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【フリーズしちゃう子も楽しめる】サークルバレー

 能動的に動こうとすると固まってしまう子や集団で合目的で遊ぼうとしてもペースが合わせるのが難しい子、関りに悩んでいる支援者さんもいるのではないでしょうか。

 興味の限局が原因だという方もいるかもしれませんが、「失敗を回避するため」に参加しない子も中にはいます。特に学齢期に入るとメインは勝敗のつく遊びとなり、さらに集団遊びに入るのにはハードルが高くなってしまいます。

 そのような子でもハードルを下げて遊べるのが「サークルバレー」です。

サークルバレー

環境設定

人数:4人以上
年齢:4歳~ 
準備するもの:膨らませた風船1つ
       タイマー

ルール

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1.参加する人は全員手をつないで輪になります。身体の向きは中心に向かってです。
2.タイマーで1分セットし、スタート時には掛け声と同時に風船を人の輪の中に投げます。
3.手をつないだままパンチングして、トスの回数を数えます。ゲーム開始の前に対話し、自分たちでトスの回数を設定しておくとよいでしょう。

ねらい

※()内は計画等で記載する領域を表しています。

・集団で合目的の遊びを行う。(社会性)
・トスの回数を決める際には意思の表現をする。(言語・認識)
・風船の動きに合わせて、力加減を調整しながら身体を使う。(身体機能)
・周りに声をかけたり、声がけを聞いて協調してゲームを行う。(社会性)
・成功や失敗を感じながらも、次のゲームへ期待を持って楽しむ。(情緒)
・手をつないだままの遊びなので、腕が抜けないように配慮しあわなければなりません。そのため簡単な遊びではありますが4歳からと設定しています。声をかけてから移動する、優しく引っ張る、必要に応じて手を放す等の判断力を要します。(言語・認識)

考えられる行動と対処法

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・能動的に動くことが苦手で身体が風船に合わせられない
※両手に手をつないでいるので、どちらかを支援者にして優しく体を引いて導びくと良いでしょう。また、人数が多い方が動く回数を減らすことができます。少人数ではなく、大人数から取り組んでみても良いでしょう。

・失敗を怖がって身体が動かない
※失敗しても、手がつながっている分 責任も半分です。支援者が隣にいると「先生も間に合わなかった!」などとフォローしやすくなります。また、練習を設けてからタイマーをかけるようにするなど、心のアイドリングタイムを設けると良いでしょう。

・風船を独り占めしようとする
※事前にルールを増やして、トスの間隔を開けるようにすることも1つの手立てです。感情のコントロールが難しい子はルールがあっても守れない場合があります。その場合にはマスキングテープで定位置を作り、トスをしたら1度戻るというようにしても良いでしょう。

・勝敗を怖がる
※チーム制にして楽しむこともできる遊びですが、今回はフリーズしてしまう子や集団遊びが苦手な子でもできるような設定にしています。「勝つ」「負ける」「失敗」「ダメだ」というワードは敏感になるきっかけづくりになります。「何回できるかな?」くらいの気持ちで行うと、参加のハードルが低くなります。そのため初めのトスの回数の目標設定も5回から始めるなどすると良いでしょう。

・力加減が強すぎて続かない
※緊張の高い子はよくある場面です。風船が軽いことをつい忘れて天井に行くほど…ということも。その場合には手をぎゅっと握ってからトスをするなどして、ワンクッションおけるようにアドバイスしてみましょう。またそれでも難しい場合には支援者が一緒に手をつないでコントロールするのもありです。合目的になるとどうしても「ちゃんとやって!」という正義感の強い子も出てきがちです。それぞれ頑張っていることを関りで伝えるのはもちろん、息の吐き方で力をコントロールしたり、「何秒で降りてくるだろう」と少し気を紛らわせたりするのも良いでしょう。

・手が過敏で、すぐ手を放してしまう。
※手をつなぐことに抵抗感がある子も、中にはいるでしょう。手袋をしてみたり、短めのタオルを一緒に持ったりすることで繋がっている感は保てます(笑)過敏さは人それぞれなので、これがいい!というものは断言できませんが手首をつかむことだけは支配的になってしまうのでやめましょう。

成功体験が増えると、参加意欲が高まります。
単純なルールの遊びから楽しんでみましょう。

他にも遊びを紹介しています。
興味のある方はぜひご覧ください。


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