連載時に近いものから順に

復刊ドットコム版(加筆なしの雑誌連載時の状態)
朝日ソノラマ(現・朝日新聞出版)版(2015年版コンビニコミック)(講談社の漫画全集及び文庫全集)
角川書店版(2011年版コンビニコミック)(小学館クリエイティブ版)

私が子どもの頃に読んだのが朝日ソノラマ版で(現在入手不可)
大人になって読んだのは角川書店版(文庫版入手可能)だと思います。

それを踏まえて記憶にある内容を元にした雑感。
印象深かった順に書いていきます。

◎望郷編(マンガ少年版)

≪あらすじ≫
時代は宇宙時代。主人公ロミと恋人のジョージは小さな惑星エデン17を買い、地球から移住。そこは地震が頻発し荒廃した惑星。ジョージは事故で死に、ロミは残された息子と結ばれて生命を繋ぐ。近親婚の影響で女児を得ることができない。やがて兄弟同士の諍いから恐るべき計画が持ち上がり、ロミは絶望する。彼女を憐れんだ火の鳥の働きかけにより宇宙人ムーピーが訪れ、人間との混血の新しい種族が繁栄。ロミが眠りから目覚めた時、エデン17には平和な文明が育っていた。ロミはエデンの女王として静かに老いていくと共に地球への想いを募らせ、少年コムと共に地球を目指す。
本作は『COM』版の「望郷編」(未完)との関連はほとんどない。火の鳥全シリーズ中で最も手塚による加筆・修正が多い編であり、すべての版で大きく内容が異なる。

これが一番強く記憶に残っています。
息子を産むたび冷凍睡眠で息子の成長後によみがえり
その度また息子との間に子を作り、の繰り返しが
あっさりと普通に描かれていて
ロミを奪い合って諍いを起こす男たちは
ロミにとっては全員息子だけど
彼らにとってはお互い親子だったり兄弟だったりするんだよね。

ラストシーンで牧村がロミを埋めながら(?)
星の王子さまを読むという場面も切なくて印象的だった。。。。

◎復活編

≪あらすじ≫
西暦2482年。少年レオナは事故に遭った後、認識障害を起こす。レオナには人間が奇妙な無機物の塊に見えるようになり、旧式ロボットのチヒロに恋をする。レオナはチヒロと駆け落ちし、再び瀕死の重傷を負ったレオナは、自分もロボットになる決意をする。一方西暦3030年、旧式で奇妙な人間味を持つロボット・ロビタが、集団自殺するという異常事態が発生。それはなぜか。二つの物語は、やがて意外な形で収束。本作では「未来編」に登場するロビタの誕生が描かれ、ラストシーンにおいて繋がるようになっている。

火の鳥の登場人物(?)の中でも特に強い印象を残す「ロビタ」
その誕生は、レオナという青年がロボットしか愛せなくなり
自分が死ぬときにロボットとなることを望んだから。
AIなど人工知能との共存社会となりつつある現代においては
多くの示唆に富む作品であると思う。

◎未来編

≪あらすじ≫
西暦3404年。時間軸で考えた場合の火の鳥の結末にあたる作品。人類が移り住んだ世界の5箇所の地下都市が消滅して人類が滅亡。生き残った4人のうち主人公の山之辺マサトは、火の鳥から生命を復活させ正しい道に導くために永遠の命を授かる。マサトは永久に死ねない体のまま途方も無い時間をたった一人で過ごす中で、地球の生命の復活を追究し続け、やがて一つの答えにたどり着く。

「火の鳥」には邪馬台国の卑弥呼をはじめとして
不老不死を願って火の鳥の生き血を求める人が多く描かれますが
実際に不老不死となり「死ねない」とは何とも恐ろしい。
マサトが生命の種まきをして生まれた文明が「ナメクジ」とは
ゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾッッッッ。
しかも黒いのと白いのとの間で戦争が起きて滅びるあたりが
何かを象徴してるよね。


◎宇宙編

≪あらすじ≫
西暦2577年。主人公達5人は、宇宙船で人工冬眠を行いながらベテルギウス第3惑星から地球へ向かっていた。宇宙船は操縦者である牧村五郎の自殺にで事故に遭い大破。乗員4人は人工冬眠から目覚め宇宙救命艇でバラバラに脱出。彼らは宇宙に漂いながら無線通信機で牧村五郎について話し始める。やがて彼らの乗る4つの救命艇に謎の救命艇が近づいていく。果たしてその救命艇には誰が乗っているのか。本作では、どうして猿田が過去から未来へと延々と苦しみ続けているのか、その理由が語られる。

