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安全対策!施設のマニュアル作りと活かし方

マニュアルは緊急時だけでなく普段から安全を意識して動くための指示書にもなります。施設の決まりにも反映するため職員と施設を利用する側で考えるのがベストです。
しかし、ある程度のイメージが無いと話し合いは難しいものです。
まずはざっくり作ることをおすすめします。

ミサイル・災害・怪我・事故等を含めた緊急時、連絡や個人情報のセキュリティ・施設の出入り等の防犯時、 病気・感染症・排泄物や嘔吐時対応の衛生保健の最低でもこの3つを含んだマニュアルが必要とされています。

この3つ、1つずつ作るのも良いのですが何より「怪我をした際に連絡して、お迎えに来てもらう」となると・・・
「怪我をした」際に「連絡して、お迎えに来てもらう」と「」分けしたところがマニュアルの反映される部分なのですが2つに分かれているのがわかります。
2つのマニュアルに沿って動くこととなるわけです。もちろん、怪我をしている間に「出血する」場合だってあります。
あぁ・・・3つになってしまいました・・・

といろんなことを想定して作らなければなりません。
なので、これは現場経験が無いと作れません!(キッパリ!)

ざっくり作る際に必要な項目分けをお知らせするのでまずはここを作りましょう!

①マニュアルを作るための目的
②どんな危険な場面が想定されるか
③安全対策のための最新情報は収集を何で行うか
(地震情報や天候災害警報等)
④緊急時に指示をする人が誰か
(不在時も考慮し、順位をつけて3人出す)
⑤マニュアルを実行・運営するうえで利用者や近隣の住民に協力しなければならないこと
⑥必要なもの・保有しておくべき情報・必要な人員

・・・ざっくりの割にめちゃくちゃ項目ある。

と思ったと思いますが、
②のどんな危険な場面が想定されるかに対して③④⑤⑥を考えて行くだけでだいたいのことは考えられています。
これに対して

⑦未然の対策

をつけるとこれがマニュアルとなるのです。
⑦を考えるのが一番頭を使います。
なぜかと言うと、危険になる原因を考えて対策するためです。

事例をもとに項目分けして実践してみましょう!

②どんな危険な場面が想定されるか散歩時に集団と児童がはぐれてしまうこの際にはクラスでの保育中とします。

③安全対策のための最新情報は収集を何で行うか
(地震情報や天候災害警報等)
③に必要な情報は
「人数確認を最後いつ行っていたか」や
「いつまで職員の記憶にいた確信があるか」
「どんな服を着ていたか」、「誰と手を繋いでいたか」等 その子に関する情報です。
そのためいないことに気付いた時点で他の職員に
声を掛け、今日の様子を確認する。
朝どんな様子だったか保護者から聞いていた情報もそこに含まれます。


④緊急時に指示をする人が誰か
(不在時も考慮し、順位をつけて3人出す)
散歩時なので他の児童を誰が見て、誰が周辺などを探しに行くか、携帯電話でどこに連絡をするか等を指示する人はここは1番リーダーの先生とします。
リーダーの先生がいない場合もあるので2番副担任、3番補助またはフリーの先生とします。

⑤マニュアルを実行・運営するうえで利用者や近隣の住民に協力しなければならないこと
この場面で、24人を2人で見ていたと仮定し
1人が探しに行く場合には23人を1人で
見守らなければなりません。
死角が必ず出ます。
近所の人の手を借りて23人を園に戻す方法もあります。その方が絶対に安全です。
逆に助けが来るまで動かないというのも手です。
ここでは携帯電話で連絡をし、園から職員が
迎えに来るように要請することにしましょう。


⑥必要なもの・保有しておくべき情報・必要な人員
先ほども出ましたが連絡ツールとして携帯電話、
携帯電話の中には園の電話番号を保有しておくべきということになります。
人数確認するためには当日の出席数が必要です。
先ほど電話をして1人助けが来ることになりました。
散歩があるときは必ず1人フリーになれる人が園にいなければならないということです。
職員1人で待つときに子どもたちが散らない様に絵本を用意しておく等と記載しても良いでしょう。

⑦未然の対策
上の内容にも、出て来ていたのに気付いている方もいると思います。

・朝どんな様子だったか保護者に聞くこれは怒られてストレスがたまって衝動的な行動に出る、困らせようとする等も考えられます。また、保護者と園長が面談していて園に勝手に戻った等も考えられるので子どもの心理状況を想定するために必要な情報です。

”どんな服装をしていたか”は捜索の上で大きく必要な情報となります。
そのため
・施設では同じ帽子を被る、制服を着用して対策
をしている所が多いのではないでしょうか。
近所の人に聞きまわる際や警察へ相談する際も
この情報が必要となります。
未然に
・身に着けているものには名前を記入してもらう
などでも良いでしょう。


緊急時に連絡をするために
・携帯電話を持ち歩き、園の電話番号を登録しておく

緊急時、助けに行けるように
・1人フリーの職員を園に配置しておく

指示の部分でクラスでの活動の際には
リーダー、副担任、フリーの先生が同時に休むことが出来ないことになります。
そのため、
・シフトはあらかじめ各職員が安全対策を守れている職員配置となっているか確認してから定める
となります

他には
・出席人数を散歩前に必ず確認する。
・出発時、目的地到着、目的地出発、園到着
の最低4回は人数確認を2人以上で行う。
・2人ペアで歩くように子どもたちを日ごろから指導する。
・散歩時は前と後ろで職員がはさむように子どもたちを整列させる。
・はぐれたのが確認しやすいように2列で整列して歩くように促す。
・・・
などです。

ルールがたくさんあれば良いという問題ではありません。
守れるルールでなければ意味もありません。
意識だけでなく実行力を考えて話し合うのが良いでしょう。

ルールは自分たちの首を絞めるものではなく自分たちを守るものと思って話し合いを進めることが
管理職の方の腕の見せ所です。ここが職員の積極性を出します。

マニュアルの活かし方

・マニュアルがあればもしも事故があった時に
事故報告書を見ながらきちんとマニュアルに沿って行動できたか職員の評価もしやすくなります。

・感情的に管理職が仕事を押し付けてルールを提示しているのではなく安全マニュアルとしてあるものと言えるのでハラスメントと言われないための対策にもなります。

・保護者に対する説明もマニュアルに沿って安全対策していましたがということも説明できるようになります。保護者の納得を得られるためにも必要となるのです。

是非、この例を使って作ってみてはいかがでしょうか?

お掃除係の実習を体験した保育士さん、きちんとした指導・教育を受けられずも頑張る支援者さん…など現場に困り感を持っている方へサポートすることで、子どもたちに還元されるものがあるのではと信じています。よろしくお願いします。