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自分の才能を活かせる場所はちゃんとある

このnoteを読んでいる人は、私自身に特に興味はないと思いますが、今日の記事はどんな人が書いているかは割と重要なので、サクッと説明します。

私はライター講座に通ったことがきっかけでイラストレーターになったものの、そこから10年以上経ってから文章の本を出して「文筆家」と名乗り始めた者です。

本は今までに3冊出しています。
①「やさしい写仏ぬり絵帖」(ダイヤモンド社)ぬり絵担当
②「アトピーの夫と暮らしています」(PHP研究所)コミックエッセイ
③「ナゴヤ愛 地元民も知らないスゴイ魅力」(秀和システム)文・イラスト・漫画担当

ぬり絵 → コミック → 文・イラスト・漫画

と、どんどんライター寄りになってきています。

大きな声では言えないのですが、私は絵を描かない日はあっても文章を書かない日はないくらい、文章を書くことが好きです。

そして、文章を褒められることも多くなってきて、やっぱ文章書く方が向いてるんじゃないか?と思って書いていくうちに、文章の本が出せてしまいました。

まぁ、そんな奴が書いてるってことでお読みいただければ。


文章の仕事をしていく上での迷い

少し前までの私は、自分の物書きとしての立ち位置に迷っていました。

この先、どのような仕事をしていくかということだけでなく、自分には、文章の才能があるのかどうかもわかりませんでした。

ライターとしての実績は、出版社のWebsiteで連載したイラストコラムの仕事が最初です。でもこのときは、あくまでもイラストのおまけでしたから、自分の文章力に関しては懐疑的でした。

次に、とある大手メディアのECサイトのコピーライティングを担当。私が書いた文章次第で売り上げが変わるというは、やりがいがありました。

その次に担当したのは、一般企業のWebsite用のライティング。と言っても、企業のPR用のライティングではなく、完全にエンタメ系の雑学を書くもので、これは本当に楽しかったです。

この3つの仕事に関しては、誤字脱字以外のロジカルな部分での修正はなく、基本的な文章力は認められていたように思います。

特に、最初の出版社の編集さんからは「陽菜さんの文章には直すところがありません」と言われました。でも当時の私はそれを信じてなかったんですね。それでもなぜか文章を書く仕事は増えていくのですが。。。


挫折と希望


その後はじめて挫折を味わいます。

つまずいたのは、Webライター的な仕事をしたときです。とにかくすごく赤が入るんです。それまでの仕事との違いは、細かくて変なレギュレーションがあること。(Webの仕事が全部そうだというわけではないと思います)

掲載されるメディアはサブカル系なのに「文章がカジュアルすぎる」と言われたり。(ちなみに今書いているような文体ではなく、もっとくそ真面目に書いてます)

私が仕事を受けていたのはそこまで安い媒体ではないので、他のライターもある程度のレベルの人たちだったようです。でも自分はその人たちとどこが違うのだろうか。

いつもそうなんです。他の人にできることが、自分にはできない。何か自分には欠けているものがあるのか、と落ち込みました。

私の文章、直すところはない、悪くはない、でもよくはないのかもしれない。すっかり自信喪失してしまいました。


そんな私を救ってくれたのは、またもや出版社の編集さんの言葉でした。

去年秋に出た著作の担当編集さんにそんな話をしたところ、編集さんからは思わぬ言葉が返ってきました。

「そういう(Web用の)文章は、誰が書いても同じような文章になることを求められているんです。陽菜さんのような作家性の高い文章を書く人は、気にする必要はありません」

「さ、作家性???」
マジっすか???(ふがふがふが)
あんまりうれしくて、人に言いたくて言いたくてたまりませんでした。

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自分に向いてることだけできればいい


9月に出版した新刊『ナゴヤ愛』(秀和システム)はお陰さまで好評で、たくさんの方に「取材力がスゴイ」「面白い」と言っていただけました。

出版後、とある大手メディアの連載コラムが決定。

そのメディアの担当編集さんから、編集部の部長さんが私の原稿を絶賛していたと連絡が来ました。
「これは素晴らしい!全部が腑に落ちる。僕は直すところはないね」
と言ってくださったのだそうです。

いやあ、これもう単なる自慢ですね、すみません。

ここへ来て、ようやく私は悟ったのです。
文章にも向き不向きがあって、どのジャンルでもうまく行くことはないってこと。

私に書けるのは、多少個性のあるコラムだけです。でもそれで十分。

私はこの先も、ものすごく人の胸を打つような文芸大作や、切れ味鋭い社会派コラムなどは書けないだろうけど「私にしか書けないもの」を書けばいいのだと思いました。

昨年、昔馴染みの編集さんとお会いしたら、彼は知らない間に私を色んなメディアに売り込んでくれていて、企画込みで興味を持ってくれた媒体もあったようです。それを聞いて言葉もありませんでした(うれしすぎて)。

「文章だけで十分需要あります。イラストも漫画も描けることは強みでもあるから、それを最大限生かせばいいんですよ」

これ、絶対に言えることで、他の仕事から転職したり、メインの仕事以外に得意なことがあったりするのって、すごい強みなんです。

その強みを生かすことで、唯一無二の自分になる可能性は高まります。合わせ技、大事です!自分に向いてること、得意なことだけできればいいのです。(これ、完全に自分に言ってるな)


自分のことって自分ではよくわからないものですが、面白そうだな、と思うことをいろいろ続けていくと、認めてくれる人って現れるものなんだと思います。

以上、才能なんてものがあるかどうかも不明だけど、どうにかこの世界に居場所を持つことができている者の雑感、でした。


あぁ、絵も描かなくちゃ(笑)

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2021/3/22追記。

たくさんの方に読んでいただいたようで、ありがとうございます!

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陽菜ひよ子 / インタビューライター&イラストレーター

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