細かいところは覚えてないのだけど
確か猿田の片思いしてる女性と牧村が恋人同士で
嫉妬に狂った猿田が牧村を殺すのかな?
んで、牧村は赤ん坊になって女性はある星で牧村を育てるために
植物みたいな生体に変わり、猿田とは永遠に結ばれない。
火の鳥から猿田に罰として鼻の大きな醜い姿で
過去未来永劫罪を償い続けることを告げられるという話。。。たぶん。
古代まで過去にさかのぼって罪を償うということが衝撃で
人の業や宿命の深さを考えずにはいられません。
リュウゼツランという植物を見るたび、この生物を思い出す。


◎鳳凰編

≪あらすじ≫
奈良時代。我王は片目と片腕がないことで心に闇を抱え、殺戮と強奪を繰り返す。やがて愛を知り良弁僧正と出会い、仏師としての才能を開花させながら悟りを開いて行く。国を挙げての大事業・東大寺の鬼瓦製作の大勝負の場で再会した相手は、かつて我王が腕を切りつけた仏師の茜丸であった。

これも何とも深い話で
この世を憎み復讐の鬼のようだった我王穏やかに生きていた茜丸
我王が茜丸の腕を斬ったことがひとつの転機となり
二人の性格も人生も正反対となって行く。
自分の幸せも生き様も決めるのは自分自身
そう強く感じた。


◎ヤマト編

物語はほとんど覚えてないのだけど
邪馬台国の女王・卑弥呼が乳がんらしき病気で死んで
卑弥呼の墓に生き埋めにされた奴隷の声が
一年以上外に聞こえていたという話が印象的で。
漫画では奴隷たちが火の鳥の生き血をすすったからなんだけど
史実でも数日聞こえていたらしい。。。
想像すると本当に恐ろしいが、昔はそういった「殉教」が
当たり前
だったのだよなぁ。
庶民の命の軽さに涙。。。


修正前の5つのマンガ、もとい7つのマンガとしたい。


実はこの投稿、一度挙げたものを修正してお送りしております。

最初に投稿したラインナップ。とはいえ、どれも実は甲乙つけがたく。
なので、7つのマンガとしてもらったほうがいいかも。

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オバQキン肉マンTVアニメで夢中になりました。


『オバケのQ太郎』(藤子不二雄)【週刊少年サンデー/小学館


手塚先生と来れば次は藤子不二雄先生

藤子先生の作品で一番好きなのが、この「オバQ」
とにかくオバケのQちゃんが憎めない。
そしてQちゃんが居候になっている大原家
底抜けにいい人たちなんだよね。

Qちゃんって確か毎食20杯くらいお代わりするんよね。
こんな大食らいで役にも立たないオバケ
我が子のようにかわいがるなんてすんばらし。

いつもドラえもんに甘えてばかりののび太と違って
Qちゃんの騒動に巻き込まれてばかりなのに
見捨てない正ちゃんもホントエライ。
ホントのび太に爪の垢を煎じて飲ませたいくらいだ。


『キン肉マン』(ゆでたまご)【週刊少年ジャンプ/集英社】


これもほぼテレビアニメでしか見ていないのですが
悪い奴を成敗する感じがたぶん好きなんですね。
ハマって見ていたところがちょうど
阿修羅マンと闘っているところでした。
最後3つ全部の顔から涙流したシーンが衝撃的だった。
(とここで、オットに確認したら
何度か闘ってるそうで。。。じゃわかんないよね)

全体を通して読んだわけじゃないんで
まったく詳しくないんだけど
高校生の頃の一時期、泣きながらテレビを見ていて
何だかおかしいくらいハマった記憶があるんで
ここに入れさせていただきました。


少年・青年漫画編、ここまでとなります。

全然あっさりちゃうやん! ⇒ 皆さんの声

なんというか「火の鳥」について書きたかっただけじゃね?
という感じもしてしまいますが。。。
私は手塚先生と松本大洋先生とギャグマンガでできている
といっても過言ではない。


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