夏の終わりを感じさせる“月見草”と“ノブドウ”。
8月26日、スーさんからメールがきた。
「道の草花♪ 月見草とノブドウ」
とだけ書いてある。うーん、端的でいいのだが、感想らしいものを書いてくれると助かるのに。
月見草は、マツヨイグサ属の植物全体を指す呼び名。「マツヨイグサ」「コマツヨイグサ」「オオマツヨイグサ」「メマツヨイグサ」などがある。
スーさんが撮影した花は、オオマツヨイグサ(大待宵草)のようだ。
北アメリカ原産の植物をもとに、ヨーロッパで作られた園芸種といわれている。
日本へは明治時代の初期に渡来し、日本全国で野生化したとか。
花は夕方に開き、朝にはしぼむことから、「待宵草」と名付けられたようだが、日本人らしい情緒のある命名だ。
太宰治が1939年(昭和14年)に発表した『富岳百景』のなかで、
「富士には月見草がよく似合う」
と書いているが、これはオオマツヨイグサのことだといわれている。
竹下夢二の詩歌を原詩とする「宵待草」(1912年発行)
「待てど暮らせど来ぬ人を
宵待草のやるせなさ
今宵は月も出ぬそうな」
もオオマツヨイグサらしい。
今では、こんな情緒のある詩歌は、誰もつくれないかも。
野ぶどうはブドウ科の植物で、別名を蛇葡萄という。
熟した果実は、まずくて食べられないとか。秋に根を堀り乾燥、煎じて関節痛などに用いるらしい。
小さな実は、粒ごとに微妙に色あいが違い、白や空色、淡い緑色、青紫、薄紅などと、とても美しい。秋が深まるころには熟して黒に近い紫色に変わる。
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